とこわか「里山美食倶楽部」 2024/1/31 | foo-d 風土

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自然や芸術 食など美を 遊び心で真剣に

 

 (自分への備忘録として書いた、きつめの感想です、長文なので3回ぐらいに分けようと思いましたが、そのまま載せます。)

 


「ジビエと東美濃地酒の会」へ参加してきました。


 岐阜県中津川駅から車で30分 木の町 付知町にある「とこわか」の早川さんが新たに始められる「身土不二」「地産地消」で地元食材やそれに因んだ食材のみを使ったジビエ専門店「里山美食倶楽部」の杮落しで、Personal Sommelier パーソナル・ソムリエ兼国際唎酒師 石田陽介氏の選定による東美濃地酒をペアリングする会です。

 

 岐阜県の東美濃(恵那、中津川、瑞浪、土岐、多治見、御嶽、可児等)には11の日本酒醸造場があり、私も一応名前だけは唎酒師なので(全く不勉強ですが)、地元の酒を知っておきたいと、試飲会など機会を設けては毎年極力試飲をするようにしています。

 昔から続く小さな蔵が多く、各蔵共、大河 木曽川水系の綺麗め軟水の伏流水を使われていて、全体的に優しくこの地方らしくおとなしく飲みやすい酒となっています。そのかわり、強い酸味や強い旨みや苦味などの特徴が出難い地方です。

 私も何度かペアリングにチャレンジしようと思いましたが、この優しい飲みやすさ故に、辛味、脂味、酸味、甘味など様々異なるコース料理にそれぞれペアリングするということがとても難しく、まだできていません。

  石田陽介氏は、この難題をどのように解決されて料理に合わせられるのだろうと思い参加してみました。

 とても楽しみ。

 ですから、今回はいつもと違い、料理よりお酒をメインに書いてみようと思います。

 

さて、自宅から車で40分、とこわかさんに到着。

おおきな暖簾をくぐり、お店の更にその奥にある あたらしい食事処 「里山美食倶楽部」へ。

 

 出来立ての白木に鹿角のドアノブが野趣を現しています。

テーブルセッティングされた長テーブルに10人の客が着席しました。

 

  日本には季節を象徴する味があり、春は苦味。夏は酸味。秋は辛味。冬は厚味(厚味とは脂肪や味がこってりしていて、体が温まるもの)。

 今回の料理は冬の「厚味」と春を象徴する味「苦味」が共に供されることでしょう。

 

 

 お品書きは、お酒だけは銘柄だけの簡単なリストがありましたが、料理のものはなく、ちょっと残念。


 料理とお酒について、早川さんと石田さんがその都度話されて進んでいきますが、食べている最中は聞き漏らす事が多く大変。


今回出されるお酒のリスト


1、美濃天狗 純米活性にごり 「美濃のつらら酒」 林酒造

2、笠置鶴 上撰 大橋酒造

3、鯨波 純米吟醸 無濾過生 恵那醸造

4、オリジナルカクテル 「深く温かい森」

 ふかもり純米吟醸 山内酒造場、カモシカシロップ


5、生姜と市川製茶のほうじ茶

6、恵那山 純米吟醸 ひだほまれ はざま酒造

7、小左衛門 5年古酒 中島釀造

8、岩村醸造 Lady of Castle 9年古酒


 

 さあ書かれているこのお酒の順番でどのように料理が出されるのでしょう。

  料理とお酒について、早川さんと石田さんがその都度話されて進んでいくのですが、食べている最中は聞き漏らす事が多く大変。


  …………………………


さあ 開宴です

 「里山美食倶楽部」亭主の早川さんと、国際唎酒師の石田陽介さんの挨拶があり、 さあ開催です。


一、鹿肉の煮凝り

鹿レバーペースト 萱の実 冬の芹(セリ)

 

ちょっと地味な盛り付け

味は少しフレンチ風イメージ

 美味しい。

 

