| ■ドイツの大学で作成された真正ブルーサイプレスの成分表
精油・ブルーサイプレスの偽物が出回っているので、真正ブルーサイプレスの正確な成分表が求められていた。 樹木にはブルーサイプレスの精油以外に抗がん効果のある薬用成分が含まれている可能性があるので、研究費が出るようになった。 その過程で、オーストラリアの精油である真正ブルーサイプレスの化学成分が分析された。 精油の精密な化学成分分析には高い技術とコストがかかり、オーストラリアの農家・生産者やディーラーの出せる費用では限界があった。 精油の成分表を製薬会社の品質管理部門がルーチンで行っているのはフランスであれば、 最新の分析機材 GC/MS が必要なのでコストがかかる。また、ベテランの分析員も必要だ。 過去のキャリアがある担当者を設置しなければならない。 ラベンダーのようにその化学成分が知られている精油の化学分析は容易だが、 新規の精油の化学成分分析は容易ではない。 大学の研究者が取り組まないと正確な分析ができないといっても過言ではない。 この成分表の主なる研究母体はウィーン大学の臨床薬学および診断学の研究室でブーフバイエル教授だ。 植物名 Callitris intratropica なので、独自の化学成分カリトリシン等が含まれている。 この種類の植物から採れる精油に特徴的な化学成分と思われる。 樹皮から採れるカマズレンとガイアズレンのアズレン系色素化合物には抗炎症効果があるという。 |
Blue Cypress, Essential Oil of Callitris intratropica |
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|---|---|---|---|
| No. | 含有率(%) | 成分名 | 化学種 |
| 1 | tr(trace) | トリサイクレン | モノテルペン類 |
| 2 | 0.4% | α(アルファ)-ピネン | モノテルペン類 |
| 3 | tr | カンフェン | モノテルペン類 |
| 4 | 0.2% | δ(デルタ)-3-カレン | モノテルペン類 |
| 5 | tr | m-サイメン | モノテルペン類 |
| 6 | 0.1% | p-サイメン | モノテルペン類 |
| 7 | 0.1% | リモネン | モノテルペン類 |
| 8 | 0.1% | trans-ピノカルベオール | モノテルペノール類 |
| 9 | 0.1% | α(アルファ)-テルピネオール | モノテルペノール類 |
| 10 | 0.1% | ミルテノール | モノテルペノール類 |
| 11 | 0.1% | ミルテナール | モノテルペンアルデヒド類 |
| 12 | 0.2% | ベルベノン | ケトン類 |
| 13 | 1.0% | β-エレメン | セスキテルペン類 |
| 14 | 0.1% | β-カリオフィレン | セスキテルペン類 |
| 15 | 0.6% | α(アルファ)-グアイエン又はガイエン | セスキテルペン類 |
| 16 | 0.1% | α(アルファ)-ヒュムレン | セスキテルペン類 |
| 17 | 3.1% | ユーデスマ-1,4(15),11-トリエン | セスキテルペン類 |
| 18 | 4.5% | β-セリネン | セスキテルペン類 |
| 19 | 2.4% | α(アルファ)-セリネン | セスキテルペン類 |
| 20 | 0.7% | α(アルファ)-ブルネセン | セスキテルペン類 |
| 21 | 2.0% | エレモール | セスキテルペノール類 |
| 22 | 16.6% | グアイオール | セスキテルペノール類 |
| 23 | 9.7% | γ-ユーデスモール又はオイデスモール | セスキテルペノール類 |
| 24 | 8.0% | β-ユーデスモール又はオイデスモール | セスキテルペノール類 |
| 25 | 7.6% | α-ユーデスモール又はオイデスモール | セスキテルペノール類 |
| 26 | 11.0% | ブルネソール | セスキテルペノール類 |
| 27 | 0.1% | カマズレン | モノテルペン類 |
| 28 | 2.7% | γ-コストール | セスキテルペノール類 |
| 29 | 1.7% | β-コストール | セスキテルペノール類 |
| 30 | tr | グアイアズレン又はガイアズレン | セスキテルペン類 |
| 31 | 1.6% | α-コストール | セスキテルペノール類 |
| 32 | 1.3% | カリトリン | |
