更新が遅れました。

申し訳ないです。



実は先週、



車にはねられました



国道1号線沿い。

ガソリンスタンドの前。

その横にある、某コーヒーショップ。

その店の看板の影から、一台の車が。



次の瞬間、自転車ごと吹っ飛ばされました。

歩道の真ん中を走っていたのに、気がついたら車道に仰向けに寝転がってました。



かなり大きな音がしたらしく、コーヒーショップからは店員が飛び出してきました。

野次馬が集まってきました。

運転手が車から飛び降りてきました。



自分は、何とか自分の足で立ち上がれました。

でも、足は生まれたての子鹿のようにガクガクブルブル。

目の前の景色が揺れて、焦点が定まりません。

車を見ると、ボンネットが凹んでいました。


その後はすぐ目の前の交番に行き、事故を報告。

その後に病院へ行きました。

事故の派手さの割りに、幸い捻挫と打撲だけで済みました。

全治10日。

鍛え方が違うのですよ。


でも、右肩と右ひじが痛くて、しばらく趣味でPCに触るのを控えていました。

ようやく調子が戻ってきたので、これからはきちんと更新できると思います。



でないと、


また車にはねられたか、と思われてしまうかもしれないので。

Michael Moorcock
Elric of Melnibone (Elric)

皆さん、ゲームは好きですか?



自分は好きです。

果てしなく広がる幻想ワールドへダイブ。

いいですね。

「……ゲームにはリセットもあるしね」



そんな自分が大好きな小説がこれ。

ムーアコックが執筆した「エターナル・チャンピオン」シリーズの一つ、

『メルニボネのエルリック』です。

翻訳本はハヤカワ文庫より発売中(書店ではほとんど見かけませんが)。



ムーアコックはファンタジー作品を多数執筆しています。

その中の、「紅衣の公子コルム」、「エルリック」、「ホークムーン」、「エレコーゼ」の

4つのシリーズ(サーガと呼ばれる)を一つにまとめた話、それが「エターナルチャンピオン」です。



『指輪物語』、『ナルニア国ものがたり』と並んで、

現代のファンタジー小説、マンガ、ゲームに多大な影響を与えたといわれています。


他の作品とは異なり、アンチ・ヒロイズム溢れるのが特徴。

主人公たち永遠の戦士が所持するのが、黒の剣

黒の剣は神々の勢力、混沌の勢力均衡を司る宇宙の天秤によって、

不利な側に人間が力を貸すよう仕向けるために送り込まれた力。

黒の剣は人間離れした力を与える代償として、

所有者の友人や恋人、果ては所有者自身の命を奪う魔剣です。

魔剣に、そして運命に翻弄される主人公たち。

果たして彼らが行き着く先は……



異なる宇宙で戦う4人の主人公たちを繋ぐ接点。

黒の剣の目的。

神々の正体。



SF要素も多分に含まれている作品。

非常に読み応えがあります。


ありすぎて、ここでは紹介しきれない


ですが、1冊1冊のボリュームはそんなにありません。

単語も難しくはないので、ライトノベル感覚で読めると思います。

剣と魔法の世界が好きな人はぜひ。

郵便局に勤めている友人から、年賀状を買わないかと営業メールが届きました。

今年もそんな季節ですか。


2006年は戌年です。


来年向け(?)の小説をご紹介。

テリー ケイ, Terry Kay, 兼武 進
白い犬とワルツを

サムは、長年連れ添った妻に先立たれて一人で暮らしている老人。

自らも病に冒されている父を心配して、子どもたちが彼の家によく遊びにやってきます。

サムもまた、子どもたちに感謝し、彼らを愛しています。

それゆえ、彼は穏やかに、一人で余生を生き抜こうとします。

そんな彼の元に、一匹の白い犬がやってきました。

犬は時にサムを見つめ、時に犬はサムと戯れ、時にサムの傍に寄り添い――

始めは相手にしなかったサムも、

いつしかこの犬と一緒にいる時間が一番心が落ち着くようになります。

彼は、この犬は亡くなった妻の生まれ変わりの姿ではないかと考えるようになりました。

ですが、犬はサム以外の人の前には決して姿を現そうとはしません。

見たこともない犬の話をする父を見て、

子どもたちは彼が幻覚を見ているのではないかと不安になります。

果たして、サムが見ているのは本当に幻なのでしょうか?それとも――


ゆったり、静かで、暖かい。

満たされた気持ちになれる作品です。

難しい内容の話ではないので、サクサク読めます。


ですが、奥は深いです。

老若男女、全ての人にお薦めの作品。


映画化もされたので、それを見るのも良いかも。

日本版、アメリカ版、両方あります。

J・グリシャムは、法律関係の小説を多数執筆しています。

デビュー作も、裁判を題材にしたもの。


本日はアメリカにおける、犯罪行為を罰するために行われる裁判、

いわゆる刑事訴訟裁判について大まかな流れを説明しましょう。

知っていれば、グリシャムの作品をより楽しめる……かも?


