森と人を結ぶ様々な切り口 | 目指せ!森林インストラクター。

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日本の山を元気にしたい!
そんな思いから、森の案内人「森林インストラクター」の資格を取りました。

自然は私達に、たくさんのメッセージを投げかけています。
その声は、あまりにも小さく儚いものです。

そんな「森の囁き」を、お伝えします。

前回に引き続き、先日行なわれた「森林と市民を結ぶ全国の集い」の様子をお届けします。

二日目は、各分科会の報告が行なわれました。
他の分科会も、どこも興味のある話題ばかりです。

教育・文化をテーマに、木育と森のようちえんについて取り上げた会。
木のおもちゃやプレイルーム・スペースの木質化の取り組みが発表されました。

木製玩具の木材自給率は、なんと3%!!あまりの低さに、正直おどおきました。
赤ちゃんから始める生涯木育を目指し、企業や市町村・自治体を対象にした「ウッドスタート宣言」について触れられたようです。

木質化の効用として、子供が泣かない・母親が携帯をいじらなくなる=子供が活き活きとするという効果が見られるとのことです。
森のようちえんでも、子供の体力向上に効果があり、二歳児でも木登りをするというお話にはビックリ!

ただ、保護者への、擦り傷や洗濯の協力といった理解が、不可欠とのことです。

以外にも大きな怪我は少なく、「危険なのは人工物」という説明には説得力があります。

大切なのは、大人のかかわり方。子供の主体性を伸ばすことを第一に考えることを、強調されました。

NPOとしての活動について、技術とマネージメントが必要ということです。
さらに、ボランティアの活用も考えるべきで、やはり全体的な運営能力が問われるのだと感じました。

食をテーマにした分科会では、ジビエと山菜入門ということで、都市と山村の認識の違いについて感じさせられました。

まずは、地産地消として地元の食文化を受け継いでいくことが必要です。
忙しい共働き家庭で、手間のかかる山菜料理をどう伝えていくのかが課題となっています。

また、奥まったところでしか採れないものもあり、さらに加工が必要なため生産者の減少に繋がることもあるようです。
採取の手間だけで考えることも、生産者の確保に必要なのかもしれません。

小さい頃から山菜に親しみ、自分で取って食べる経験を育むことが求められています。

野生動物を食すジビエ。実は狩られたうち食肉として処理されるのは14%。
一部は自家消費、そのほとんどが処分されているのが実情のようです。

エゾジカに限ってかは分かりませんが、狩ってから2時間以内に処理が必要であることも、食肉としての利用の壁になっているようです。

自家消費でも衛生管理の問題があり、ハンターはエゾジカを食べないという話もあるようです。

ジビエには、味のクセや加熱により固くなる等の課題もあり、おいしいレシピの開発も必要です。

山菜いにしてもジビエにしても、サイズや量・味の安定が難しいのが課題です。
また、都市の消費と生産地で、種類や時期にギャップがあることも分かりました。

郷土食の違いもあり、ニーズにこたえていくことも考えなければなりません。

こういった意識の違いを相互に理解し、山の恵みが食卓に届きやすくする仕組みづくりが必要なのだと感じました。

エネルギーをテーマにした分科会では、バイオマスエネルギーの取り組みが紹介されました。
「伐って燃やす」、昔から行なわれていた燃料供給の形が見直されています。

効率的なのは、熱源としての利用。都市と山をつなぐ、薪のあるところの情報をまとめる「薪バンク」といった取り組みがあります。

山と都市をつなぐ森林ボランティア等のイベントもからめ、楽しさを提供していくのが要のようです。

ランニングコストは、12時間で10kg、ペレットで¥500とのことです。
着火4分間、燃焼が安定するまでは煙が出るので、周囲の理解が必要とのことでした。

全国的な広がりは現状では難しいとしても、里山を持つ地方での、地産地消には可能性が見出されており、事例もあるようです。

キーワードは、「地域の中で」「小さいビジネス」。

持続可能性を、地方の山村から実現していく。大きな可能性を感じました。

最後に、ずばり「女子会」という分科会。
ぜひ入りたいのですが、女性限定です(笑)

今話題の林業女子会の方が企画し、森と女子のつながる力を探る試みです。

なぜ、女子会?

答えは、女子のみぞ知るところなのでしょうが、「何となく」がポイントなように感じます。

何となく、楽しそう。何となく、ためになる。だから、何となく続けられる…
決して強制ではない、緩やかな持続性。

興味を共にする人がつながる、場の演出がポイントになりそうです。

結婚・出産と、ライフスタイルへの柔軟な適応による、パラレルキャリアの実現も、女性ならではの感性なのではないでしょうか。

どんな場にも適応できる力は、出会いに発生する物語や実験的な試行錯誤につながり、ビジネスへの成長の可能性を秘めているのかもしれません。

目の前の課題への取り組みや、同じ興味への関心は、集まり続けるモチベーションにつながります。

女子会でも、四つテーマについて話し合われたようです。
間伐材で何かおもしろいことができないか、人を森に行きたくならせるには、身近なもので木に置き換わるもの、森をおいしくいただきたい、といったテーマです。

詳細は分かりませんが、女性ならではの視点でワールドカフェ形式のディスカッションが行なわれました。

「女子力は、イノベーションに投下されるべき。」

環境関連の取り組みは、女性の参画が大きいです。

オンナの勘というやつも実際にあるそうですし、女子の直感的な意見に、これからの森を考えるヒントがあるような気がします。

各分科会の報告は、以上です。

次回は、被災地の森林への関わりについてお届けします。