万有引力によって縮みに縮み、みっしりと高密度になった超巨大天体(つか、正確には「超巨大だった今は小さい天体」だけど)。
エネルギーをためにため、さあ、超新星爆発やあ!バラまくでえっ!
・・・とくるかと思いきや、そうじゃない。
質量の密度が限界を超えてて、中心部があまりにも重くて、そのせいであまりにも求心力(引力)が強いんで、炸裂することができない。
鉄の原子核の結合は堅固で「打ち止め」がかかり、新たな核融合を起こして次の世代を生成する(エネルギーを生む)こともできない。
すなわち、自分の質量による収縮圧にあらがうことができない。
中心の温度は、50億度。
この超絶的圧力に耐えきれず、ついにある瞬間、天体自体が崩壊を起こす。
「重力崩壊」という、つまり自分自身が自分の中心に落ち込んでくという、なんだろうね?靴下を裏返しに脱いじゃう感じ?
これが、瞬きするほどの間に起きるというんだな。
しゅるるる、すぽーんっ。
中心の密度は極限までえげつないことになり、ぎゅーぎゅーに圧縮された鉄の原子核も、じゅっ、と一刹那に蒸発してしまう。
そのときに、ものすごい衝撃波と、めんどくさい説明は省くけど、おびただしいニュートリノを放出する。
ニュートリノってのは、超新星爆発のときに大量に光速でバラまかれるやつ(物質のような、そうでないような、エネルギーのおつりみたいなもん)。
ちなみに、岐阜の地中深くに「カミオカンデ」っちゅうバカでかい水槽をつくって、ひたすらこの天然産のニュートリノが宇宙の彼方から降ってくるのを待ちつづけた男がおったんじゃ。
小柴っちゅうそのじいちゃんは、あとひと月で退職するとこじゃった。
そのときに、目に見える規模では400年ぶり、っちゅう超新星爆発が起きたんじゃ。
それは16万年も前に銀河系のはるか外で起きた爆発じゃったが、カミオカンデで観測をはじめてひと月半っちゅう奇跡のタイミングで、ニュートリノが地球を通りかかってくれたんじゃよ。
巨大な水槽で、わずか11こを観測したその業績のおかげで、小柴じいはノーベル賞をもらったんじゃ、めでたし。
閑話休題、で、なんだっけ?重力崩壊だよ。
で、天体はものすごい勢いで押しつぶされ、瞬後、ものすごい衝撃波とニュートリノを放出するってとこだった。
ぎゅぎゅっ、ポンッ、って感じかな。
その後に残るのは、原子核が融けた跡の中性子の固い芯と、バラバラになった星くず。
星くず、すなわち天体内で生成された各種物質は、例によって宇宙空間にバラまかれ、次なる天体をつくるべく、旅に出る。
が、重要なのは、残った芯の方!
こいつがなんと、ブラックホールなんだった。

いつかにつづく。

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以上が、物質ができる過程を机上で理論的にはじき出したモデル。
ちなみに、鉄の原子模型はこんな具合になる。

天体の最奥部で生成されるのは中央の原子核だけだけど、その後に電子が捕らえられるわけだ。
陽子が26個に中性子が30個、って原子核の周囲を、26個の電子(陽子と同数)がめぐる。
電子の位置は、そのエネルギー量によって「パウリの排他律」ってやつで厳密に個数が決められてるんで、こんなふうに四重の軌道になる。
これも机上におけるイメージだけど。
机上ついでに、鉄生成後の「超巨大天体」の末路も思考実験してみる。
前回まで説明してきたのは、ぼくらの太陽の八倍程度の大きさまでの天体の話。
それ以上に巨大な、つまり太陽の十倍以上も大きな質量を持った天体の最期はどうなるのか?
ニュートンの万有引力ってやつは、質量が大きければ大きいほど、引きつける力も大きくなる。
つまり、超巨大な物体は、超巨大な引力を持ってる。
超強力な「重力」と言いかえた方がわかりやすいかもしれないけど、その質量は、自分を構成する素材をも中心部に向かって猛烈な勢いで引き寄せる。
要するに、自分の体重を自分にかけて自分自身を凝縮させてしまうわけだ。
すると、天体内部はものすごい密度の超高圧状態になる。
「原子の中身はスッカスカ」の話をしたけど、おびただしいあれが空間をみっしりと埋めてひしめくもんだから、中心にはものすごいガチガチのコアができる。
その高密度の質量が、さらに天体内の素材を猛烈に引き寄せるという、恐ろしいみしみしスパイラル。
中心部の詰まりっぷりといったらハンパじゃない。
半径5億kmという天体の大きさを、例えば1kmのモデルに置き換えると、芯で凝縮された鉄の大きさは2mmほど。
その丸めた鼻くそほどの鉄の固まりが、半径1kmもの天体の質量の実に10%分を占める、ってくらいに高密度になるんだ。
その重さは、1立方cmあたり、40万トンにもなるらしいよ。
世界最大級タンカーくらいの重量を持ったサイコロ、ってどんなだろうね?
そんな理解を超えた質量なんで、そこに発生する万有引力も尋常じゃなく、天体はさらにさらにどんどんどんどんからだを小さく丸め込み、高密度になってく。
別の言い方をすれば、星ってのは質量が大きければ大きいほど、サイズは小さくなるんだった。

