うまいもんだと感心する。灰皿にあるY子のセイラムライトは口紅がついてない。いつも真っ赤なルージュ、シャネルの強いかおりは私の好み。そっとくわえるメンソールは彼女の好み。




ベニの香りは好きなんだけど、ヤニのにおいがどうしても。ねえ、吸い続けるの?俺やめたのに。やっぱりにおいが嫌いだから....いろいろ話してみたけど、14のころからの習慣はどうしても変えられない....\(`o'゛;) じゃ、やめると言いながら部屋を出るとき薄緑のパッケージを投げつけてきた。次に会ったら(^、^*) ライトだからいいじゃない....やっぱり折り合わない。




においが嫌いと話したけど、本当はY子との子供のことを本気で意識してたんだ。正常に生まれてきて欲しい。そうでないときに背負う十字架は、明るい家庭を作るには重すぎる。少しくらいおおめに見てもねと思い直してもリスクは最小限に減らしておきたい........その選択も人生のうちなんじゃないかな。




あなたは煙草をしない。かわいい子たちがたくさん欲しいんだ。あなたと素敵な家庭という小国家の建設。憂いのない世界がそこにあるはず。

惚れさせてよ!!酔いがまわってるのとあいまって、突然さけんだT美さん。職場の先輩、妹さんの婚礼にでたあと焦りだしたのかななんて勝手におもってた。いつもみんなでわいわい呑むのに、今日はたまたまふたりしか集まらなかった。かにエビほたてサケこまいトバししゃも、、、北海道の特産品をネタにうまいもん談義の果て。


とても柔らかいくちびる。


本当は焦ったんじゃなくて、ふられたんだね。「××しようといったじゃない。」、、、、結婚?よく聞き取れなかったけど、それは私が言った言葉じゃない。T美さんはいつも強い考え方をする。でも、ここまで弱気なようすには本能的に何かしてあげたくなる。でも私じゃ代用品、でも今夜だけはいいことにしてあげる。


あなたは私をど真ん中にとらえてくれてるよね。私がそうであるように。いつもスペアのない関係になっていたい。


徹夜の作業で疲れていた。ちょっと気もたっていた。午前3時、同僚のW恵に地階から上るエレベータの中でちょっと冗談、、、、だったんだけど「ここ、二人だけの密室だね」。それが彼女に火をつけていた。




おなかがすいた。パントリーでカップの麺にお湯を入れる。うちがいれるわと沸かした矢缶をかたむける。それから3分間、じっと待つはずだった....W恵の両腕が私の背中にまわる。後ろ手に電気を消した彼女はルージュの香りを武器に私をしびれさせた。もう、どうにもとまらなかった。




ふたりお昼間は何事もなかったように振る舞う。不思議な感覚、昨日まで普通にしていたのに、普通にすることが難しい。いや、ちゃんと隠してたはず。でもそのうち、どうしてかみんなにはわかってきたようだ。しゃべらなくてもこういうことはそうなるもんだろうね。せっかくであったのにオフィスだからと秘密にしないといけない関係なんてちょっとね。そして異動の日が来た。




あなたの存在は私の周りに最初から自慢したい。お披露目はできるだけ盛大にするつもりだ。みんな人がいいし仲良くなれると思う。