夜、子どもが寝静まったあと。
あるいは、家事や仕事が一段落したあと。
ふと、静かな時間が訪れることがあります。
その時間の中で、こう思ったことはありませんか。
「このままでいいのだろうか」
「この子は、この先どうなっていくのだろうか」
「もっと、何かしてあげられるのではないか」
そして同時に、こうも思うはずです。
「明日から変えよう」
「ちゃんと向き合おう」
「もう一度、やり直そう」
その気持ちは、とても自然なものです。
そして、決して軽いものではありません。
むしろ、真剣だからこそ生まれる思いです。
しかし——
なぜその決意は、続かないのでしょうか。
■「昨日の夜はあんなに思ったのに」
次の日の朝。
目覚ましが鳴り、慌ただしい一日が始まります。
朝ごはんの準備。
子どもの支度。
学校への送り出し。
仕事や日常のタスク。
気がつけば、昨日の夜に思っていたことは、どこかへ消えてしまっている。
そしてまた、同じ一日が流れていく。
そして夜になると、また思う。
「やっぱり、このままではいけない」
この繰り返し。
これは決して、あなただけではありません。
多くの人が、この“変わりたい夜”を何度も繰り返しています。
■それは「意志が弱い」からではありません
ここで、まず一つはっきりさせておきたいことがあります。
それは、
あなたの意志が弱いわけではない
ということです。
多くの人は、
「自分は続かない人間だ」
「意思が弱いからダメなんだ」
と自分を責めてしまいます。
しかし、それは違います。
人は、本来、
意志だけで行動を継続できるようにはできていません。
これは、とても重要な視点です。
■人は「感情」で動くが、「環境」に支配される
夜という時間は、特別です。
静かで、誰にも邪魔されず、自分と向き合える時間。
だからこそ、深く考えることができる。
そして、人はその中で、
「変わりたい」と強く思うのです。
しかし、朝になるとどうでしょうか。
現実が一気に押し寄せてきます。
時間に追われる。
周囲に合わせる。
やるべきことに流される。
つまり、
環境がまったく変わってしまうのです。
人の行動は、感情よりも環境に強く影響されます。
だから、
夜の決意は、朝の現実の中では機能しない。
ここに、大きなズレがあります。
■「変わりたい」という気持ちの裏にあるもの
もう一歩だけ、深く考えてみましょう。
人が「変わりたい」と思うとき、
そこには必ず、
今のままでは苦しい
という感情があります。
子どもの様子が気になる。
勉強が進まない。
学校との関係がうまくいかない。
将来が見えない。
そうした現実の中で、
「このままではいけない」と思う。
その気持ちは、とても大切です。
しかし同時に、
その中には、
「今を直視するのがつらい」
という気持ちも、少しだけ混ざっていることがあります。
だから人は、
具体的な行動ではなく、
「変わる」という言葉に頼ってしまう。
■「頑張る」は、何も変えない
「明日から頑張ろう」
この言葉は、とてもよく聞きます。
しかし、
この言葉だけでは、現実は変わりません。
なぜなら、
「頑張る」という言葉には、
具体性がないからです。
何をするのか。
どこまでやるのか。
どのように進めるのか。
それが決まっていない状態では、
人は動けません。
つまり、
決意は、行動を生まないのです。
■変わる人は、「決意」をしていない
ここで、少し意外な話をします。
実際に変わっていく人たちは、
あまり「決意」を語りません。
その代わりに、こう考えています。
「どうすれば、自然にできるか」
例えば、
・勉強する場所を固定する
・スマホを物理的に離す
・やる内容を細かく分ける
・最初の一歩を小さくする
こうした工夫を積み重ねていきます。
つまり、
行動を“意志に頼らない形”にしているのです。
■子どもたちも、同じです
これは、大人だけの話ではありません。
子どもたちも、まったく同じです。
「やりなさい」と言われても動けない。
「ちゃんとやる」と言ったのに続かない。
それは、
性格の問題ではありません。
能力の問題でもありません。
ただ、
仕組みがないだけなのです。
■だからこそ、必要なのは「設計」です
聡生館でも、スプラウツでも、
最も大切にしていることは、
「思考と行動の設計」です。
ただ問題を解かせるのではなく、
・なぜできないのか
・どこで止まっているのか
・どうすれば自然に進めるのか
これを一つひとつ見ていきます。
そして、
その子に合った“続けられる構造”を作る
ここに、すべてがあります。
■「変わりたい夜」を無駄にしないために
夜に思うことは、無駄ではありません。
むしろ、とても大切です。
ただし、
使い方を変える必要があります。
夜にやるべきことは、
決意ではなく、
設計です。
明日、
・何をするのか
・どこでやるのか
・どのくらいやるのか
これを、迷わないレベルまで具体化する。
これができたとき、
初めて、現実が動き始めます。
■最後に
もし今、
「このままでいいのだろうか」
と感じているのであれば、
それは、とても大切な感覚です。
そして、
「変わりたい」と思ったのであれば、
それもまた、本物の気持ちです。
ただ一つだけ、覚えておいてください。
人は、
決意では変わりません。
しかし、
仕組みを変えれば、必ず変わります。
■Sproutsより
「うちの子も、同じかもしれない」
そう感じた方へ。
スプラウツでは、
無理に勉強をさせることはしません。
その代わりに、
・その子の状態を丁寧に見て
・できる形に分解し
・自然に進める環境を作る
という形で、学びを支えています。
「どう関わればいいかわからない」
「このままでいいのか不安」
そんなときは、一人で悩まずにご相談ください。
🌱
by Dr. Kazushige.O
(一般社団法人 自在能力開発研究所 代表理事
聡生館/Sprouts フリースクール 代表)