いつかにつづく。

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徐々に重い原子核が生成されて、天体の中心部には、より重くて複雑な原子核が蓄えられてく。
その天体内の構造は、みっしりと重い原子核が集まった中心部から、外にいくにしたがって軽くてシンプルなタイプのものになっていき、最外部がスカスカの水素原子核、って「タマネギ構造」。
外から一皮むくたびに、質量が重い層になってくわけだ。
そして、この核融合活動の最後の最後に生成されて、天体の芯になるのが、鉄。
鉄の原子核は非常に安定してるんで、ちっとやそっとのことでは壊れないんだ。
鉄ができて「打ち止め」となると、天体は核反応をしようにないんで、内からの膨張圧力が得られない。
つまり、自らの重さで収縮してく。
すると密度が高まり、さらに鉄が生成される。
だけど、あまり圧迫されすぎると、風船は破裂するよね。
それとおんなじで、天体の重い鉄芯が収縮圧に耐えきれなくなると、ついには大爆発を起こす。
「超新星」ってやつだ。
ピカーッ、一瞬で宇宙が光に満たされる、みたいなやつ。
その一瞬時で、天体はそれまでの生涯(数十億年)に放出しつづけたよりも大きなエネルギーをまき散らす。
この莫大なエネルギーは、さらに多様な原子核を、つまり鉄よりも重くて複雑なタイプのものを生成する。
簡単に言えば、天体の誕生と成長、そして最期という過程でつくられた新しい数々の原子核が、宇宙中にバラまかれる。
高温高圧のくびきから逃れて自由になった原子核は、プラズマ状態の中で生き別れになった電子を再びつかまえる。
プラスマイナスで相性のいい電子を、原子核内の陽子と同じ数だけつかまえて自分の周囲をめぐらせると、プラマイゼロとなり、晴れて安定した「原子」となる。
各種「物質」の種ができたわけだ。
これによって、ひろびろとした新世界がひらける。
ちょっと前のことを考えてもみてよ、なんたって宇宙空間には、ほとんど水素しかなかったんだから。
そこに、炭素や、酸素や、鉄やらが新たに加わったんだ。
それらの物質が、再び万有引力で引き合い、複雑な味わいのスープとなり、多様な天体を構成し、さらに混沌とした世界をつくりあげてくわけだ。

いつかにつづく。

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この世の中に、水素とヘリウムしかないなんて、つまんないじゃん。
そのふたつの素材だけで、もし宇宙人が存在できたとしても、どの宇宙人もみんな、あのパーティグッズのヘリウムガスを使った「ワレワレは、ウチュウジンだ」の声になっちゃうし、水素を固体化するには-259度を下回らなきゃいけないんで、家を造るとしてもめっちゃさぶいとこで過ごさなきゃならない。
太陽は水素とヘリウムのスープだけど、も少しいろんな素材がほしいところだ。
サラサラのコンソメスープもいいけど、具だくさんのクラムチャウダーの方が、歯ごたえも味のバリエーションもいっぱいあってたのしい。
そもそも、地球を、そして人類をつくるには、もっと多くの種類の素材が必要だ。
それはどこから生まれたのか?
これもまた、天体からなんである。
さて、水素をヘリウムに変えきって、核融合をやめた原始の天体。
中心部における核爆発の熱エネルギーを失って、重力で押しつぶされ中。
素材(もちろん水素とヘリウム)が自らの体重で内側へと落ち込む形で、どんどん密度が凝縮していく。
その内部は、ヘリウムの固まりが卵の黄身のように芯に集中し(全体の10%くらい)、その外側に水素、って構造。
それがみしみしと高密度にひしめき合うと、今度はヘリウムが収縮圧に耐えられなくなって、核融合反応を起こしはじめる。
そうしてヘリウムが三個結びついて、炭素が生成される。
さらに炭素はヘリウムと結びついて、ついにぼくらのスター、酸素が登場する。
さらにさらにその芯の密度が上がって高温高圧になると、ネオンやマグネシウムが、そしてケイ素が生まれるのだ。
人間の大部分を構成する素材は、水素、酸素、炭素なんで、こんなにありがたいことはない。
また、ネオンができたのは仕事でストレスのたまりがちなお父さんたちにはうれしいかぎりだし、粘土を構成するケイ素と釉薬の沈殿を防いでくれるマグネシウムの生成は陶芸をするぼくらにはとても重大なニュースだ。
こうして徐々に重い原子核が核融合によって生成され、さらにそれら同士が結びついて、次なる世代の原子核をつくり、天体の中心部には硬くて熱い芯ができていく。

