先日、鳩ノ巣で下刈りをしてきました。
毎月、第三日曜日に行われる「大自然塾」への参加です。
初めて大鎌を振るいましたが、なかなか爽快でした。
まずは、道具と荷物を持って尾根近くの作業場所まで登ります。
梅雨時特有の暑さと湿度は、やはりこたえます。
鎌の取り扱いも初めて。谷川に持つと引っかかるものが無く邪魔にならない事など、移動中も含め指導が入ります。
途中、栗の木に帰省するクリタマバチについて説明がありました。
外来生物で、中国からやってきたクリタマバチは、天敵もいないので急増。
クリ自体にも耐性が全く無く、一時は甚大な被害を与えました。
天敵の導入や、固有種の天敵化によって抑えられはしましたが、日本の栗を輸入した アメリカでは、一緒に侵入したクリタマバチによって全滅に追い込まれたそうです。
これだけの被害をもたらすクリタマバチも、本家中国では調和の中で生きており、大した被害も起きないようです。
松枯れの最大要因といわれるマツノザイセンチュウは、ついに北限に達したそうです。
今や害虫も、高速道路で移動する時代だとか。
マツノマダラカミキリに寄生し、産卵によって材中に侵入。
松の木を内部から侵食します。
外観からはわからないので、アカマツは瞬く間に激減しました。
外来生物の脅威を、改めて認識しました。
上へ付いた頃には、すでに汗だく。
一休みして、作業に入ります。
急斜面に取り付く作業では、大きく鎌を横に振る振り刈りは向かないので、今回は引き刈りによる作業でした。
鎌の刃を立てて茂みに差し込むイメージで、背丈ほどのススキの根元へ入れます。
後は、刃先を少し浮かすように、背で地をこする気持ちで鎌を引き戻します。
すると、心地よい手応えと共に、草が地に伏せていきます。
左右の作業者との間隔を保ちながら、下から上へ刈り上げて行きます。
勿論下刈りですので、植栽木にも気を使います。
木の周りを注意深く駆り払い、撒きついている蔓も取ってやります。
休憩を入れながらの作業でしたが、気付くと結構息が上がっていました。
昼食を取るための休憩。
サンショウが青々と実を付けていました。
試しに(唆されて?)一粒口にしましたが、悶絶。。。
正しくは、熟した実を乾燥させて皮の部分を磨り潰したのが、薬味としてよく見るサンショウの姿。
思わぬ初夏の味覚を堪能しました。
午後からも、引き続き下刈りが続きます。
先月刈ったばかりでも、稚樹を覆い隠さんばかりの勢いです。
一面のススキ原が切り開かれていくのは、気持ちの良いものです。
足の踏み場も無かった所に、点在する植栽木の姿が見えてきました。
この先何十年か後には広葉樹林として、秋には紅葉が目を楽しませてくれる事でしょう。
作業の後は、道具の手入れです。
わずかに足を滑らせながら山を降り、大鎌を研ぎます。
今日の作業を振り返り、解散。
この振り返りこそがイベントの肝です。色々と学ぶものがあります。
懸念された蜂も、まだおとなしい様子。油断は大敵ですが…
ともあれ、気持ちの良い汗を流した一日でした。