暑さ続きの毎日に、今日の雨は打ち水のようです。
連日の山疲れには、ちょうど良い小休止。
お休みがてら、引き続き、富士登山顛末記をお届けします。
吉田ルートの頂上、久須志神社で朝食を取ります。
珍しく、食欲がいまいち。そして、偏頭痛。
9合目を過ぎたころから、典型的な高山病の症状が出始めました。
まさに山酔い、二日酔いの感じにそっくりです。しばらく仮眠を取りました。
6:00、山頂出発。真の頂、剣が峰を目指します。
ここまでくると、気圧の低さを実感します。
水筒・飴の包装…見かけの負圧により、内部の空気が膨張するのが分かります。
何より、本当に息が切れる。ちょっと急に動こうものならクラッときます。
こんな環境でも、みやげ物を売る山小屋の主人は元気です。
もう馴化しているんでしょうね。頭が下がります。
ダイナミックな火口を見ながらのお鉢巡りは、壮観です。
下を見れば、どこまでも続く雲の平原。まさに別世界。
登頂記念にピンバッチを購入し、開けた場所で一休み。遅めの朝食を軽くとります。
カロリーメイトにゼリー状の栄養食品。
手軽に取れるものが楽だし、すんなり入ります。
剣が峰への急登は、砂礫に足をとられ本当に辛いです。
何でここまで来て、まだ登るのか…半分やけくそです。
止まることもできないので、一気に登りきります。
その先には、日本の最高地点が待っています。
9:00、登頂。3776m 雲上の楼閣。
これ以上、上は無い…達成感と共に、一抹の寂しさを感じる瞬間。
天候もよく風も穏やか。なかなか日ごろの行いが良いようです。
記念撮影に、順番待ちで20~30分。これには参りました
ここからは下山。ひたすら高度を落とします。
お鉢巡り後半でついペースを上げてしまい、頭痛に加え吐き気もおきました。
後は下るだけ、そんな油断が招いた結果だと思います。
何せ高度を下げないと症状も良くならないので、ひたすら下ります。
久須志神社に戻り、休憩の後下山路を取ります。
吉田ルートの下山路は砂礫にやや大きめの石が混じり、歩きづらいと感じました。
用意したダブル・ストックを使って、膝への負担を軽くしながら滑るように降りていきます。スパッツもあると、靴に砂が入らずに便利です。
正直見るものも無く、休憩を挟みながら一気に下ります。2700mを切ると、ガスがかかり始めました。
先程頂上で見ていた、雲の中を歩いているのでしょう。
公衆トイレを過ぎれば、程なく緩やかな道に出ます。ゴールは間もなくです。
13:00下山。5合目の雑踏で、急に日常へ引き戻されます。
文明。
これを求めて下山してきたのも、また事実ですが。
吉田口ルートは混雑が当たり前。承知のはずでも、やはり複雑な思いがあります。
Over Use
日本の山が抱える大きな問題を、まざまざと見せ付けられる山行でした。