いつかにつづく。

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んなわけで、最初、宇宙には水素しかなかった。
そこに、ヘリウムって新しいものができたの。
すごいことだと思わない?
すさまじい展開だよ、地球人しかいないと思ってたところにいきなり宇宙人が現れたような、劇的な事件だ。
空疎な時空(宇宙)のそこここに、水素の煮えたぎった固まり(天体)ができ、そこから新たにヘリウムが生まれたんだ。
「なんにもない、なんにもない、まったくなんにもない。うまれた、うまれた、なにがうまれた」と歌いたくなる。
この「新素材発生装置」ともいうべき水素の固まり(天体)は、ぼくらの頭上にもある。
太陽は、これとまったくおんなじのシンプルなメカニズムの星だ。
太陽は、水素の固まりなんだ。
そして、酸素や石油やマキを燃やして輝いてるわけじゃなく、前説明の通りに、水素をヘリウムに変える核融合反応で熱を放射してるんだった。
水素が重水素に、そしてヘリウム4に変わる際に、核子の質量が少しだけ減る。
そして減った分は、アインシュタインの相対性理論でおなじみのあの公式にしたがい、質量×光速の二乗ってすさまじい量のエネルギーに変換される(水爆ってやつもこのメカニズムだ)。
1グラムの水素がヘリウムに変わるだけで、80トンの石油を燃やしたのと同じエネルギーを生むらしいよ。
それがあの太陽の熱と光の源なんだ。
星の中心部で核融合が行われると、それに伴う爆発的な熱で、星はふくらもうとする。
だけど外からは、万有引力によるものすごい重量がかかって縮もうとする力が働いてる。
この膨張と収縮の釣り合いが取れた安定状態が、今の太陽だ。
今度、太陽を見上げたら、「うわー、ニュートリノ、出すねえ」と感慨に浸ろうよ。
さて、悠久の昔に話をもどす。
水素を燃料にして、ヘリウムを生成し、それをどんどん芯にためこんでく原始の天体。
だけど、ついに水素をヘリウムに変えきると、核融合活動はストップする。
すると、熱による膨張圧力も止まり、万有引力による収縮圧がまさって、天体は自らの質量によって縮んでく。
縮むとどうなるか?

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水素原子が集まりすぎた天体の中心部は、ものすごい質量が高密度でせめぎ合い、高温、高圧になる。
つまり、ビッグバン後のあのあっちっちの状況を、原子が自前で再現してしまうのだ。
すると今度は、あれだけナカヨシだった電子と原子核がケンカをしはじめ、電子はすごい剣幕で原子核の引力(クーロン力)圏を飛び出していってしまう。
電子と原子核は離ればなれになり、お互いに単独で荒れはじめる。
この暴れん坊ぶりのことを「プラズマ状態」という。
さらに質量が増大→引力による高密度化が進むと、中心部で裸祭をしてる原子核集団は、いよいよのっぴきならないぎゅうぎゅう詰めのおしくらまんじゅう状態になってくる。
すると、原子核同士はそれぞれに+の電荷を帯びてて「ギリギリ」触れ合うことがなかったのに、ついにお互いをはじき合うクーロン力の壁を突破して、ぶつかり合ってしまう。
このクーロンバリアを突破した向こうには、逆に「強い力(核子=陽子と中性子をくっつける力)」という引っぱり力のワナが待ってるので、こいつに捕らえられてしまう。
捕らえられる、っつか、捕らえ合う、っつか、つまり抱きしめ合うみたいなもんなんだけど、とにかく水素原子核(陽子単独)同士はくっつき合う。
そしてくっついたふたりはひとつになり、別の種類の原子核に変身する。
これを「核融合反応」という。
が、この説明は少々シンプルに語りすぎてて、正確には、陽子(つまり、水素原子核)二個がぶつかり合うと、片方の陽子がβ+崩壊を起こして電荷保存のために陽電子を、エネルギーとモーメント保存のためにニュートリノを放出して中性子に変わり、その「新」中性子と陽子がくっついて重水素になる、って感じ。
要するに、水素原子核二個(陽子×2)が核融合して→陽子と中性子になってくっつき合い→新しい「重水素」原子核が生まれる。
そしてその重水素が二個、高温高圧の中で再び核融合でくっつくと、以前に説明したようにヘリウム4になる。
要約すれば、水素がぎゅうぎゅうに詰まった天体の中心部は高密度に煮えたぎってるんで、水素原子は電子がはがされて原子核になり、それ同士がぶつかり合ったりくっつき合ったりして、次なる原子核=ヘリウムが生成される、ってことなんだった。