 ①indictment / information 起訴

 ②arraignment 罪状認否

 ③trial 事実審理(公判)

 ④deliberation 陪審の評議

 ⑤verdict 陪審の評決

 ⑥judgment 判決


再審理は、new trialです。

一般的に使われるtrialは、法律用語では裁判の一部。

ちなみに、控訴裁判では事実審理を行いません。

一審(事実審理裁判所)の判決の正否を法律的に判断する場なので、

弁護側と検察側の弁論があるだけです。


あと、欧米ならではの陪審員制もあるんですが、それはまた別の機会に。

John Grisham
The Rainmaker

3冊目は、裁判や訴訟、政治謀略サスペンスを手がけるジョン・グリシャムの著書『The Rainmaker』。

邦題は、『原告側弁護人』。


(ストーリー)

アメリカのロースクール(大学院レベルの法律家養成機関)の3年生であるルーディー・ベイラーは、

借金まみれながらなんとか学校生活を乗り切った苦学生。

就職先も決まり、なんとかなると思われた矢先、就職が内定していた弁護士事務所が

突然吸収合併されてしまい、内定は取り消し。

一転、再び借金まみれ、しかも警察にまで追われる生活に。

追い詰められた彼は、自分で事務所を開き一つの事件を請け負うことに。

それが、生命保険会社への保険金請求。

相手は大手にもかかわらず悪徳な行為も平然と行う生命保険会社。

そんな相手が雇ったのは百戦錬磨の凄腕弁護士。

なのに、頼りにしていた弁護士のパートナーは逃亡して行方知れずに。

新人のベイラーは、単身戦わなくてはならなくなり……


保険金を受けられずに死んでいく病人。

夫に理不尽な暴力を受けながらも、弱い立場のために離婚すらできない妻。

正義感を持ってこの世界に飛び込んでみたものの、そこは

やる気のない判事、公然と受け渡される賄賂、そして裁判を有利に進めるため、

禁じられているにも関わらず陪審員と接触しようとする弁護士が蔓延する薄汚い世界。


新人の主人公は、そんな世界で果たしてどうやって人生初の裁判を闘うのか?


グリシャムの作品は序盤の4分の1くらいまで展開がゆっくりなため、

退屈に感じる読者もいるかもしれません。


ですが、それも序盤だけ。

ルーディーと法廷で対決するのは、彼の内定を取り消した名門弁護士事務所。

そこから、俄然おもしろくなります。

正義はなく、ただ訴訟を通して金を稼ごうとしている大手事務所。

それとは対照的に、初々しくもまっすぐにぶつかっていくルーディー。


その法廷とは関係なく、ドメスティックバイオレンスに悩む人妻とのラブロマンスもありますが、

そこは読者によって賛否両論。(というか、むしろほとんどの読者が否定的……)


しかしながら、法廷対決は読み応えありますし、結構楽しめます。

自身も弁護士であったというグリシャムの魅力を、この本から感じてみてください。

「The Catcher in the Rye」に、ホテルに向かうためホールデンはタクシーに乗る場面があります。


ニューヨークには、12,000台以上のタクシーが走っています。

ニューヨークには2種類のタクシーが走っていて、

街中を走って客を捕まえる「Medallion Taxi」が、

俗に「Yellow Cab(イエローキャブ)」、もしくは「Taxi Cab(タクシーキャブ)」と呼ばれています。

(ちなみに、もう1種は電話をすると迎えに来てくれるタイプ。)


