腰の痛みで来られていた50代の男性の患者さん。
腰や太ももの横側の緊張が強く、骨盤が傾いていた。
施術中に、職場のデスクの下に書類などを置くようになってから、調子が悪くなったことを思い出された。
足元の物を片付けて、足を真っ直ぐ着けて座るようにしたら、腰痛も落ち着いたらしい。
「気付くこと」と「治ること」が、同じ意味になるケースもある
腰の痛みで来られていた50代の男性の患者さん。
腰や太ももの横側の緊張が強く、骨盤が傾いていた。
施術中に、職場のデスクの下に書類などを置くようになってから、調子が悪くなったことを思い出された。
足元の物を片付けて、足を真っ直ぐ着けて座るようにしたら、腰痛も落ち着いたらしい。
「気付くこと」と「治ること」が、同じ意味になるケースもある
「医学」と聞くと、専門的な知識が必要で、縁が遠い気がする。
でも、日常で起こる不調の原因のほとんどは、身近な所にある。
どれほど経験の豊富な医師が居ても、
姿勢、動作、食事、睡眠、仕事、趣味、感情、人間関係・・・、
普段どのように過ごしているかは、自分しか知らないし、自分にしか変えられない。
そして、不調を解決する方法は、そんな日々の行動に潜んでいることが多い
『動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか』 福岡 伸一・著
全身の細胞が一つの例外もなく、動的平衡にあり、日々、壊され、更新されている。
皮膚が内側に折りたたまれた消化管や内臓の細胞も、絶え間なく壊されては作り出されている。
細胞の分裂が起こらないとされる心臓や脳でさえ、個々の細胞の中身はどんどん壊され、新しい分子に置き換えられている。一見、永続的に見える骨や歯も、その内部では常に新陳代謝が進行し、壊されながら作り替えられているのである。生命は、こうして、不可避的に身体の内部に蓄積される乱雑さを外部に捨てている。この精妙な仕組みこそが、生命の歴史が三八億年をかけて組み上げた、時間との共存方法なのである。ところが、私たちは時として、その共存方法を無視し、時計の針を逆回転させたい欲求にかられる。額や頬に刻まれたシワを伸ばしたいと願い、抜けてしまった頭髪を植え込みたいと願うのである。しかし、生命現象を支えるサスティナブルな仕組みは総合的なものである。老化の目立つ身体の一部に単一の原因を求め、単一の有効成分に救いを求めようとするのは、悪しき還元主義に陥ちこんでいると言わざるを得ない。たとえば、化学合成された薬物はいっとき身体の一部に劇的な作用を示すが、まもなく身体はその揺れを戻して作用を無効にしようとする。生命現象は動的平衡なのだから。また、精製された薬物を摂取するより、同じ薬物を含んだ薬草を丸ごと食べたほうが効果があることがしばしばある。それは薬草に含まれるものが単一の成分ではなく、複合的なスペクトルを持った薬物群であり、それらが生命の動的平衡を押したり引いたりして、バランスを回復するのに有効だからと考えられる。ここでも単一の成分による単一のベクトルだけで作用を考える還元主義の限界が露呈している。私たちにできることはごく限られている。生命現象がその本来の仕組みを滞りなく発揮できるように、十分なエネルギーと栄養を摂り(秩序を壊しつつ再構築するのに細胞は多大なエネルギーと栄養を必要とする)、サスティナビリティを阻害するような人為的な因子やストレスをできるだけ避けることである。つまり「普通」でいるということが一番であり、私たちは自らの身体を自らの動的平衡にゆだねるしかない。
生命の在り方を分子の流れそのもので捉える、「動的平衡」として説明されている。
自然の働きの中から、人間が扱えそうな一部だけを取り出して、利用しているものって沢山ある。
もっと大きな流れとして見ると、浅はかな行為も多いんだろうなぁ
『その診断を疑え!』 池谷 敏郎・著
認知症がけっこう進んでしまっているのかもしれないな・・・・・・。
そう懸念しながら診察を進め、服用している薬を見せてもらったところ、降圧剤が三種類出ていました。
そのうち一つは、カルシウム拮抗剤という血圧をしっかり下げる薬で、用量もかなり多い。
ところがWさんの血圧を測ってみると、上が一一〇㎜Hgしかありません。
血圧は加齢によって上昇する傾向があるので、日本高血圧学会は七五歳以上の降圧目標値を上が一五〇、下が九○㎜Hg未満としています。
「こんなに血圧が低いのに、なぜ降圧剤を飲んでいるんですか?」
娘さんに尋ねると、かかりつけの医師から処方された薬を二〇年ほど前から飲み続けているとのこと。
「家でもちゃんと血圧を測って、診察のとき主治医に伝えていますか?」
「いえ 、やっていません」
「季節によって薬の量や種類が変わっていますか?」
「二〇年の間に何度か変わったみたいですが、ここ数年はずっと同じだと思います。季節で薬が違うという話は聞いたことがありません」
「今出ている症状は認知症のせいではなく、たぶん血圧の下げすぎが原因ですね。長い間、 血圧の低い状態が続いていたために脳の血液循環が低下して、ボケたようになってしまっているんだと思います。
とりあえず、降圧剤をやめてみましょう。
もし調子が悪くなるようだったら、すぐに連絡してください」
それから一カ月後、Wさんは自分の足で歩いて診察室に入ってきました。よくしゃべり、よく笑う。
前回とは、まるで別人です。
半年後には、「マツケンの追っかけになりました」とニコニコしながら報告してくれました。
なんと、松平健さんのリサイタルで全国を飛び回っているというのです。
元気になって本当によかったと思う反面、残念でなりませんでした。
薬のせいで彼女は、六〇代の半ばから一○年間も、本来なら生き生きと過ごせたはずの人生を失ってしまったわけですから。
いくつも病院に行ったけど治らない「難民」が増えている背景を、医師である著者が分析して書かれている。
治療のために飲んでいる薬が、健康を損ねる原因になっていることもある。
身体への影響が大きい分、メリットとデメリットの両方を知っておかないとな~
整形外科に行くと、レントゲンなど画像の結果を元に診断される。
膝関節に変形がある、腰椎にヘルニアがある、脊柱管の隙間が狭い、といった所見が見つかることもある。
でも、検査をしたから分かっただけで、それが痛みや痺れと関係があるとは限らない。
変形自体は変わらなくても、姿勢を改善することで、症状が無くなる人も多い。
検査の結果を気にするより、自分で変えられる所って沢山ある