鹿レバーペーストの上に載っている萱(かや)の実は独特の苦味があり、これが萱の実らしさですが、この苦味の元の黒い薄皮が取り去ってあるので、優しくなって食べやすくしてあり、何も言わないと気が付かずに食べられてしまいそう。多少一般向きではないかもしれませんが、最初の料理の一口なので薄皮を半分位残して独特の苦味を感じさせた方が面白いかなっと思いました。

 

 綺麗めの味のレバーペーストに冬芹を合わせると、その新鮮な苦味が生きている。

   煮凝りも春を象徴する味「苦味」が乗っていい感じ 

       おいしい料理です。

 

 ペアリングは、

⚫︎美濃天狗 純米活性にごり 「美濃のつらら酒」 林酒造

 

スパークリングワインと同じ瓶内で二次醗酵でシュワシュワのガスがさわやかな軽い微発泡性のやや辛口のスパークリング日本酒

いい感じでお料理に合っています。 国際唎酒師 石田陽介氏の選定の素晴らしさですね。

 

この林酒造は最近結構面白い酒を出すのでちょっと気になっている醸造元です。

 

 

 

二、合鴨とイクチの煮物

 合鴨の甘味とイクチの柔らかい旨みが美味しい。特に生口の旨みが鴨の脂を吸って更に美味しくいい味で食感も素晴らしくうまい。

 

 ⚫︎ペアリングは、

 笠置鶴 上撰 大橋酒造

 大橋酒造は30年以上前、桐箱入りの「幻の酒 笠置鶴」というのが、とても上品で優しい美味さだったので、それだけは買って飲んでいました。

しかしその後、杜氏が変わってから同じ名前のものは販売されているのですが、味が変わってしまい、それ以来大橋酒造のお酒は飲まなくなりました。

 その笠置鶴、普段飲まない酒だし、また、普段口にしない普通酒なので、大丈夫かな?っと思っていたら、これが温燗(ぬるかん)で出された。

 (日本酒とは、本来、米と米麹で作られるもので、精米歩合なども決められているものは「特定名称酒」とよばれ、特定名称酒の基準を満たさない精米歩合や原料、醸造法の規定なしで中には甘味料やアミノ酸まではいった清酒が「普通酒」と呼ばれます)

 

驚き! 

雑味もなく温燗でいい酸味とやさしい甘さがあり、合鴨といい感じで絡まって中々良かった、これは良い。普通酒でこれだけの味を出している大橋酒造を見直しました。(笠置鶴は吟醸などよりこれの方が魅力がありそうだ。)

こういうものを見つけられた石田氏は流石、素晴らしいですね。

 

 

 

三、 天魚と湯葉

 味付けは京風というより、ほんの少し山国の味 付知風

 

 ⚫︎ペアリングは、東濃の王道とも言える

 鯨波 純米吟醸 無濾過生 恵那醸造

流石、国際唎酒師 石田陽介氏抑える酒は分かっておられる。

 いかにも東濃の田舎の住民という感じの味で、コクも香りも軽い酸味もバランスよく、人の良いどっしりとした感じのお酒。

 東濃でお酒を飲む時に迷ったらこれを飲めば良いと言える位定番の 安定した旨みの酒です。

 

 

 使い勝手が良く、濃いめの料理にも合わせやすいので、天魚にこれを使ってしまうには後の料理の時に困らないかな?っと思ってしまう。

 

 

四、 土鍋に穴熊の煮もの

 今まで四つ足は熊、ヒグマ、鹿、蝦夷鹿、猿、山羊、羊などさまざま食べたが、穴熊は初めてですが、

アクをしっかり引いてあるのでしょうアナグマの独特な臭みというようなものはなく食べやすい結構美味しい鍋でした。

 穴熊らしさがどういうものかはわかりませんが、山国で食べるのだからほんの少し穴熊らしさを残されても良かったかもしれません。

 

 ⚫︎ペアリングは、

 オリジナルカクテル 「深く温かい森」

 (ふかもり純米吟醸+カモシカシロップ)

