今日は「国際生物多様性の日」(International Day for Biological Diversity)。
国連の提唱する国際デーの1つで、1993年(平成5年)、地球上の生物の多様性の保全などを目的とした「生物の多様性に関する条約」が発効したことを記念して設けられました。
生物との共存とその多種多様な利用による恩恵が、絶滅により失われる事を危惧する事に始まり、希少種の取引規制や特定地域の生物種保護を行なう事を取り決めたものです。
キーワードは、「生物資源の持続可能な利用」。
条約の目的として、以下の3点が挙げられています。
(1) 生物多様性の保全
(2) 生物多様性の構成要素の持続可能な利用
(3) 遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分
注目すべきは、種の保存のために生息域の保全を行なうこと(外来生物に対する措置)。
バイオテクノロジーに関する遺伝子の問題を取り上げていること。
また、原住民の権利と資源の公平な分配に触れていることです。
詳細は、外務省HPをご覧ください
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kankyo/jyoyaku/bio.html#01
昨年話題になったCOP10は、この条約の締約国による会議をさすものです。
改めて、国際間の問題の複雑さが浮き彫りになりました。
生物多様性を考えるとき、この「多様性」に含まれる意味が複数あるために一見ややこしさを感じさせます。
多様性の中に含まれるものとして、
種の多様性・・・色々な種が存在すること
遺伝子の多様性・・・同じ種の中にも、多様な遺伝子が存在すること
生態系の多様性・・・様々な生物が関係しあう環境が多様にあること
環境の多様性・・・森林・草原・河川・干潟・海洋等、生育環境が様々であること
景観の多様性・・・地形と植生の相互作用により、生態系が折り重なってできる地域的なまとまり。山間地域・農村・島嶼等。人の営みによる影響も大きい。
これらの多様性を脅かすものとして、次の三点が挙げられています。
第一の危機―人間活動による生態系の破壊がもたらす種の減少・絶滅
第二の危機―人間の働きかけの減少による影響
第三の危機―外来生物などによる生態系の撹乱
(第三次生物多様性国家戦略による)
一言に自然と言っても、場所や条件によってどうあるべきなのかは違ってきます。
原生状態で推移を見守るもの、自然の状態で現状を維持すべきもの、積極的に人が利用する撹乱によって保たれる環境と、まちまちです。
大切なのはそのひと時ではなく、何年も先を見据え上で人と自然の関わりを考えていくことだと思います。
何気なく動かした石にさえも、環境を大きく揺るがす意味があるのかもしれません。
おごれるものはひさしからず。
自然への敬意を忘れず、良きパートナーとして付き合っていきたいものです。
応援よろしくお願いします