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核子と電子とで寄り集まって「原子」ってコミューンをつくったら、ちょっと質量が大きくなる。

質量が大きくなると、例の「万有引力」が力を発揮しはじめる。
「質量のあるもの同士はお互いに引き合う」ってやつ。
この物理システムによって、(主に)水素原子と水素原子が引き合い、ぼんやりとしたグループを形成し、さらに仲間をふやしてくと、もやもやとガス雲のような状態になる。
これは、星くらいの大きさって規模の話。
大勢で集まって質量が大きくなると、さらに万有引力の効果が加速して、どんどんと大集団にふくれ上がってく。
ふくれ上がった大集団の、その内部でも万有引力が働いてる。
ガス状だった水素原子の集団は、徐々に凝集しはじめ、密度を増し、やがてギューギューとひしめき合うようになる。
そしてもっともっと密集して、遠目には「固まり」と見えるほどに、あるいは「天体」と呼べるほどになる。
だけどどれだけ密になっても、水素原子同士は決して触れ合わない。
なぜなら、原子核の周りに電子の波状回転による薄膜のバリアが張り巡らされてて、それがマイナスに荷電してるんで、つまり原子同士は、磁石のマイナス極同士のように、クーロン力ではじき合ってしまう。
ひしめき合ってるのに触れ合わない、という不思議な微小な世界が、ぼくらの日常世界を構成してる、と知っとこう。

さて、大きな固まりとなってさらに強い万有引力を得た原子の大集団は、次なる獲物を巻き込もうとさまよう。
ちょうど宇宙空間では、同じような天体もどきがたくさんできてるから、それら同士がお互いに引き合い、合体し、さらにさらに水素原子の大大大集団を形成してく。

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今から137億年前に、ある「点」がポンとはぜて、宇宙が生まれた。
ビッグバン、というやつ。
その点の炸裂は、今も時空としてひろがりつづけてるんだけど、その最初の瞬間、同時に物質のタネがバラまかれた。
ざっくり言えば、クォーク(とその仲間たち)が生成されて、宇宙中にあまねく散開したわけ。
すぐにクォーク同士はくっついて、陽子や中性子ができた。
その頃の宇宙は、高温で高圧であっちっちだったんだけど、ちょっと温度が下がってきたところで(ビッグバン後、1分経過時。はやっ)、「すずしうなりましたなあ」「では手を握り合いませう」とかいって、陽子、中性子がくっつきはじめる。
両者がくっつくと、晴れて「原子核」の誕生だ。
ちなみに、水素の原子核は、陽子一個きりのかっこいい一匹狼で、この陽子一個が中性子一個と婚姻すると、重水素になる(中性子はオカマちゃんだけどね)。

さて、涼しいっつってもまだ外気温は10億度もあって、「核融合」って反応をしやすい環境だ。
そこで、「ちょうどいい感じの残暑なんで、ついでにもちと大勢で固まりませぬか」「よろしいですわ」とかいって、原子核同士もグループ交際よろしくくっつき合いはじめる。
で、「水平リーベぼくの舟名前ある・・・」でおなじみの、水素(陽子一個きりの水素原子核は、核融合の産物ではないけど)、ヘリウム、リチウム、ベリリウム、みたいな軽めの原子核が(ごく少量)合成される。
例えば、陽子一個+中性子一個でできてる重水素原子核が×二個でくっついて→陽子二個+中性子二個のヘリウム4原子核が一個生まれる、って寸法だ。

こうして、わりとシンプルな構造の原子核が数種類生まれる。
だけど、相変わらず宇宙のほとんどは、最もシンプルな水素原子核で満たされてたんだ。
んで、も少し時間が経過して、数十万年がたちました、と(極端だね、宇宙の時間感覚)。
温度も数千度ってとこまで下がったところで、それまで宇宙をウロウロしてた電子ってやつが原子核と結合する。
環境が十分に落ち着いたんで、ぼんやりしてた電子は、原子核のクーロン力ってやつの引力圏に捕らえられたわけだ。

