W杯、惜しかったですね。
PKは時の運とはいえ…残念です。
是非とも次につながる試合として、選手一人一人のかげがえのない経験として欲しいと思います。
こちらも。経験を負けじと積んで行きたいと思います。
前回はハチの生態について取り上げましたので、もう少し詳しく見てみましょう。
先日、私の職場でアシナガバチの巣を見つけました。
可愛そうですが、女王バチの単独営巣期である働きバチが羽化する前に、落としてしまいました。
長い棒で叩き落としましたが、さすがにまだ単独でもあるので戦うリスクもあるのか、女王バチは飛んで逃げていきました。今の時期だから言えますが、なんだか気の毒です。
で、折角の標本(?)ですので、色々と観察させていただきました。
まずは外観。アシナガですので中が剥き出しです。
よく見ると、卵が産み付けられていました。
巣の基部には、蟻の忌避剤が塗られており、ニスのような艶があります。
これは女王バチが塗るもので、効果は一時間ほどだそうです。
狩りに出るときは塗っておいて、アリから巣の中の卵や幼虫を守ります。
ハチの意外な一面です。
中を割って見ましょう。
入り口付近に蛹が見られます。奥のほうには幼虫(蜂の子)が驚いて顔を出してきました。
比べると、こんな感じです。

羽化しだすと、攻撃性が高まり手を出せなくなります。
刺された時の対処ですが、まずは安全な所まで逃げてください。
蜂が襲うのは、巣を守り子孫を守るためです。
彼等からすれば、人は山のような化け物です。必死の思いで攻撃をしかけているのでしょう。
そして、毒を吸い出します。
市販のポイズン・リムーバーを使ったり、無ければ爪で搾り出します。
出きったら、ハチ毒は水溶性ですので水で洗い流します。
軽度のものなら、抗ヒスタミン成分含有の薬を塗っておきます。
ここで重要なのが、アレルギーと後の処置(治療)の問題です。
人によっては、薬に対するアレルギーを持つ方もいます。必ず、本人の了承を得て使用するようにしてください。
また、重度の場合は医師による治療が必要な場合があります。
この際に、薬剤の使用は成分の特定が難しく、治療の妨げになる場合があります。
まず薬を洗って除去する手間が増えることになるのです。
ですので、病院へ搬送する必要性のある場合は基本的に薬は使いません。
応急手当はあくまで治療ではないことを、よく認識しておく必要があります。
ハチ刺されの経験を確認することも重要です。
二度目の場合は体内に抗体ができていることがあり、急激なショック状態に陥る危険性があります。
この反応が、「アナフィラキシーショック」と呼ばれるものです。
寒気・吐き気・虚脱感・痙攣・冷や汗・呼吸困難・脈拍の低下などが予想されます。
確率論ですので誰もに出るわけではありませんが、傷病者の観察を怠って死にいたるケースもままあります。
たとえ初回でも複数箇所刺されていれば、とても危険です。
症状に関わらず、最低でも30分は救護者が容態を観察する必要があるでしょう。
安易な単独行動を取らせたばかりに、容態が急変することもあり得ることです。
ハチとともに気をつけたいのは、有毒植物。
あまり食べることは無いので、特にかぶれを起こすものには注意が必要です。
代表選手といえば、ウルシ科の植物。
この時期紛らわしいものとして、キヅタとツタウルシがあります。
キヅタには何の害も無いのですが、ツタウルシはかぶれます。
大きくなれば特徴が分かれるのですが、小さいうちはよく似ています。
どちらもツル性の三出複葉なので、見分けがつきません。
よく見ると、
キヅタは鋸歯の先端にとげがあり、吸盤でくっつく。
ツタウルシはとげが無く、根のように這わせて絡む。
といった違いがあります。
木に付いたものはわかりますが、地を這うものは一目では正直わかりません。
これもまた、自然の醍醐味。
むやみに恐れる必要はありませんが、最低限の注意は必要ですね。