山内酒造場のふかもり純米吟醸をベースにこのシロップをミックスしたカクテルです。

 カクテルを飲んでみると、日本酒の「ふかもり」の味は消えるが、ハーブの面白さがアナグマの野趣の富んだ味を包み込む。

このシロップを探し使われたのは流石ソムリエだっとおもわせるが、やはりこの甘味が邪魔。これさえなければいいカクテルなのにと思ってしまう。

 

 カモシカシロップはなかなかユニーク。

 ラベルを見ると、長野県軽井沢に生えているカラマツ、アカマツ、モミ、アブラチャン、ヒノキなどの木を蒸留・加工したしたエキスにグラニュー糖・酸味料を加えた新感覚飲料で、水や炭酸で割って飲む様に書かれています。

 中々面白い味。

以前私は日本酒にマタタビを漬けて数年間寝かせたことがありますが、これにも似たハーブ感があります。

 複雑で結構良いシロップですが、残念なのはグラニュー糖。シロップとして販売しているのだから仕方ないのだが、この甘味が表に出過ぎだ。

 僕がこのシロップを作り甘味をつけるのなら、こういう時こそ、同じ木の仲間の樹液から作られたメープルシロップ以外は考えられない。

そして軽く加えるだろう。

また、木の町付知町の、身土不二 地産地消であれば、付知町名産の檜やカラマツ、アカマツなど様々な木の樹液や木の味が使えると思う。

 

例えば、桂の葉

 「香りが出る」=香出(かづ)る」が名前の由来という説もあるくらい甘い香りのある桂の葉で、

 他の季節では香らないのに、秋に桂の木の側を通ると、心形(ハート形)の落ち葉からキャラメルや綿菓子のような甘く香ばしい香りがします。

これはカツラの葉に含まれるマルトールという香気成分によりますが、この香りは新鮮な葉からはせず、落葉して乾燥した葉から放出されます。

この甘い匂いの主成分はマルトールで(マルトース(麦芽糖)を加熱すると生成されること),砂糖を含む菓子等の製造過程でも生成される物質です。

この桂は、独特の香り、甘味を助ける働きがあり多くの食品に添加されているようです。桂ばかりでなくかなり多くの植物に含まれており、モミを含む針葉樹にも含まれていることが報告されています。

こういうものを付知の山から見つけてきて、天然のシロップを作って使えば最高だろうと思う。

 

 

五、ホイル包み焼き

   寒中筍 菜花

脂ものが続いたので、ここで春の装いで軽い感じへ

 蒸し焼きなので筍も菜花も香りよく 美味しい

 

 ⚫︎ペアリングは

生姜と市川製茶のほうじ茶

 茎や葉など5種類の部位を別々に焙煎したお茶

口腔がさっぱりとしてくるし、これがなかなか美味しい。

 流石 市川製茶である。

 

  市川製茶のほうじ茶は、私も炭酸に一晩漬けてカクテルを作り、「物語のある料理『野の花料理・恵那の野山の 蕎麦懐石』」で、お客様にお出ししたことがありますが、雰囲気がちょっと変わって箸休めの役をこなして良い感じでした。

 

 

六、下野(中津川市下野)で獲れた猪ウリ坊 焼きネギ

   ウリ坊とは猪の子供で、臭みもなく肉がとても柔らかくて美味しく、私の大好きな肉。しかし、猪を食べるならうり坊が良いですが、中々手に入りません。 ウリ坊が出されるだけで嬉しくなる。

 

 

 ⚫︎ペアリングは

 恵那山 純米吟醸 ひだほまれ はさま酒造

 ひだほまれ100%精米歩合:50%使用酵母:非公開 日本酒度:非公開 酸度:非公開アルコール度数: 16度

はさま酒造は、旧中山道の中津川宿の中心地で酒造りを200年以上おこなってきた醸造元。経営が変わり最近は地酒というより地域性を感じさせない今風の軽い飲みやすい酒中心に変わっています。美味しいのですが、僕みたいに何か特徴のあるちょっとかわった酒を求めるものには遠い存在です。