こうして、陽子、中性子、電子、って構成員がそろって、ようやく「原子」ってやつが誕生した。
世界の物質を形づくる材料が、やっとテイをなしてきたわけだ。

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原子核の周囲を電子がくるくる回ってて、それ全部をセットにして(つまり、電子の回転軌道の直径が)一個の原子の大きさ、ってことになる。
その大きさは、1センチの1億分の1くらい。
原子の中心にある原子核はさらにその数万分の1くらいで、外周を回る電子はさらにその数万分の1くらい。
ざっくり、中心にある原子核を1円玉の大きさとすると、電子の軌道円周(すなわち、原子全体の大きさ)は、甲子園球場くらいになる。

スッカスカ。
その外周を、電子はほぼ光速ってスピードで、計算上は1秒間に47京回もぐるぐるぐるぐると周回してる。
なので視覚モデルとしては、電子の姿は高速回転すぎて捉えきれずに残像だけが残り、点というよりは、球状の薄い膜?バリア?が張ったような感じに見えるはず。
木の周りを速く回りすぎてバターになっちゃった「チビクロサンボ」の虎みたいなっつーか、作動中の扇風機のプロペラが一枚の円盤に見えるようなっつーか。
ゴマ粒のような原子核を中心とした相当に離れたところに、電子の軌道を全部つないだ残像のシャボン玉があるようなイメージだ。

ところが、電子っつーのががまた正円で回転してなくて、正確に整数倍のギザギザの波になってるというんだな(シャボン玉というよりは、コンペイトウだ)。

なので周回というよりは、正確には、電子は原子核の周囲にある分布をもって存在してる、という状態らしいよ。
結局、電子は「粒子」というよりは、「空間的な大きさを持たない」で「エネルギーを持った点」として解釈される。
体積ゼロで、一次元の存在なんだけど、エネルギーだけがある。
そしてエネルギーは質量として扱われるんで(E=mc2)、冒頭の質量比になる。
というわけなんだった。
ね、原子って、つまり物質を構成する最小単位のパーツって、実在するんだかしないんだか、よくわかんなくなってくるでしょ?
「一切は幻想だった」説の、物理学的裏打ち。

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「クォーク」という、これ以上は分割できないとされてる素粒子が、何種類か(ぶっちゃけ六種類だけど)ある。
このクォークが三個結びついて、一個の「核子」がつくられる。
核子には二種類、「陽子」と「中性子」がある。
陽子はプラスの電荷を持ってて、中性子はその名の通りに中性だ。
これらの性質は、両者を構成してる三個のクォーク中に、プラス電荷のものが多いか、マイナス電荷のものが多いか、で決まる。
「アップクォーク」は電荷が+2/3で、「ダウンクォーク」は-1/3。

陽子は、アップクォーク二個(+4/3)とダウンクォーク一個(-1/3)の三個からできてるんで、電荷が合計で+1。
中性子は、アップクォーク一個(+2/3)とダウンクォーク二個(-2/3)の三個からできてるんで、電荷はゼロになるってわけ。
この陽子と中性子が、また何個かずつ集まって、原子核を構成する(例えばヘリウム4の原子核は、陽子二個と中性子二個からできてる)。

なんでプラスの電荷(と中性の電荷)のものだけが寄り集まってるのに、磁石のS極同士みたいに反発し合わないかというと、「強い力」という、磁力を超える強いくっつき力(これは、素粒子レベルの短い距離にしか作用しない)が働くから。
この強い力が核子同士を接着剤のようにガチガチに固めてくれるから、原子核は電荷がプラス系のもののみで構成することができる。
その原子核の外側を「電子」が、地球の周囲を月がくるくる回るように寄り添ってて、こいつの電荷はマイナスだ。

どの原子も、電子と原子核内の陽子は同数で、電荷の釣り合いが取れてる(中性子はどっち付かずのひとなので、バラバラの数で存在できる)。

なんでマイナスの電子がプラス状態の原子核(あるいはその中の陽子)に磁石のようにくっついてしまわないのか?というと、電子があまりにも速いスピードで回ってるから。
ハンマー投げと一緒の理屈で、電子は電荷によるクーロン力(磁石がくっついたり反発したりするような力)で原子核に引っぱられつつ、回転のスピードで逃げようとするんで、その求心力と遠心力は相殺されて、電子は原子核から一定の距離を保ったまま(高速回転しつつ)固定される、ってことになる。

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