生物多様性とは? | 目指せ!森林インストラクター。

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そんな思いから、森の案内人「森林インストラクター」の資格を取りました。

自然は私達に、たくさんのメッセージを投げかけています。
その声は、あまりにも小さく儚いものです。

そんな「森の囁き」を、お伝えします。

前回に引き続き、多様性についてです。



生物多様性を考える上で要となる「種の多様性」と「生態系の多様性」について述べました。



では、これらを維持していくためには、何が必要となるでしょうか。





まず、生態系は相互関係で成り立っていますので、その基本となる生物群を見てみましょう。



生態学では、個々の生物間やグループ毎、またグループ間の関わりについて扱うわけですが、この個々の生物を「個体」と呼びます。



同じ種の個体の集まりが「個体群()」で、さらに群が集まったまとまり全体のことを「群集」と呼びます。ちなみに、群集でも特に植物だけを指す時は「群落」といいますので、注意が必要です。





多様性に富む状態とは、個体の種類が豊富なだけでなく、この群の豊かさも必要になります。



構成種の違う群集が空間内に多数存在することは、変化に富んだ環境を生み出すことにもつながり、同時に複雑化する中で相互に補完しあう関係が築かれていくからです。





次に、生物が生息する場所や環境についてです。



海・砂漠・草原・森林と、生物を取り巻く環境は様々です。さらに、平地・窪地・河川・渓谷・山地と地形も変化していきます。



それぞれに暮らす生物が変わるように、環境ごとに適応した種によって生態系は構成されます。



ですので、多くの種が生息するためには、場所や環境にも多様性が求められます。





実際には、地形や環境はそれ単独で存在するわけではなく、連続的なつながりを持ちながら緩やかに移っていきます。生物もまた、こういった一連の環境の中に採餌やねぐらを持っています。



一定の広がりの中に様々な環境を含む様子を、一つの「風景」と捕らえて「ランドスケープ」という呼び方がされるいようになりました。





代表的なものは、里山の景観です。



森林・田畑・住居が連続的に存在し、多くの生物がバッファーである林縁や茂みを利用しながら生息しています。人と自然の共存の共存を考えるモデルになるのも頷けます。





こういったランドスケープにも多様性が求められ、同時に、里山の例のように、人の暮らしとの結びつきの中で循環していくことが求められています。





最後に、自然は移ろい行くものです。



生態系を支えているのは、生産者である植物です。ということは、植生によって生息する種にも変化を与えます。



この植生は、土壌や気象条件の影響の中で、適応する種の群落に向けて構成種が変化していき、これを遷移といいます。遷移の遷移の過程で、それぞれの群集が成立します。



さらに、常に自然は循環しています。生産・消費・分解が行われるシステマチックな系として機能しているのです。



遷移と循環のプロセスにより、生態系は維持されています。





生態系のプロセスの多様性。





大きな括りになりましたが、一連の多様性のまとめとさせていただきます。





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信州気候フォーラム



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