久々に山作業の活動報告です。
毎月第三日曜日に行なわれる定例イベント。
「多摩の森大自然塾 鳩ノ巣フィールド」
URL http://hatonosu.blog39.fc2.com/
今年初の作業は、いつも開会式の行なわれる駐車場から見えるかつての植栽地の話題から。
12回目のお正月を迎える鳩ノ巣フィールド。
私はまだ関わり始めてから浅いのですが、スタート当初に植えられた植栽木が成長し、夏になれば木陰を落とすほどの森に成長したしたそうです。
苗木を植えられた参加者の方々、また木々を見守ってきた書先輩の想い。
100年の森づくりを掲げる鳩ノ巣の、確かな積み重ねを見るようでした。
そこから一同、薬師堂へ。一年の安全を祈念し、山ノ神の神事を行ないました。
色とりどりの御幣はトブサとも呼ばれ、伐採した樹木の梢を切り株に刺し、感謝と共に再生を願ったそま人の文化を受け継いだものです。
続いて、水・米・塩のお供え。左からみこしと覚えます。
手道具を備えるのは、斧立て(よきたて)。これから伐採する樹木への敬意と感謝を表す、杣人の伝承です。
斧には、刃の元に3~4本の筋が彫られています。
これはみこしの代わりであり、また四大(地水火風)を表すと言われ、立て掛けることでこれらをお供えする意味が込められています。
いずれもこれから伐らんとする樹木に対し、命を奪うことの悔悟であり、感謝なのではないでしょうか。
山仕事の安全=山ノ神への畏怖。
道具が変わり、技術が確立されたとはいえ、相手は自然。
気の引き締まるひと時です。
神事の後は、各班に分かれての作業。
植樹に向けての地拵えを担当しました。
木を植えるための整地に向け、地面に散らばった枝葉を片付けます。
まずは寄せるための止め柵になる杭を、作業する場所の下部に打ち込みます。
打ち込んだ杭を目掛けて、上から枝葉を落としていきます。
まくり棒と呼ばれる背丈ほどの棒で、掃くように集めて塊を作ります。
その塊と地面の間にまくり棒を差し込み、転がすようにてこの要領で落としていきます。
巻き込むように落としていくので、巻き落しと言います。
残ったものも丁寧に集めながら転がしていくと、地面が綺麗に片付いていきます。
植樹の為には、当然ながら場所が必要です。
植栽地の設定、そして除伐・藪払い。
続く地拵えと、一連の作業は新しく生み出さないと経験できません。
事実、鳩ノ巣フィールドでも十年近く行われておらず、私含め未経験の方も多くなっていました。
森づくりは、継続と同時に循環していくものです。
それは、木を育むと共に人も育てることなのだと実感しています。
これから植えられ、共に成長していく新植栽地。
次の十年を託されていく期待と責任を、ゆっくりと感じています。