ベイズの定理って難しい^^ | 眼科医と眼科専門MRのためのデータ分析あれこれ!!

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かれこれ20数年の間、眼科領域専門のデータ分析に携わってきた経験の備忘録です。
一般的なデータ分析の内容も書きますが、眼科にこだわって書いていきます。

こんばんは
AHPの勉強が一段落し、今はベイズ統計の勉強を超初心者として始めました。
先ずは過去に討ち死にした本(道具としてのベイズ統計 涌井良幸 著 日本実業出版社)を
改めて読み始めています。
今日の内容は超初心者の世迷言かもしれませんので間違っていたらお許しください。

道具としてのベイズ統計の2章6にベイズフィルターを使って迷惑メールをシャットアウト!
という内容の記載があります。
下図のベイズの定理の式を使って、送られて来たメールがどのように仕分けられるかを簡単に
説明されています。


この章を読んで、「データが揃っていたら(これが難しいですが・・・・)MRさんが本社から
送られてくるパンフレットについて、その資材が処方数を上げることが出来るかどうかの確率を
推定することができるかも?」と思い書いています。

ここで状況を妄想してみます。
ベテランのAというMRさんはマメな性格で、これまで10年間本社から送られて来た50種類の
パンフレットのキーワードとそのパンフレットを使ったディテールで点眼薬の処方が伸びたかどうかを
記録しています。(そんな方はいないと思いますが!)
今回「患者満足向上」というキーワードが入ったパンフレットが送られてきました。
Aさんこれまでの記録したデータからこのパンフレットを使ったディテールで点眼液の処方が伸びる
確率を推定したいと思い、自前のデータから「患者満足向上」というキーワードが入ったパンフレットと
点眼液の処方の伸びの関係を下表にまとめました。


推定したい確率はベイズの定理の式の各確率を下記のように考えると計算できると思います。
①事象Aは「患者満足向上」というキーワードが入ったパンフレットをディテールで使用する。
②事象Bはパンフレットを使ったディテールで点眼薬の処方が伸びる。
③P(A):「患者満足向上」というキーワードが入ったパンフレットを使用する確率
↑これはこれまでのデータで数値がある(50種類中18種類)
④P(B):このパンフレットを使ったディテールで点眼薬の処方が伸びる確率
↑これは現時点では伸びるか伸びないか半々なので0.5(1/2)と仮置きする。
⑤P(B|A):「患者満足向上」というキーワードが入ったパンフレットを使用して処方が伸びる確率
↑これが知りたい
⑥P(A|B):処方が伸びたパンフレットで「患者満足向上」というキーワードが入っている確率
↑これは今回のデータで数値がある(35回中15回)

上記の数値をベイズの定理の式に入れると
P(B|A)=((15/35)×(1/2))/(18/50)=59.5%
約60%の確率で処方が伸びるという確率が得られました。

まあ、実際には医師の処方が伸びるためにはパンフレットのキーワードだけではなく、
いろいろな因子が関連していますし、今回の処方の伸びる確率が約60%たからといって
今後「患者満足向上」のパンフレットを作り続けても処方が伸び続けることはないのは
想像に難くないですよね。

今日も妄想にお付き合いいただきありがとうございました。