休み明けの方も多いこととは思いますが、連日の猛暑に汗が止まりません。
リフレッシュとともに、なまった体に渇を入れることもあるかと思います。
インストラクター養成講習を受講された皆様、お疲れ様でした。
あの濃密な時間は、受講修了というだけで大変なものだと思います。
実際、多くの受験者が受講後合格を果たしているようです。
残り半月、暑さに負けずがんばってください。
夏の親子観察会も間近に迫りました。
今回は先日の下見の模様をお伝えしたいと思います。
舞台は高尾山の裏側、日影沢。沢沿いの樹林は豊かな自然を残しています。
水辺でもあり蝶の通り道となっていて、優雅な姿を良く見かけます。
お盆時期といえば、彼岸花の仲間であるキツネノカミソリが咲いていました。
葉が細く鋭そうなところから着いた名ですが、開花時期にはもう葉は残っていません。
フジカンゾウも咲き、通り過ぎる夏を思わせます。
秋も近づくと、イノコヅチやヌスビトハギが気になります。
ひっつき虫でお馴染みの、動物散布の種子ですね。
ノブキの花も見られました。同じように、種子は動物に付着して運ばれます。
クロアゲハを観察してみます。
後羽から突き出る尾状突起が短いのが特徴です。
赤色紋と付け根の黄色い筋も少し見られました。
よく似たカラスアゲハは尾状突起が長めで、黄色い紋はありません。
ジャコウアゲハは赤色紋も無く、ウマノスズクサを食草とする有毒の蝶です。
他にも、光彩の金色がポイントのモリアオガエルや、甲虫ではキマワリなどが見られました。
蜘蛛も多く、背中の赤筋が目立つハシリグモやジョロウグモ、地味ながらオナガグモもいました。
水生生物では、日本最大のボウフラであるガガンボなどショッキングなものから、ヘビトンボのヤゴなど面白い生物も見られました。
近くを飛び回るミヤマカワトンボをちょっと観察。
緑色の体は金属のような光沢を持ち、綺麗なトンボです。
時期を逃しましたが、終戦記念日には各地で慰霊行事が行われました。
高尾にも、そんな戦禍の跡がひっそりと残っています。
終戦間近の8月5日、裏高尾のいのはなトンネル近くで列車が機銃掃射にあい、多くの犠牲者を出しました。
今も近くに慰霊碑が建ち、往時の悲劇を後世に伝えています。
永きに渡り育まれた生命を、いとも容易く奪い去る力を人は持ってしまいました。
高度文明を追い求める傍らに忘れてしまった何か。
文化の成熟こそが求められる社会に生きている私達。
自然と対話する傍ら、人と自然の営みをお伝えする中で、「何か」を育てることに貢献していくことも、森林インストラクターに求められている役割なのでしょう。