| 33 | 1.0% | カリトリシン 異性体 | |
| 34 | 9.3% | ジハイドロコルメラリン | |
| 35 | 2.2% | カリトリシン | |
| 36 | 0.8% | コルメラリン | |
| 37 | 0.1% | ジハイドロカリトリシン | |
| ■偽物ブルーサイプレスに存在しない化学成分
ミルテン酸の誘導体のミルテノールとミルテナール及び青色化学成分はカマズレンが偽物の成分表には存在していない。 ミルテノールとミルテナールの酸化が進むとミルテン酸になる。GCピークを分離して測定する必要がある。 加齢の精油はミルテン酸が含まれると考えられる。このような分析精度では測定誤差もある。 キク科カモミール・ジャーマンから抽出される精油にカマズレンが含まれる。 偽物ブルーサイプレスを成分分析するとカマズレンが含まれていることが分かっている。 合成油のブルーサイプレスの分析表の捏造において、カマズレンの記載を忘れていた。 カマズレンが植物中に存在していて、水蒸気蒸留の時にグアイアズレン又はガイアズレンが生成したものと考えられている。 ラベンダーの化学成分の酢酸リナリルは植物中には存在していないが、水蒸気蒸留により生成したものと考えられている。 真正ブルーサイプレスにはグアイアズレンはきわめて微量にしか存在していない (0.1%>)。 偽物のブルーサイプレスにはグアイアズレンがやや大量に含まれている。 偽造製造者は特徴を強調するために大量のグアイアズレンを添加しているようだ。 植物 Callitris intratropica が青く見えるのはカマズレンの色なのだろうか。 日本でもオーストラリアでも在庫があるので、カマズレンとグアイアズレンの合成品は電話1本で注文することができる。 ホワイトサイプレスに合成カマズレンとグアイアズレンを混入して青い精油を作り上げることは子供でもできる。 それは植物 Callitris intratropica から採った精油とはいわない。 偽物の精油の成分表はGC/MSの実測データに基づくものではなく偽造されてものかも知れない。 偽物精油をGC/MS分析して化学成分を比較するほうが利口だ。 偽物精油にはシトロネロールが混合されているが、真正精油には存在しない。 このようにブルーサイプレスの偽物精油は簡単に見分けられる。悪いことはできないということか。 グアイオール、ブルネソール、α、β、γ-ユーデスモールが蒸留中に化学反応してジハイドロコルメラリンが生成する。 ジハイドロコルメラリンは植物成分ではない。 これは古くから知られていたことで偽造ブルーサイプレスの成分表にも記載されている。 新しいブルーサイプレスの化学成分を詳細に分析することは簡単ではない。 一企業の研究室では無理がある。公的研究機関の実験者の氏名が明らかにならない成分表は偽造されていると考えてよい。 |
| ■ブルーサイプレスの化学成分
下のデータはオーストラリア精油の標準的な見極めの化学成分ですが、 カッコ内には上で示した実際のデータを比較しています。ユーデスモールの値が違います。 特徴成分のカマズレンの値がありません。 このデータは偽物ブルーサイプレスのものではないかと思います。 このように偽物の化学成分がブルーサイプレスの標準データになってしまいました。有害なケトン類が標準で8.0%もあるという。 重要なテルペン類の化合物名が明らかになっていない。ガイアズレンの濃度も分かっていない。 偽物ブルーサイプレスの成分表で特徴的なのは、カマズレンの濃度が記載されていない。しかし、 その偽物ブルーサイプレスの成分にはカマズレンが含まれている。その精油を分析していない証拠になる。 カマズレンとガイアズレンは水蒸気蒸留の過程で加熱されて酸化を受け、 植物中のマトリシン Matricine および グアイオール guaiol から生成する。 グアイオールは17%も含まれる。 13-17.3% guaiol (16.6%) |
| ■ひのき精油の化学成分
ひのき精油 植物名 Chamaecyparis Obtusa 科名:ヒノキ科 ヒノキ属の成分表を参考にする。 原産地 : 日本 抽出部位:木部 抽出方法:水蒸気蒸留 の精油。 α-ピネン(53.98%)、α-カジノール(7.32%)、δ-カジネン(6.98%)、γ-カジネン(4.20%)、α-ムウロロール(4.15%)、T-カジノール(3.16%)、α-ムウロレン.(2.42%)、γ-ムウロレン(1.64%)、リモネン(1.18%),α-テルピネオール(1.12%) β-エレメン(1.12%)。α-ピネンが50%以上も含むのが特徴。同じひのき科でもブルーサイプレス (0.4%) とは成分濃度が違う。 |