日本経済新聞 2011/01/31 朝刊 文化欄
今年最初の「私の履歴書」は、商船三井最高顧問の生田正治 氏でした。月末なので最終回です。
若いころから会社の・海運業界の方向性を考えそれを実現されてきました。その手腕を買われ、小泉内閣時代に日本郵政公社総裁に就任。
小泉首相に総裁就任を請われ福田官房長官に説得されるくだりでは当時の小泉改革の雰囲気を思い出しました。
最終回は総裁退任の日から始まっています。郵政省時代からの慣行で退社時に20名ほどが見送り花束を渡すと聞いていたところ、
「降りてみるとロビーと階段を1000人を超す社員たちが埋め、季節外れの寒さにもかかわらず、外の車寄せにも多くの社員が立って私を待ってくれている。胸が熱くなった。」
というエピソードが記されています。
一番印象的だったのは以下の部分です。
「…次の政府はたったの1年後に民営化に反対して離党していた議員を復党させた。以来、政治の基本的ビジョンが見えにくくなり混乱が始まった観がある。」
同感です。小泉政権後に日本の政治は著しく劣化した気がします。その布石を打ったのは小泉政権なのかもしれませんが…