日航への資金援助が決まり、毎日のように報道が続いています。
親方日の丸のツケと空港維持の為とはいえ、釈然としない方も多いと思います。
世の例えに、「寄らば大樹の陰」というのがあるように、社会的影響の大きさを天秤にはかけ難い部分はあるのでしょう。
この~木何の木♪でお馴染みの、アメリカハナズオウ。
ハワイにある大樹だそうです。
確かに、安心感を感じさせてくれますね。
あくまで人の感覚ですので、自然の中では実際どうなのでしょうか。
植物同士の競争を考えるとき、まず日光の問題があります。光合成には不可欠な要素です。
より多くの日照を得るため、樹木は高さと広い空間を占めることを選びました。
その中でも、明るい場所を好み成長の早い陽樹と、比較的被陰に強い耐陰性の高い陰樹があります。
陽樹にとっては、大木の傍や下は居心地のいいものではないでしょう。どちらかといえば、空き地にすばやく入り込むパイオニア的性格のものが多くあります。
陰樹もまた、成長の抑制は受けます。考えようでは、幼樹のころは風雨から身を守る存在かもしれません。
長い日陰暮らしも、大木が枯れたらどうでしょう。
占められていた空間が一気に開け(ギャップといいます)、先に自陣を築いた陰樹が途端に有利になります。
番外編として、ツル性の植物があります。
ちゃっかり幹を間借りして、スルスルと高みへ上り詰めていきます。
酷いものは、そのまま成長する中で太さを増し、家主を絞め殺して一本の木のように自立してしまうものもいます。絞め殺し植物の異名を持つほどです。
地上部はこの辺で、地下に目を向けてみましょう。
毎年大量の落葉・落枝が出るでしょうから、土壌はそこそこ期待できそうです。
ここでは、今度は根張りの競争が待っています。
大体の樹木は、枝張りと同等以上の根張りを必要とします。あの巨体を支える姿を想像していただくと良いでしょう。
土壌中には、その種特有の病原菌や害虫もいます。
なかなか過酷な環境ですので、子孫には遠くへ離れてもらったほうがよさそうです。
植物同士では、こんな感じです。
動物にとってはどうでしょう。
枝葉は休息の場であり、採餌の場です。
高さによって生息する構成種にも変化があり、階層上の生態系を形成します。
老木は所々にウロを持つものもあり、小動物のよい住処を提供しています。
動物にとっては、概ね歓迎される存在のようです。
寄らば大樹。
一言にいっても、立場や特性によって関係はまちまちなようです。
条件の中で、それぞれが個性に合わせた適地を見付けて生きている。
そこに自然の魅力があるんでしょうね。