さて。
久しぶりに、師匠に怒られた。
頭ごなしに、ガッツンと言うヒトじゃないんだけど・・・
ふーたの煮え切らない態度や、そんなんやったらイチから戻るしかないじゃんか?!
という考えに、喝を入れていただいた。
師匠はふだんは、つまんないことならいっぱいいっぱいおしゃべりするヒトなんだけど、
この日はじっと、ふーたの言うことを聞いてくれたんだ。
ひとつひとつ。
たぶん、独白みたいな感じだったと思う。
詳しくまでは、覚えていない。
自分の中の考えが詰まったら、手引きをしてくれて・・・
最後にたどりついた答えは・・・
ふーたは、ヴァイオリンを、オンガクを・・・もうちょっと簡単に考えてたんじゃないか?
オンガクは、すごく深くて、すごく難しくって・・・
師匠はもう、何十年・・・
ふーたがアホみたいな顔でタコ公園のタコの滑り台で
どれだけカッコよく滑れるかゲームをしてる頃からずっと、
ピアノにヴァイオリンと、練習を重ねてきた。
それでも果てはなくて、
師匠も生きているうちにヴァイオリンを自分のものにはできないかもしれない、
そう言っていた。
ふーたはまだ、始めてたかだか数年。
フォームなんて、今のフォームが完全なはずがない。
歳を取ったら、手を傷めたら、フォームはより良い形にしないといけない。
でも、そのたびに、いちばんはじめに戻らなきゃいけないなんてことじゃない。
フォームの改造、弓の持ち方、ボウイング・・・
その時々で、常に変わりゆくことがら・・・
そういうものを受け入れながら、進めばいいのでは?
そのためには・・・一生懸命必死にならないと弾けないザイツは無理でも・・・
受け入れながら弾ける、もうちょっと運指の簡単な曲を練習して、
それができたらザイツに戻ったらいいじゃん?
そゆもん・・・なんだね・・・?
なんかね、ここんとこずっと・・・
(つまりは、なんか自分の進み方でウダウダ悩み始めてから、だね)
ふーたの様子が、おかしかったらしい。
レッスンに来るたび、落ち込んでいたり、暗い表情だったり、
妙に明るいかと思ったら、弾き始めると音が真っ暗だったり、
レッスンが終わって、帰り道・・・そのまま死んでしまいそうな顔をしていたり・・・
たぶん、自分の思い通りに弾けなくなってきたからだろうな、と思っていたら、
案の定、泣きついてきた、と。
・・・あはは・・・オンガクって・・・鏡みたいなんだね。
なんか隠そうとしても、ぜんぶ師匠にはお見通しだったのか。
つわけで・・・
レッスンが終わり、自分のコト・・・
もう、親にすら話したことがないような自分の内面の話までして・・・
急に恥ずかしくなって、駅で情緒不安定のヒトみたいになって(笑)
うわあ、どうしよう・・・次回レッスンからどんな顔して師匠に会ったらいいんだろう?!
なんてもう、顔が赤くなるやら青くなるやら・・・
大慌てして・・・ちょっと落ち着いたら・・・
なんか、無性にヴァイオリンが弾きたくなった。
次回からはそんな心配させちゃいけないなと思って・・・
何があったってニコニコ笑って、レッスン受けたいなあと思って・・・
だってさ、ヴァイオリンは始めてもう、三年以上になるけど、
そのうちのレッスンを受けてる時間ていうのは・・・たかだかまだ、数日で・・・
一緒にいられるのって限られた時間だからさ、笑顔でいたいんだ。
つわけで・・・次回レッスンに何を持って行くかは・・・まだ決めていませんが、
後戻り、逆戻り、イチからやり直し、というネガティブ発想ではなくって・・・
前向きに考えられそうな気がします。
・・・ま、もういっこ欲を言うなら・・・
もうちょっと師匠まかせのレッスンを受けてみたい、と、思わないことも、ないけど。
(うちの課題は、自己申告制です。「コレやったので、見てください」から、始まります。)
なんかこの日は、相談に乗ってもらって、
それだけでレッスンおしまいでいいやと思って行ったのですが・・・
結果的にそのあと、きちんとレッスンもしてもらいました。
アヴェヴェルムコルプスを弾いて・・・
1stヴァイオリンは、ちゃんと曲想を他に伝えなくてはならない、という役目を教わり・・・
モーツアルトが旅の人生の中、神様に感謝して、捧げたいと思った曲。
ひとつひとつのパートの音は簡単だけど、
そのパートごとの一音一音が、人々の祈りのように重なり合って・・・
というのを表現すべく・・・
音がつながって、ぷつぷつ途切れないように、
一音一音をきれいに鳴らせるように、教えてもらいました。
・・・ポジション移動後、自分がどの音を弾いてるのかが
理解できるようにならないとな・・・
ここの2ポジのド!と言われても・・・
どこを弾いてるのかが皆目見当がつかないぜ、ふっ。
ま、そんな感じの、いちにち。
ふーたは師匠がこのヒトでよかったと、何度だって心から思うのでした。
一年、数か月の区切りじゃなくって、もっと大きな目で、前へ進もう、そう思います。
・・・とはいっても、ふーたはとても弱い人間なので・・・
また、同じような考えのスパイラルに陥ってるかもしれません。
でも・・・もうちょっと人間的にも成長したいなあとしみじみ思うのでした。