4月に出雲に行った目的
1、酒をたしなむ者として、酒発祥の神社 佐香神社(さかじんじゃ)へお詣りする事。
神代の時代、出雲族は大和族に国譲りをしたため、松尾神社などばかり目立ちますが、佐香神社の主祭神:久斯神(くすのかみ)がとても重要です。
2、旧暦10月神無月の時、日本中の神様が出雲に集まられますが、その神々が最初に上陸される稲佐の浜と、お帰りになる時に全員集まり別れの宴(直会(なおらい))をされる万九千(まんくせん)神社の参拝。
旧暦10月10日の夜、海の向こうから集まってこられる神様たちを、出雲大社の西1kmほどにある稲佐(いなさ)の浜でお迎えするのが「神迎神事」です。
出雲大社境内の神楽殿でも「神迎祭」が行われ、これが終わると、神々は出雲大社境内の十九社(じゅうくしゃ)という宿で鎮まられるとされています。
神在月26日から翌未明にかけて諸国へとお旅立ち(神等去出=からさで)なさりますが、その前に、八百万の神々が万九千(まんくせん)神社に集まられ神宴(直会=なおらい)を催したのち、神在月26日から翌未明にかけて諸国へとお旅立ち(神等去出=からさで)なさるとされています。
3、出雲大社と 出雲の地産地消 美味しい地物の満喫です。
最初の夜は洋食。マーレ ドラートでイタリアンを 次の夜は和食。 鮮魚の美味しい吉田屋へ
お昼は出雲そばです。
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さて、最初の目的 酒発祥の神社 佐香神社(さかじんじゃ)ですが、
出雲市駅から車で30分弱 郊外の鄙びた農村の小高い山にありました。
桜の
鳥居の前に立つと、松尾神社の鳥居が建っています。そして、それより小さな鳥居が後ろにあり、それは佐香神社と書かれた鳥居でした。
現代においても征服民の圧力が生きているとは、驚きというより何か恐怖すらおぼえます。
ここまでは観光客もあまり来ないようで、2組しかいませんでした。
様々楽しませていただいている日本酒に感謝と共に、今後さらに美味い酒に巡り合えることを祈ってきました。
日本のお酒の話
米を使ったお酒のはじまり
諸説ありますが、日本の稲作は縄文晩期(約2600年前)に中国から九州北部に伝わったという説があり、弥生時代には日本酒のルーツとなる「どぶろく」のような酒が飲まれていたと考えられています。
日本に酒というものが存在したことを示す最古の記録は、中国で3世紀(280年)に書かれた「三国志」中の「魏志倭人伝」で、倭人が「人性嗜酒(さけをたしなむ)」と評しており、喪に当たっては弔問客が「歌舞飲酒」をする風習があると書かれています。
日本に伝存する最古の正史「日本書紀」には、スサノオノミコトが出雲国の肥河(島根県斐伊川)で箸が流れてきたのでその川を上ると、美しい娘、櫛名田比(くしなだひめ)を間に老夫婦が泣いていた。八岐大蛇(やまたのおろち)が娘を攫っていくという。スサノオノミコトは八岐大蛇を倒すために「八塩折之酒(やしおりのさけ)」を作らせて、吞ませ退治したというお話があります
この神話に出てくる「八塩折之酒(やしおりのさけ)」は、古事記や日本書紀に登場しますが、神話に残る「日本で最初に造られたお酒」です。
それでは、日本最古の酒造場といえば、どこにあったかご存知でしょうか?
それはやはり出雲。
島根県出雲市にある佐香神社(さかじんじゃ)と言われます。
733年に完成した出雲国風土記に「佐香の河内に百八十神等集い坐して、御厨立て給ひて、酒醸(さかかも)させ給ひき。即ち百八十日さかみずきして解散け坐しき。故、佐香と云う
(佐香の河内に多くの神々が集まって煮炊きする調理場を建てて、酒を造って百八十日にわたり酒宴を開いて解散した。そこで酒みずき(酒宴)のさかによって佐香という」とあり、酒造り発祥の地とされています。)」
とあり、佐香神社は酒造りの神様として祀られています。
「さかもり(酒盛り)」の「さか」で酒の語源となる場所ですね。
主祭神:久斯神(くすのかみ)、大山咋命
配神:天津彦彦火瓊瓊杵命、木花咲耶比売命、百八十神(ももやそがみ)
久斯神は酒の神のことであり、少彦名神の別名ともされる。大山咋命は京都の松尾大社からの勧請である。また配神の木花咲耶比売命も酒造に関係のある神である。
久斯之神(くしのかみ)ですが、酒は薬ともされていましたし、百薬の長というように、「久斯=くすり=さけの意味で酒から酒の神と呼ばれたのでしょう。
この佐香神社、現在も酒造場として、毎年10月13日の例大祭のためだけに
1石(180ℓ)限定の酒造免許を受けていて、宮司が杜氏を務めて濁酒を醸し神様へ奉納するとともに、参拝客にも振舞われます。
佐香神社(松尾神社)
さかじんじゃ(まつおじんじゃ)
住所
出雲市小境町108
余話
出雲風土記と同じ頃に書かれた「大隅国風土記」と「播磨国風土記」には、「口噛みノ酒(くちかみのさけ)」と「カビ(麹)の酒」が登場します。
清酒発祥の地は奈良。
室町時代末期1450年ごろの菩提山正暦寺発祥の菩提酛(または水酛)という酒母(=酛)造りの手法が開発され、速醸酛や生酛系酒母の原型で、これを元に清酒を作ります。
現代において酒の神として多くの醸造家から尊崇されているのは、特に、
松尾大社(京都市西京区)、
梅宮神社(京都市右京区)
大神神社(おおみわじんじゃ、奈良県)、の3社ですが、このうち松尾大社と梅宮神社には5月中にお参りする予定です。