2012年08月30日
福岡健一 (ウェブサイト「駅弁資料館」館長)
鉄道は、蒸気機関による陸上輸送を実現すべく敷かれた。蒸気機関車は石炭と水を推進力に変え、人や馬では不可能な強さと速さで旅客や物資を輸送することで、産業を牽引し、近代を導いた。日本でもかつては、蒸気機関車は国の石炭消費量の1割を線路で燃やし、その煙は街のスズメや乗客の鼻の穴を黒く染め、民家の洗濯物や乗客の衣服に煤(すす)を付けた。今となればとても迷惑で苦痛な話であるが、当時はそれが当たり前であった。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/2142