名古屋市美術館 「民藝 MINGEI-美は暮らしのなかにある」2024.10.5 | foo-d 風土

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自然や芸術 食など美を 遊び心で真剣に

 

染織家の家に生まれ、物心がついた頃から手仕事の布や民藝品に囲まれ、それらを日常生活の中で当たり前のように使って育ちました。

 その影響で、若い頃から民藝に関する様々な方達の話や書籍、日本各地の民芸館や民藝の展覧会などもよく出かけ勉強させていただいてきましたが、私の知り得ている民芸についての拙すぎる断片的知識も いつかまとめたいと思いつつ。

 

名古屋市美術館

特別展 「民藝 MINGEI-美は暮らしのなかにある」

 この特別展は、一般的な美術展のように、作品を並べているだけではなく、生活の場としての表現まで幅広く行い、民芸運動として過去から現代、また、未来へ続く表現もなされているわかりやすい展覧会となっていました。

 

一番上段に置いてある黒釉緑釉描分皿は、柳宗悦が見出した民藝の美を現代の日常の生活に取り入れることを願い、鳥取の吉田翔也が現代の生活に用いる食器をデザインし牛ノ戸窯で昭和6年(1931)に制作した新民芸運動としての最初の作品です。
どこの民芸館へ行かれたも必ず陳列されている記念碑的なものです。
民藝好きな私も飾っています。
 

 館内のモデルルームは1941年の日本民藝館での生活展をそっくり再現したもので、同じ食器棚、大テーブルが使われ、年月で多少割れたりして数は減っていますが同じ茶碗や調度品が使われていて、一部瀬戸焼、有松絞りが加えられています。

 

 

 

 

 

 

 アフリカの民芸品も多く陳列されています。中央の丸太を削って作られたのは西アフリカ コートジボアール セヌフォ族の王様のベッド 奥の黒い鳥の彫像は同じくセヌフォ族のカラオー像は、犀鳥(サイチョウ)をモチーフにした鳥で、長い嘴大きな腹で、子孫繁栄、村の繁栄を願って作られたものです。私もこれら2点やその他、似た感じでちょっと陳列しているので、少し嬉しかったです。

 

私が子供の頃の食卓も、こんな感じで小鹿田焼や沖縄の壺屋焼、丹波焼などに料理が盛られていました。

 

 

 これは巡回展で、昨年7月大阪中之島美術館を皮切りに いわき市→広島→東京→富山と回ってきて、今、名古屋市美術館で開催中。来年二月から福岡で開催予定です。名古屋展では一部愛知県の民芸品等を新たに加えていました。

 私は昨年 最初の大阪中之島美術館で観てきて今回2回目ですが、名古屋展では10月5日(土)に本展監修者である森谷美保さんの講演を聴きましたが、柳宗悦が説いた民藝の思想をはじめ、柳や民藝運動の同人たちが着目した暮らしのなかの美への眼差し、白樺派や更には吉田璋也や、式場隆三郎などについても触れておられ、名古屋開催ということで愛知周辺の民藝品なども、出品作にまつわるエピソードや解説など幅広く、面としてあまり私情を入れず客観的にうまく説明されていてとてもすばらしい講演でした。

 これについては、本展覧会を最初からきちんと見ていただければご理解いただけると思います。

 展示されている作品の大部分は今までに何度も目にしているものであったり、その一部は私も所持していますが、今回の展覧会は、民藝のことをあまりご存知ない方も、民藝の全容がわかるようになっているとてもわかりやすい展覧会です。

 日本の大きな文化革命とも言える、民芸、民芸運動の全容をこの機会に観じていただけたらと思います。

(写真は総合展示以外全て撮影禁止でしたから、HPより拝借して載せました。)

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レジュメ

約100年前に思想家・柳宗悦が説いた民衆的工藝、「民藝」。日々の生活のなかにある美を慈しみ、素材や作り手に思いを寄せる、この「民藝」のコンセプトはいま改めて必要とされ、私たちの暮らしに身近なものとなりつつあります。本展では、民藝について「衣・食・住」をテーマにひも解き、暮らしで用いられてきた美しい民藝の品々約150件を展示します。また、いまに続く民藝の産地を訪ね、そこで働く作り手と、受け継がれている手仕事も紹介します。 さらには、2022年夏までセレクトショップBEAMSのディレクターとして長く活躍し、現在の民藝ブームに大きな役割を果たしてきたテリー・エリス/北村恵子(MOGI Folk Artディレクター)による、現代のライフスタイルと民藝を融合したインスタレーションも見どころのひとつとなるでしょう。 柳が説いた生活のなかの美、民藝とは何か─そのひろがりと今、そしてこれからを展望する展覧会です。

 

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 日常的に使われている手仕事の日用品に美しさを見出した「民藝」。約100年前、思想家の柳宗悦によって提唱された「民藝」とは何なのか、その広がりと現在、そしてこれからを展望する展覧会

 「民藝」という言葉は、1926年に柳宗悦が陶芸家の富本憲吉、河井寬次郎、濱田庄司との連名で発表した「日本民藝美術館設立趣意書」において初めて用いられました。日本各地を巡って民藝を見出した宗悦は、1936年に収集した品々を展示するために日本民藝館が開設します。

第I章では、日本民藝館が開館5周年の際に開催した「生活展」でのテーブルコーディネートの再現を試み、宗悦が説いた生活のなかの“用の美”を紹介します。

第Ⅱ章では、宗悦が収集した民藝の品々を「衣」「食」「住」の3つの視点で紹介していきます。

「衣」では、四季折々の気候に合わせ、各地域で独自に発展してきた着物や傘などの小物を展示。暑さ寒さに対応できる機能性だけでなく、文様や配色など見た目の美しさにも配慮されています。

 宗悦が説いた民藝美を最もよく表しているのが、日々の食事で用いられる器です。日本だけでなく、朝鮮半島やヨーロッパなど各地で作られた器は、地域の特性から生まれた素材を用い、形や文様に工夫を凝らしたものが存在します。

 宗悦は、縄や紐などを押し付けて文様を施した、日本の食文化の原点とも言える縄文土器にも着目しました。大小の渦巻きを主文様に、細かい線の模様が刻まれた絶妙なバランスで自立するこの土器は、日本民藝館の優品です。

民藝運動の広がりは柳宗悦の没後にもみられます。濱田庄司が芹沢銈介、外村吉之介とともに1972年に刊行した「世界の民芸」では欧州各国、南米、アフリカなど、世界各地の品物を紹介しています。

2階の会場、第Ⅲ章では、民藝に新たな扉を開いたプリミティプな魅力に溢れた品々が並びます。

 戦後には、日本のものづくりは機械生産が主流となりましたが、手仕事を続ける産地や、失われた手わざの復活を試みる職人も登場します。会場では、「小鹿田焼」「丹波布」「鳥越竹細工」「八尾和紙」「倉敷ガラス」の5つに焦点を当て、現在までも続く民藝の産地とそこで働く人々も紹介します。

名古屋市美術館

特別展

民藝 MINGEI-美は暮らしのなかにある

会期

2024年10月5日(土)~12月22日(日)