梅雨の中休み、というよりは、もうすっかり夏の陽気ですね。
W杯も決勝ト-ナメント進出が決まり、暑さに拍車が掛かるようです。
観戦の寝不足もあり、少々バテ気味の方もおられるかと思います。
朝は以外に涼しいので、体調管理には気を付けたい季節です。
7月に入れば、夏ももう間近。
子供たちにとっては、楽しいシーズンの到来です。
森の中の人気者、昆虫たちにスポットを当ててみましょう。
日本の昆虫は、約10万種いると言われています。
国土の60%以上が森林であるので、そのほとんどが暮らしていると考えてよいでしょう。
食採部位によって、樹木や草の葉、幹、土壌と、大まかに棲み分けております。
では、種としては、どのように分類できるでしょうか。
生物の分類は、界・門・綱・目・科・属・種と細分化されており、昆虫の場合は主に目の分類で
考えられています。大きく、
等翅目…不完全変態、シロアリ等。社会性を持つ。胸部のくびれが無く、ゴキブリに近い。
半翅目…不完全変態、セミやウンか等の同翅亜目・カメムシ等の異翅亜目。
鱗翅目…完全変態、蝶や蛾のように、鱗粉に覆われた発達した羽を持つ。
鞘翅目…完全変態、甲虫類。日本には8800種。堅い鞘羽根二枚を持つ。
膜翅目…完全変態、蜂・アリ等を含む。社会性を持ち、天敵から花粉媒介まで幅広い役割を果たす。
双翅目…完全変態、ハエ・アブ・蚊。動植物遺骸・菌類や血液・体液まであらゆるものを利用している。寄生性のものも多い。
では、これらの昆虫は森林でどのような役割を持つのでしょうか。
虫たちも消費者である以上、有機物を利用しています。他の生物(菌類・動植物遺骸や糞等)や、葉を食べるもの、樹木に穿孔するもの、根を食べるもの、樹液や蜜を吸うもの、種子を食べるもの・・・
多様な生活があり、その分他の生物に比べても種が多く存在します。
このうち、植物を食べるものは樹木を利用する人間にとって都合が悪いこともあり、害虫としてのとらえ方をされることもあります。
食べる場所で、食葉性・穿孔性・吸汁性害虫や、キノコ害虫、衛生害虫、乾材・丸太害虫、そして、天敵昆虫のように呼ばれます。
ですが、害虫ばかりなら、森林生態系は破壊されて成り立たなくなります。
森林害虫と呼ばれるものは、およそ200種。これらも人の都合であり、森林の中では植物に対する圧力にもなり、老木の更新や分解者の手助け等、なくてはならない存在です。
さらに、鳥やハチ等の捕食性天敵や寄生バチ・病原菌などが作用し、一部の種が増えすぎることを防いでいます。
樹木もまた、タンニンやフェノールといった科学的防御物質によって自身の身を守ることが分かり始めました。
植物の受粉の手助けをする送粉者(ポリネーター)としての役割や、病原菌を食べたり種を運んだりと多くの昆虫は有益な作用をしています。
さらに、小動物たちにとっての貴重な餌として食べられ、さらに遺骸や糞の分解を助けるものがいたりと、様々な働きをしています。
土に眼を落とせば、足元には片足ほどの広さに1000頭の虫がひしめいています。
このほとんどはダニやトビムシといった小さな生き物です。樹木の落葉落枝は彼らに噛み砕かれながら、やがてこなごなになって菌類等の分解者へと引き継がれていきます。
このように、虫は森林で様々な生活体系を取りながら、隅々まで行き渡って栄養を届け老廃物を除去する役割をになっており、森の血液ともいえる存在なのです。