TY Tokyu N-Gauge(Update3/Q SEAT) | The Wonderful World of Disney

 

2015年3月に東急5050系4000番台がKATO(関水金属)製品化されて早9年、2023年3月28日出荷の東京メトロ17000系が発売されたことで、東横線を走る車両として12編成目が出揃い、多種多様な直通運転がKATOの製品だけで再現できるようになった。また、ラウンドハウスからは座席指定車両のQシートが単独で製品化されるなど、2023年にメトロ関連シリーズに動きがあった。

 

 

そして、2023年4月26日出荷の東武50050型が加わったことで、東急田園都市線を走る車両が3社3編成が出揃い、こちらもKATOだけで直通運転が再現できるようになった。

 

:東横線系統 :田園都市線系統 △:未所持

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東急5050系4000番台4107F(特別企画品)

東急5050系4000番台4109F(通常企画品・再生産あり)
東急5050系4000番台4110F(Shibuya Hikarie号)

東急5050系4000番台4112F(ホビーセンターKATO東京店 特製品)
東急5050系5173F(実車は4111Fに組成変更のため編成番号は消滅)
東急5000系5122F(青ガエル)
横高Y500系Y514F

東京メトロ10000系10172F(旧ロット・東急直通前仕様)△
東京メトロ10000系10175F(新ロット・東急直通後仕様)

東京メトロ17000系17103F

西武40000系40101F(特別企画品)△
西武40000系40102F(通常企画品)
東武50070型51076F

東急5000系5103F

東京メトロ18000系18102F

東武50050型51064F

 

 

こちらの記事で取り上げた車両から4編成が加わったので、その紹介も兼ねてまとめておく。

 

 

 

⑫東京メトロ半蔵門線18000系(18102F)

 

東京を走る地下鉄シリーズ(通称メトロシリーズ)が2年の空白を挟んで製品化発表、17000系の予告と共に18000系が発表された。発表時点では、直通先路線の東急2020系や東武50050型といったラインナップは展開されなかったが、東武50050型に関しては本製品に合わせる形で製品化発表されている。18000系は、2022年5月には17000系と共に、鉄道友の会ローレル賞を受賞している。

※メーカー出荷日:2022年9月21日

 

【購入背景】

 5050系4000番台の派生として2018年1月に発売された東急5000系(特別企画品)が唯一半蔵門線を走る車両としてKATOから発売された形式であり、直通先路線を含めて長らく製品化されることがなかった。旧型車両8000系を置き換える目的として2021年8月より新型車両18000系の運行が開始され、この度KATOから本形式が製品化されることを受けて購入を決定した。

【購入店舗】

 ヨドバシカメラ・マルチメディア 横浜

【製品詳細】

 https://www.katomodels.com/product/n/metro_18000kei

【外装】

 行先:63S 各停 押上(グレードアップシールより貼り付け)

 乗務員室:加工なし

 連結器:密連カプラー(灰)に変更+E259系 車体間ダンパー※取り付け

 ※2023年6月時点では313系5000番台のAssyパーツが市場流通ないため、代用で取り付け

【内装】

 Densha.me製の内装ステッカーを貼り付け

【備考】

 製品化されるかは不明だが、2020系を「準急 押上」としたいため、それに合わせて設定

 

 

 

⑬東京メトロ17000系(17103F)

【購入背景】

 東横線系統を走る最新車両であり、特に買わない理由はないので購入。とはいえ、10両編成の17000系は6編成しか存在せず、実際の運用でも東横線での遭遇率は高くない。個人的には17000系自体を急行で見かけることが多いため、所有車両でも設定していない「急行 和光市」行きとしている。仮に8連が製品化されたら「各停 和光市」行きにできたらと思う。

※メーカー出荷日:2023年3月28日

【購入店舗】

 ヨドバシカメラ・マルチメディア 川崎ルフロン

【製品詳細】

 https://www.katomodels.com/product/n/metro_17000kei

【外装】

 行先:89S 急行 和光市(世田谷車両センターのシールを貼り付け)

 乗務員室:加工なし

 連結器:密連カプラー(灰)に変更+E259系 車体間ダンパー※取り付け

 ※2022年10月時点では313系5000番台のAssyパーツが市場流通がないため、代用で取り付け

【内装】

 施工無 ← Densha.meから内装ステッカーが発売されたら別記事にて取り上げる予定

【備考】

 後述する4112Fタイプとペアで走行

 

 

 

⑭東武50050型51064F

【購入背景】

 田園都市線内でもよく見かける車両ではあるが、乗りたいとは思わないと言いつつ、模型の出来栄えがなぜかカッコよく見えてしまう車両。運転台のATO機器および先頭車車端部が50070型との大きな差異となる。東急5000系および前述の18000系に合わせて購入した。

※メーカー出荷日:2023年4月26日

【購入店舗】

 ヨドバシカメラ・マルチメディア Akiba

【製品詳細】

 https://www.katomodels.com/product/n/tobu50050

【外装】

 行先:54T 急行 南栗橋(グレードアップシールより貼り付け)

