人の微笑みの裏に全ての生物の嘆きが | foo-d 風土

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自然や芸術 食など美を 遊び心で真剣に

蕎麦懐石の予約をいただくと、いつも3週間ほど前から野山に食べられる花や木の実などの自然の幸を探しに何度も出かけます。

 今月も晴れ間を見つけては探しに出かけていますが、例年なら実っているはずの木の実や、咲いているはずの山の花が咲いていません、見つけてもごくわずか。あまりにも僅かなので、可哀そうで採らないで帰ります。

 今年の寒さや暑さの異常さは昨年や今まで以上に野山の木々に多大な影響を与えているのです。

 200本以上ある恵那峡の桜も花は咲きましたが、全く実がなっていません。辛うじて実をつけたのはわずか2、3本。たったの1%です。 その実をつけた木も実る前に皆落ちてしまっていました。

 梅、スモモ、桃、サクランボ、グミ、ザクロも大凶作で実がならないか成ってもごくわずか。

木々も実をつけるには多大な栄養分が必要ですが、この異常気象で自分の体を守るために実をつけることを諦めたのです。

 大切な子供達を産むことができない木々は声なき声で泣いていることでしょう。

そして、それらを食べていた熊や猪、鹿、その他多くの山の動物たちは食べるものがなくなっています。これからもっと大変。

 熊が町や人家周りに出没しするニュースがありますが、山の食べ物が少なすぎてでてくるのでしょう。 彼らもかわいそう。

原因は全て人間です。

 

わずかに身をつけた梅

 

 

 

それに輪をかけて、山や原野までソーラー施設にしてもっと自然の生き物の生きる場所を奪っています。

 我々人間も地球に生存する生物の一つでしかありません。

 彼らの生存権を蹂躙することがあってはなりません。

もう一度地球環境の安定化に努め、全ての生物の生活圏を確保しながら人は生きていくべきです。

 遠くから見ていると美しい野山なのですが、実際になんども歩いていますと、人の微笑みの裏に全ての生物の嘆きが感じられてなりません。