この想いを受け取りし皆よ
私は
森ツバサは
神崎魅鳥は
皆がそう呼んでくれた何かは
ここにはいません
どこにもいません
確かに
親友の右肩の上に手を着いて
左手で恋人の掌を握って
毎夜言葉を紡いでいるはずの何かは
ここにはいません
どこにもいません
ただ
虚空が有るのみで
何も有りません
だからこそ
私の
森ツバサの
神崎観鳥の
抱えきれなく
間も無く暴発する
愛の塊は
きっと何より純粋で
きっと何より危険
私は
私が左掌を繋いでいる
藤色の翼と
私が右掌を肩に着いてる
骨と筋肉と脂身の塊と
そして
私がいくら望もうと
届かぬ空の下にいるあの方
それらへの気持そのもの
それ以外の何かでは無く
それ以外の何も無く
それ以外の何も持たない
だから
ここにはいません
どこにもいません
だから
だからこそきっと
どこにでもいるはずなのです
私は存在する
この愛がある限り