こんなことにも使えるボツリヌス菌 | 足から健康 櫻井寿美

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ようやく梅雨入りしたかと思うと、昨日、今日と、いきなりジメジメ。洗濯ものも全く乾きませんし、先日も、京都市内の保育園で、卵サンドによる食中毒が報じられていましたが、自宅でも食中毒には、特別気を使う時期となりました。

 

食中毒の原因となる菌は様々ですが、100℃の過熱をしても死滅しない、ボツリヌス菌は、とてもやっかいな菌です。芽胞という状態で、土壌に広く生息しているため、野菜や果物などとともに、食品に混入することも多く、酸素が無い状態で増えていくという菌です。過去には、真空パックしたカラシレンコンによる、ボツリヌス菌食中毒などが発生しています。

 

そんな怖いボツリヌス菌ですが、最近では、ボツリヌス菌から作られるたんぱく質の性質を利用して、けいれんなどの治療や、自費によるアンチエイジングとして、眉間のしわや目じりのしわの治療にも使われています。

 

これらの治療は、筋肉の収縮に必要なアセチルコリンという神経伝導物質の働きを抑制する、この菌の特性を利用したもので、ボトックス注射として、広く応用活用されています。

 

今朝、ある広告を何気なく見ていたら、「ボツリヌス療法で、ワキガを治療」というコピーが目に留まりました。

 

「ええーーっ!!ワキガもボツリヌス菌で治るのか…」

 

このように、危険な薬や菌も、使い方次第で、何かの治療に応用できるものは、他にもいろいろあるようです。また、将来の食糧難に備え、「虫」を食糧とする研究も進められているようです。

 

自然界に存在するものは、何一つ、無駄なものはないのかもしれません。

 

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