映画、小説、アニメでは、タクシードライバーは最も乱暴な運転をする人種として描かれています。


ドライバーによるんですけど、本当に乱暴な運転をする人もいます。

スピード違反なんて当たり前ですよ。

シートベルトしていたんですけど、運ちゃんが急ブレーキを踏んだ瞬間に「ぐッッ」ってなりましたから。

中身が出るかと思った。


理由。

まず、マンハッタンは碁盤目状に道路が造られているんですけど、

その各ブロックごとに信号が設置されています。

実際に街を歩けば分かると思いますが、それはもう鬱陶しいほどに。

そんな信号にいちいち捕まっていては、客を時間内に送り届けられません。

客商売に就いている人にとって、チップが生活費で大きな比率を占めるといわれる国。

ドライバーは、一日に何人の客を乗せ、何人からチップを貰ったかでその日の飲み代が決まるのです。


そんな調子で世界中から来た客を乗せて街中を爆走するイエローキャブ。

あの運転のお礼に、「セントラル・パークの池が凍る冬場にアヒルはどうしているのか」って

聞いてみればよかったか。

飲酒、ドラッグ、セックス、売春。

教育関係者が一番生徒に触れさせたくないお題。

親が一番子どもから遠ざけたい話題。


それらについた書かれた本、それが『The Catcher in the Rye』。


でも、この本は学校の教科書として読みました。

日本よりも(セックスはともかく)ドラッグや飲酒については、

はるかにアメリカは厳しい国のはずなんですが……


それらを差し引いても、文学として素晴らしい作品ということでしょうか。

確かに、色々と考えさせてくれる作品ではありました。


でも、文法まで支離滅裂な作品を中学生に読ませてもよいの?

J.D. Salinger
The Catcher in the Rye

If a body catch a body comin' through the rye

2冊目に紹介する本は、『The Catcher in the Rye』。

ジェローム・デービッド・サリンジャーの有名な小説です。

村上春樹も翻訳を手がけた小説。


(ストーリー)

主人公、ホールデン・コールフィールドは、今までにいくつもの学校を転々としている高校生。

新しく入った高校では、成績不振で退学させられてしまう。

それをきっかけに、彼は寮を飛び出し、単身ニューヨークに向かう。


彼の家出はわずか3日で終わり、家に帰ってきた後に「きみ」に家出について語りかけています。

明確な起承転結は一切なく、ホールデンが関わった人々、そして出来事について書かれています。


ホールデンの口調で書かれているため、誇張表現もあれば、意味が捉えにくい表現もあります。

そして、大人社会や人々を批判することにホールデンは終始しています。

若者には、それがかえって共感を呼び、長らく人々に愛読されてきました。


初めてこの本を読んだのは中学生の時。

意味不明でした。こいつは一体何が言いたいんだ?と思ったものです。

ですが、高校生になって読むとなんとなく主人公を理解できるようになりました。

大学生になった時は、少し主人公に共感できるようになりました。

社会人になった今では、なぜこれほど人々に影響を及ぼしているのか分かるような気がします。


年齢を重ねるごとに読み返すと、以前とは異なる印象を受ける本です。

忘れた頃に読み返してみてください。

この本から、何かがつかめます。

もういっちょPCに関するお話でも。


アメリカでは、高校まで義務教育です。

そのため、学費はタダです。

それは良いのですが、一つ大きな問題があります。


余分な資金がない。


課外活動はおろか、教科書すら配布されません。

教科書は、何代にも渡って譲り渡されるので、さほど問題はありませんが。

一番の問題は、修学旅行。

学校も少しは援助してくれますが、とても一つの学年が旅行にいける額ではありません。

では、どうするのか。


自分たちで稼ぎます。


日本ではバイト禁止の学校もありますが、逆にバイトを奨励するのがアメリカの教育現場。


そして、そこで活躍するのが、PCでした。

PC上で物を売買したり、自分たちでデザインしたパッケージに手作り菓子を詰めて売ったり、

自分たちでコピーしたシールを売ったり。


版権とか食品衛生とかどうなってんの?

と、問い詰めたくなりますが、そこは目をつぶるのがアメリカ流。


ちなみに、私の学年は、学校始まって以来初の海外旅行が実現されました。

お隣のカナダですけど。

風俗店やアダルトショップに囲まれたホテルでしたけど。


修学旅行当日より、準備までの期間のほうがはるかに充実してました。

The Blue Nowhere』には、学校でPCを使う高校生が登場します。


アメリカにおけるPCはどのように扱われているものなのか?


小中高とアメリカの現地校に通っていたので、どのようなものか多少は知っています。


18禁サイト閲覧を防止するために、PCが置いてある部屋には常に先生がいました。

万が一見ていたことがバレレば、問答無用で停学処分です。

実際クラスメイトからも何人か停学者がでました。

彼らには停学そのものよりも、より過酷な運命が待ち構えています。

中高合計の全校生徒が約350人の小さな学校。

噂は瞬く間に広がります。


停学になった理由が、エロサイトを見ていたから。


すぐに全校生徒が知るところに。


それでも閲覧する人は、勇者と呼ばれていたとか、いないとか。

私は、閲覧しませんでしたよ。

自分には、「日本人」というただでさえ目立つ要素があるんですから。

「エロサイトを見て停学になった日本人がいた」なんて後世まで語り継がれた日には、

ご先祖様に顔向けできません。


そんな、人として大切な何かを確実に失ってしまう勇者なら、平民Aのままでいい。