 乗務員室:ドア窓と同じく、銀河モデル S-591より貼り付け

 連結器:密連カプラー(灰)に変更+E259系 車体間ダンパー※取り付け

 ※2022年10月時点では313系5000番台のAssyパーツが市場流通ないため、代用で取り付け

【内装】

 施工無

【備考】

 18000系を各停 押上にしたため、こちらに合わせて急行 南栗橋に設定

⑮東急5050系4000番台<4112編成>タイプ

 

【購入背景】

 ホビーセンターカトー東京店の特製品として4/9に正式発表されたもので、2023年3月に再生産された4109Fをベースに、ラウンドハウスにて発売されたQシート2両を組み込んでいる。Qシートの車両は4112Fの車番がプリントされており、再生産品の車番を変更するレタリングシートが付属しているが、これらの加工を含めた形で発売されている。東急5050系自体が多岐に渡る形態差があることでも知られ、プロトタイプとなった4109FとQシートが連結された4112Fでは片手では数えられないほどの差がある。非常に残念ながらこの特製品は4109Fをベースにしているため、見た目の差も補われていないが、せっかく特製品として製品化頂けただけに、購入を決断した。本音を言うと、レタリングする自信がないので、手間をお金で買い取っただけ。なお、レタリング部分はクリア加工等はされていないため、購入者自身で加工を行う必要がある。

※店頭発売日:2023年5月27日

 

【購入店舗】

 ホビーセンターカトー東京店

【製品詳細】

 店頭受注生産品のため、リンクなし

 →ホビーセンターカトー東京店公式Twitterにて詳細あり

【外装】

 行先:52K 急行 川越市(付属行先パーツより取り換え)

 床下:先頭車のみ田園都市線5000系の中古品より差し替え

【内装】

 ・1~3、7~10号車

  →室内灯:ポポンデッタ製エネルギーチャージャー青白色

  →座席他:過去記事と同様、Densha.me製の内装ステッカーを貼り付け

 ・4・5号車

  →室内灯:ポポンデッタ製エネルギーチャージャー黄白色

  →内壁:Twitterより借用した画像を車両サイズに合わせて貼り付け

  →座席:3Dパーツを別途購入して、近しい塗料で着色して取り付け

  →床:シール台紙に実車の床面画像を印刷して、切り取ったものを貼り付け

【備考】

 Qシート車2両は、ロングシートモードの室内を3Dパーツを使用して再現

 スカート部も3Dパーツによる再現を試みたが、物理的な破壊を伴うため断念

 

 

 

※ATO機器等の床下を厳密に再現するには、「Y500系の床下」と塗装を省きたい場合は「5000系のスカート」の2点があれば実車に最も近づけられることになる。本来はY500系のASSYパーツ(床下)があれば低価格で再現できたが、同じことを考えているユーザが多く入手は叶わなかった。プレミア価格つきではあったものの、ホビーランドぽちで5000系の新品同然の中古品を手に入れられたので、スカートの見た目だけを重視して床下のみ差し替え、行先シールも未使用のものが付属していたので抜き取った上で車両はポポンデッタに売却した。案の定、見る目がない店員だったためか、スカートの形状にマイナス査定が入ることもなく、普通に動いて箱もきれいという理由でAランク(査定の満額となる定価半額の値段)で買い取って頂いた。こういったときにポポンデッタの買取は良いなと思う。

 

 

ここまでを込みで特製品として販売して欲しかったとは言うまでもない...。

 

 

Qシートを連結した4112編成だけが外観上異なるが、コストをかけてでも先頭車のスカートは寄せたので、それなりに大事に出来ればと思う。Qシート車以外は、Densha.meの内装ステッカーを貼り付けており、車内の彩りは既に手元にある4107F・4109Fと同様にしてある。

 

 

編成のキーポイントになるQシート車両については、実車にて撮影した床面の画像をもとに再現し、座席部分は前述した3Dパーツに着色したものを取り付けている。床部分は着色できていないが、窓から覗いた際はあまり目立たないため、切り取ったり着色はしていない。

 

 

 

3Dパーツには、Qシートサービスを想定したクロスモードも含まれていたが、Qシートとして運用するのは平日夕方に限られることと、他の車両が土休日の運用を想定していることからロングモードでの再現とした。個人的にも手にした鉄道模型の中で最もコストがかかった編成になってしまったが、外観も内装も思っていた以上の出来栄えに仕上がったので満足している。恐らくKATOから5050系関連で製品化があるとは思えないので、終止符を打つという意味でも良かったのではないかと思う。

 

 

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ちょっとした雑談

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3年ぶりに開催されたヨコハマ鉄道模型フェスタにて、東急5050系4000番台のQシート車両が先行販売(Nゲージ車両付き入場券として配布)された。良くも悪くも、Qシート車両のプロトタイプが4112Fであり、製品が発表された時点で組成されていたのはこの編成のみであった。しかしこの編成はKATOから発売された4109Fとは外観上も大きく異なっており、単純に車番を変えただけでは実車に近づけることはできない。レタリングシートという形で商品に同封されていたものの、これが先行販売された際は様々な意見が挙がった。

