タピオ・ヴィルカラ展  岐阜県現代陶芸美術館   2025.11.16 | foo-d 風土

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自然や芸術 食など美を 遊び心で真剣に

 

 タピオ・ヴィルカラは、妻のルート・ブリュックと共に、フィンランドを代表するデザイナーで、私は二人どちらも大好きで、今回の展覧会を楽しみにしていました。

 

 ルート・ブリュックは皆さんご存知のように北欧っぽいイメージのセラミック・アーティストで、イソップ童話やで蝶や妖精や様々なセラミック作品を発表しています。2020年には岐阜県現代陶芸美術館でも「ルート・ブリュック 蝶の軌跡」展が開催されています。

 

 タピオ・ヴィルカラも妻のルート・ブリュックもその芸術表現は違いますが、共に、実に多彩で、氷や水、木の葉など自然の要素を巧みにモチーフに取り入れ、フィンランドの自然が感覚になっているとおもわせ、夢見るような素敵なセンスと温かい心が作品に表れていて、素晴らしい夫婦だねっと思ってしまいます。

 

 

 タピオ・ヴィルカラの代表作は、ラップランドの溶けゆく氷にインスパイアされて創作された「ウルティマ ツーレ」です。

自然の氷、氷河が膨大な時間と情熱をかけて溶け出す瞬間を閉じ込めたようなグラスで、フィンランドのクラフトマンシップと自然への敬意が細部にまで宿っています。

 

 私は長年、タピオ・ヴィルカラは、イッタラのデザイナーであると共に世界的なガラス作家だと思っていましたが、今回の展覧会で、その芸域の広さに驚くと共に、特に会場最初に現れた木彫のオブジェの木目の妙には驚き感銘しました。

「ウルティマ ツーレ」を木で表現したものでした。

 薄い板をただ貼り合わせて切ったものではなく、木目の線が開いていく。とても綺麗で、流れていく木目。

 なぜこういうふうにできるのか、まるで、描いたとしか思えないのですが、描いたものではなくて、タピオ・ヴィルカラが長年苦労して創作した、本物の木目と、彫りと、磨きと研磨によって“木目らしく見える流れ”を創出していたのでした。しかし、よく見てもその作り方がわからないものもあり、 とても見事です。

これはとても欲しいなーっと思いましたが、残念ながら無理ですね。

このオブジェが宙にあり地にあり素晴らしい展覧会。 

 

 

 

 

ラップランドの溶けゆく氷にインスパイアされて創作された「ウルティマ ツーレ」

 

自然の氷、氷河が膨大な時間と情熱をかけて溶け出す瞬間を閉じ込めたようなグラス

 

 皆様もどうぞ会場へ足を運んで楽しんでくださいね。

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 ちょっと余談ですが、

 私は自身の蕎麦懐石でペアリングでお出しするお酒用に、ヨーロッパ中心に4個以上揃ったアンティークミニグラスを探していますが、もう10年ほど前に名古屋骨董祭のある店で、氷のようなグラスが木を丸くくり抜いてそのサイズに合わせて作った箱に入っているグラスセットを見付けました。これが、なかなか良い。

 店の方に、これはどこの国の誰の作品かと尋ねましたが、わからないと言われました。どこのものかわからないからでしょうで10000円ほどで購入し、家に帰ってから、よく見ますと、その一つに5mmほどの小さな赤いマークが薄く残っていました。 これをヒントにネットでさまざま調べてみますと、フィンランドのイッタラのタピオ・ヴィルカラ作の「ウルティマ ツーレ」シリーズのグラスということがわかりました。

 ただ、カタログや美術展の資料等探しても、同じテクニックはありましたが、同じものはなく、ケース付きはどこにもなく、ケース自体も特殊ですし、どんなに検索しても全く出てきません。少なくともイッタラの量販品グラス(1客8000円から20000円位)ではなさそうです。

 

 

  (下記は自宅のものです)

 おそらく誰かの特注か、特別催事用に、オーロラや白夜など、光が織りなす素晴らしいラップランドの野山へ出掛けたときなどに、フィンランドのウオッカを飲むために、フィンランドの木をくり抜いたケース入りのグラスセットだとおもいます。

 

 今回の展覧会にもよく似た少し大きなものが『ニヴァ/急流(グラスのモデル)1971年イッタラ』として出店されていて、

そのテクニックを実物で見ることもでき、

とてもうれしく、良い経験ができました。

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 岐阜県現代陶芸美術館

   「タピオ・ヴィルカラ

      世界の果て」展

 リーフレットより

フィンランドを代表するデザイナー、彫刻家として圧倒的な存在感を放つタピオ・ヴィルカラ(1915-1985)の日本初回顧展

妻は、同じくフィンランドを代表するセラミック・アーティストのルート・ブリュックです。

 1947年、イッタラ社のデザインコンペに優勝。1951年、ミラノで行われたトリエンナーレで三部門金メダルを受賞し、名声を不動のものとする。彼は、ラップランドの静寂をこよなく愛し、生命の神秘や大自然の躍動を着想源に、「ウルティマツーレ」 (ラテン語で 「世界の最北」を表す言葉)をはじめとするガラスの名作を誕生させました。 デザインの対象はガラスのほかに磁器、 銀食器、 宝飾品、照明、家具、紙幣、グラフィック、 空間まで広くおよび、 あらゆる素材に向き合い、触覚と視覚を鋭く働かせて生だす洗練されたフォルムがヴィルカラの作品の見どころです。

また、神話をモチーフにしたガラスのオブジェや、自ら開発した積層合板を用いたオブジェにはプロダクトデザイナーとは異なる表現者の顔ものぞかせます。

本展は、エスポー近代美術館、 タピオ・ヴィルカラルート・ブリュック財団およびコレクション・カッコネンから厳選したプロダクトやオブジェ約300点に加え、制作過程や背景を明かすドローイング (複写)や写真を展示します。

生誕110年 没後40年を迎える2025年、繊細にしてダイナミックなヴィルカラの造形の魅力に迫ります。

岐阜県現代陶芸美術館

 タピオ・ヴィルカラ

     世界の果て

   2025.10.25~2026.1.12

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イッタラ(フィンランド語: Iittala )は、「現代的な北欧デザイン」による食器などインテリアデザインを専門とするフィンランドのデザイン企業。

最も有名なのがガラス製品で、世界中のデパートで販売されている超有名メーカーです。

 また、三宅一生は造形的デザインで、私の好きなデザイナーですが、ちょっとした縁で、一生の個人パーティにも伺ったことがありますが、三宅一生とイッタラの2大ブランドの夢のコラボとして《Iittala×Issey Miyake》が2016年に発表されています。イッタラのガラス器と一生のプリーツ プリーズの布や器デザインとのコラボで、これも世界のデパートで販売されています。