七 百 七 十 六 夜 | 愚  者(逆位置)  ノ  足  跡 ・ ・ ・

愚  者(逆位置)  ノ  足  跡 ・ ・ ・

タ  ロ  ッ  ト  仕  掛  け  の   セ  ン  ス  オ  ブ  ワ  ン  ダ  ー

 n i m a l s  9 
~キ ジ ト ラ の マ ル~


最後までウチに残ったマルを連れ、新しい家での生活が始まった。
「新しい家」とは言っても、愚者が小5まで過ごした家・・・
父が祖父母の奨めで若い頃に建てたアパートの管理人部屋だ。

姉は空室だった部屋を占領し、フリーダムとなった。
弟は新しい中学校へ通い、友達もできた。
小学時代を過ごした環境なので近所に同級生はいたが、遊びに行くのも気が引けたので一人で部屋にこもってた。


窓を開けるとりんご畑、その向こう側には田んぼ。
日中はトラクターが数台通る程度の環境は、マルにとっては天国だったと思う。
草むらに身を潜め、狙いを定めて一気にダッシュするやり方でたくさんの獲物をしとめた。

時々負傷して帰宅することもあった。
傷の治療をしてもらおうと動物病院に連れていったら、獣医にしかられた。
「どうして虚勢手術をしないんだ!」と・・・
結局そのまま連れて帰り、何日もかけて自力で治した。

いい感じに乾いたカサブタを剥がすのは愚者の楽しみだった。
毛がごっそり抜けてそこだけハゲができる。
で、何日かすればうっすらと同じ色の毛が生えてくる(笑)

そんなマルも引っ越して1年も経たないうちに出て行った・・・
何日も探したけど、結局マルもどこかへ行ってしまった。

何日も泣いた。

母  「つらい思いするだけだから、動物はもう飼わない」
そう言って母も泣いた。


第 一 ネ コ 期    完