 

この時点でスカート形状が同じでかつ塗装変更不要(厳密には搭載機器が異なる)な田園都市線5000系は中古でも値段が高騰し、塗装変更必要なY500のASSYパーツも高値で取引される事態となった。そうでなくてもKATOから出ている東急の車両の半数が特別企画品であり、パーツ自体も入手できる範囲に限りがある。よりによって製品対象を4112Fにしてしまったのが残念な話ではあるが、さらに東急5050系4000番台がスロットレスモーターの仕様を変えただけの再生産に踏み切ったのは余計意味が分からなかった。ここで4112Fにあわせた車番・仕様変更を行って生産を行っていれば良かったものの、現行仕様でもなければQシート車両に合わせた車番変更ということにもならず、何もかもが中途半端な展開に終わった。再生産(発売)時期がちょうどダイヤ改正直前であったため、相鉄直通対応した行先も収録されることもなく、その後グレードアップシールとしての発売もされていない。

 

そして、ホビーセンターカトー東京店限定の特製品として、4112編成タイプが受注生産という形で行われたまでは良かったが、再生産品とQシート車両を組み替えて10両セットとしたうえで、レタリングシートによる車番変更を行っただけの4112F風な特製品で終わった。ASSYパーツを流用した先頭車デジタル無線アンテナの再現はしているものの、せめてスカート形状くらいは田都5000やY500のASSYパーツを再生産してでも組んで欲しかったのが本音。特にレタリングシートは転写具合に個体差が大きく出ており、ここまでするくらいなら一層のこと車番部分は印刷して欲しかったと思う。行先表示シールも今回だけのための製品化は難しいのだろうか。そのための受注生産では?と疑問に残るものの、せっかく企画・販売してもらったわけだから次回への期待を込めて購入はしたが、それなりの意見はHPを通じて投げさせた頂いた。後出しでも良いから床下だけでも発売して頂きたいところ。強いて言えばオリジナルのラベルが貼られたブックケースを手にできたことくらいだろう。

 

気付けば4/26に出荷された東武50050型でメトロシリーズの展開が一旦区切りついており、2023年6月時点での最新発表までに動きはない。3年ぶりに開催されたヨコハマ鉄道模型フェスタでは、KATO担当者から製品化の可能性があるラインナップとしては、東京メトロ副都心線17000系8両編成、西武池袋線40000系ロングシート車10両編成が候補として挙がっているとのこと。これらは金型を流用して製品化が可能なため、微細の差を除けばそれほどハードルが高くはないらしい。しかし、これまで生産された東急系統は、基本的には同じ金型を使用して生産されているため、デジタル無線アンテナが設置された現在の姿に合わせた金型にしてしまうと、今後アンテナが設置される前の姿での生産ができなくなってしまうとのこと。KATO事情からするとアンテナがついていない状態で生産せざるを得なかったのが背景としてあったのかもしれない。金型くらい2つ作れば良いのでは?と疑問に残るものの、この事情を踏まえると、仮に金型を変えないのであれば、田園都市線5000系の6ドア車のような改造前の状態を製品化できる一方で、4ドア組み換え後の現在の姿を製品化しても、アンテナ等のパーツは購入者自身で加工してくれという流れになりそうだ。仮にアンテナ設置前の状態で製品化するとしたら、5000系の6ドア車時代くらいなので、鉄道史にも残る3両連結した姿は製品化があって良いのではと思う。

 

直通運転開始に便乗して相鉄車両の製品化がされることはなかったわけで、18000系の製品化をもって、メトロシリーズは一段落したのだろうか。Twitter上での声としては、目黒線5080系の製品化要望が東急系統としては非常に多く見受けられ、3月に相鉄直通を開始した影響も大きく出ているのではと感じる。金型流用という視点では、2020系・6020系・3020系あたりは共通設計であるわけだから使い回しができそうな予感はするが、見た目だけが売りのグリーンマックスが既に製品化してしまっているので、競合他社と被ることを避けるためにも今後製品化の可能性は低いのだろう。目黒線に関しては3000系と5080系が違和感のある中間車を連結した状態のため、どちらかというと8両全てが同時期に作られた3020系の方を個人的には製品化頂きたいものの、3編成という少数派に留まるので製品化希望は低いと思われる。

 

高頻度で製品化されても置き場所に困るだけだから、忘れた頃に小出ししてもらった方が嬉しい部分ではあるが、今回の5050系4000番台の再生産のように中途半端な状態で製品化されるのだけはやめて欲しいし、やるならやるでしっかりポイントを抑えて再現して頂きたいとは思う。昨今の原材料・人件費高騰の影響も受けているかもしれないが、価格を抑えて中途半端な状態で製品化されるくらいなら、多少値が上がってもクオリティ重視で今後も製品化を期待したい。次メトロシリーズで製品化されればの話ではあるが...。