眼科医と眼科専門MRのためのデータ分析あれこれ!!

眼科医と眼科専門MRのためのデータ分析あれこれ!!

かれこれ20数年の間、眼科領域専門のデータ分析に携わってきた経験の備忘録です。
一般的なデータ分析の内容も書きますが、眼科にこだわって書いていきます。

このブログは眼科医師や眼科専門MRの方々に少しでも参考になれば幸いと、私の経験をまとめてみました。
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ご無沙汰しています。

 

2017年4月23日に日本計量生物学会のHPに、

アメリカ統計協会が発表した

「Wasserstein RL, Lazar NA. Editorial: The ASA’s statement on p-values: Context, process, and purpose. The American Statistician 2016; 70: 129-133.」内

「The ASA Statement of Statistical Significance and P-Values」の翻訳が掲載されました。

 

今後、未来の眼科研究を担う若手の先生には是非読んでいただきたいと思い

ブログで紹介いたします。

特に「すぐれた科学の実践に必須の要素であるすぐれた統計学の実践のためには以下の点を強調しておく。すぐれた研究デザインとその実施という原則、多様な数値およびグラフによるデータの要約、研究対象である事象の理解、背景情報に基づく結果の解釈、すべてを報告すること、そしてデータの要約の意味の適正な論理的かつ定量的理解。ひとつの指標が科学的推論の代わりとはなりえない。」という結語は響きました。

 

今後はグレードの高い英文雑誌(特に米国籍)においてはこの考えが主流になっていくものと想像されます。

今後は有意なP値がどうのこうのとこだわるのではなく、データを真摯に見つめて科学的論理的に結論を導いてゆく姿勢が必要と感じました。

こんにちは!
メチャメチャお久しぶりです。
最近はPythonで深層学習のお勉強と状態空間時系列モデルのお勉強を頑張っています。
本ブログの趣旨と若干異なる内容に集中しているので、ブログの更新をおサボりしています。
製薬業界では費用の透明化が躍起になって進めれられています。
透明化が進むとこのような分析もできるんだ!と感心した論文を紹介いたします。
本日紹介する論文は
「Pharmaceutical Industry-Sponsored Meals and Physician Prescribing Patterns
 for Medicare Beneficiaries.」:JAMA Intern Med. 2016;176:1114-10.
です。
簡単にいうとこの論文は、
透明化のため製薬会社が公開した費用(弁当代等)から提供された医師を特定し、
処方医が弁当をもらったらその弁当提供会社のお薬の処方が増えるかどうかを
分析した研究です。
研究の対象としたのは4つの薬剤群で1:スタチン製剤群、2:心選択性β-遮断薬、
3:アンジオテンシン変換酵素阻害薬とアンギオテンシン受容体遮断薬(ACE阻害薬とARBs)と
4:選択的なセロトニンとセロトニン-ノルエピネフリン再摂取抑制薬(SSRIとSNRIs)です。
これら4剤を有する製薬会社の弁当を食べた医師を明らかにし、その処方動向を調べました。
主たる評価項目は、弁当を提供した会社の薬剤と同クラスの代替薬との処方率の差です。
結果的は、他のスタチンの「ロスバスタチン」では(オッズ比:1.18; 95%CI、1.17-1.18)、
他のβ-遮断薬の「ネビボロール」では(オッズ比:1.70; 95%CI、1.69-1.72)、
他のACE阻害薬の「オルメサルタン」では(オッズ比:1.52; 95%CI、1.51-1.53)
他のSSRIとSNRIsでは「デスベンラファキシン」(オッズ比:2.18; 95%CI、2.13-2.23)
となりオッズ比がいずれも1を超えています。
つまり、弁当の提供と処方には正の相関があったとのこです。
論文には、この関係は相関であって因果関係ではないとリミテーションがついています。
ただ個人的にはやはり弁当強し!!ということですね。

こんにちは!

1カ月以上のご無沙汰です。

最近はRで機械学習や混合モデルやStanを使って統計モデリングをしているので

ご無沙汰しておりました。

 

今回はJMPで1変量分散分析(One-way repeated measures ANOVA)の指定の仕方

について説明したいと思います。

サンプルデータとして、点眼剤を50人に12週間投与し、0、4、8、12週における

眼圧の推移を記録したデータを使って説明いたします。

 

流れとしてはEZRでサンプルデータを作成する→CSVファイルに変換し保存する

→JMPで読み込む→データを成形する→One-way repeated measures ANOVAを実施する

です。

 

手順1

下記のプログラムをEZRのRスクリプトウインドウにコピーして、コピーした

プログラム部分をマウスで選択して、実行ボタンをクリックします。

n <- 50

set.seed(722)

ID <- round(rnorm(n, mean=210000, sd=37000))

IOP_0W  <- round(rnorm(n, mean=25, sd=2))

IOP_4W  <- round(rnorm(n, mean=23, sd=2))

IOP_8W  <- round(rnorm(n, mean=21, sd=3))

IOP_12W <- round(rnorm(n, mean=19, sd=3))

Data01  <- data.frame(ID,IOP_0W,IOP_4W,IOP_8W,IOP_12W)

 

手順2

出来たData01をEZRにデータセット(分析対象ファイル)として認識させるために、

赤矢印の<アクティブデータセットなし>を左クリックして、データセット選択画面

を表示させます。

そしてData01を選択してOKボタンを押してください。

 

手順3

「アクティブデータセット」メニューから「アクティブデータセットを

エクスポートする(Text形式) 」を選択します。

ファイルの保存先を聞いてきますので、任意のフォルダーに任意の

名前.csv(例:Data01.csv)で保管してください。

 

これでCSVファイルの準備は完了です。

 

手順4

JMPで保存したCSVファイルを読み込んでください。

下記のように表示されると思います。

 

手順5

Data01は横方向にデータが並んでいるのですが、One-way repeated measures ANOVAを

実施するためには、縦方向に並んだデータが必要になります。

まず、JMPの「テーブル」メニューから「列の積み重ね」を選択します。

 

列の選択からIOP_0W、IOP_4W、IOP_8W、IOP_12Wを選択し、積み重ねる列に入れます。

そして、「新しい列の名前」の所の積み重ねたデータ列にIOP、元の列ラベルにVISITを

入力してOKボタンを押します。

 

下記のデータが得られたと思います。

 

本データについて若干ファイル上の指定を変更します。

IDについては連続変数から名義変数に変更します。

 

VISTIについてはJMP上で扱う順序を変える必要があるので

列名の「VISIT」を選択し、右ボタンクリックして「列プロパティ」→「値の順序」を

選択して

 

値の順序を下記のように変更します。

 

手順6

手順5の指定が終了したら、データについてOne-way repeated measures ANOVAを

実施します。

「分析」メニューから「モデルのあてはめ」を選択します。

IOPを選択して「Y」に指定します。

VISITとIDを「モデル効果の構成」に指定します。

 

VISITとIDを「モデル効果の構成」に指定した後に、IDを変量効果にしていします。

まずモデル効果の構成の中でIDを選択して、「属性」の赤い三角ボタンから[変量効果]を

指定します。

 

これで「実行」を押すと、レポートの「固定効果の検定」に時点(VISIT)における

有意差検定の結果が出力されます。

 

また、P値が出ないのですが、Tukeyの多重比較もできます。

 

効果の詳細の下にあるVISITの左の赤▼をクリックして

「最小2乗平均のTukeyのHSD検定」を選びます。

 

有意な組み合わせは赤字で表現されています。

 

以上、よろしくお願いいたします。