 

(現代の恵那山は「十四代」で修業した「東洋美人」の若当主、澄川氏が醸造コンサルタントを務められているそうですから、今風の酒になるのがあたりまえですね)
この恵那山 純米吟醸 ひだほまれ 果実感の香り。米の甘みの中にバナナ、メロンなどの甘味と酸味、かすかな苦味が軽やかで、なかなか良い酒ですが、多くの醸造元で作られている感じの酒に仕上がっています。

 

品質表示をネット検索してみましたら、案の定、使用酵母:非公開 日本酒度:非公開 酸度:非公開と、非公開が多すぎ。

 まだまだ多くの醸造元で非公開はありますが、隠さねばならない弱みがあるのでしょうか?。この程度後悔しても同じものは絶対に作れないのはプロならばわかること。

本気で自分の酒に自信があるのなら、真似ができるものなら真似してみよと、公開すれば良いのにと よく思います。

 秋鹿などの素晴らしい醸造元は、昔から堂々と使用酵母、日本酒度、酸度、アミノ酸度、もろみ日数まで公開して売られていますが、びくともしません。

 

 そこまでは無理なら、せめて日本酒度・酸度くらいは公開すべきです。この変な秘密主義が味も何もわからないまま販売するという現状であり、日本酒業界全体の首を占めている。全てを公開し、日本中の醸造酒が切磋琢磨して競争すれば全世界に強く売り出すこともできるのにね。

 

今回の恵那山 純米吟醸 ひだほまれは、きれいな味で飲みやすいですが、合わせた料理の猪肉は、瓜坊でも脂がありコッテリ系なので、もっと旨味や酸味のあるお酒の方が合わせやすいのではないかと思います。先ほどの鯨波 純米吟醸 無濾過生の方が私は合うと思いますが先ほど使っていますから 瑞浪市の創業 元禄年間の若葉株式会社の「若葉  純米吟醸 備前雄町」辺りをぬる燗で出したらどうでしょう。

 (雄町米の酒はふくよかな米の味に酸味や厚みのある旨みを出す味になります。)

(ただ、若葉  純米吟醸 備前雄町は今のものは飲んでいませんから多少味が違うかもしれません)

 

 

 覗きに入ったお野菜

  覗きは中が緑釉で、表の麦わら手の金と緑釉がいい感じ。袴も見事。

 

七、うなぎ

地元の天然うなぎ

 おいしい。

 

 

⚫︎ペアリングは

小左衛門 5年古酒 中島醸造

 いい酒ですが、もっと寝かせば更に美味しくなりますね。

 

  余談ですが、私は日本酒を数年~数十年寝かして熟成させて飲むのが好きで、小左衛門は、平成23BY(2011年)の山廃仕込み 本醸造 無濾過生原酒が、これは寝かせば化けるだろうと、数本購入し、自宅で13年寝かせていますが、これは私の熟成酒の中でも変態で、凄いです。
私が寝かせているものは古酒臭や色などがあまり出ない綺麗なまま熟成するものが多いのですが、これだけは、紹興酒とブランデーを足したような甘く深く角の取れた苦味風の味になっていて、まったりと濃厚でどんな日本酒にも負けない深い味。サーロインステーキでも合わせられるくらいの味わいになっています。また、先日もフレンチレストランに持参して、フランスのマダムビュルゴーの世界一のシャラン鴨にもあわせたり、サーロインステーキにも合わせましたが、負けていない良い感じでした。 

 

 古酒の奥深さ美味しさを大部分の日本人があまりにも知らないですが、日本酒は熟成させれば大多数のものが美味しくなります。

 日本中の酒蔵が、古酒をもう一度本格的に作るようになれば、日本酒の味の幅は更に広がり海外にも輪が広がると思います。

 

 

 

そろそろ外の釜のご飯も炊き上がりました。

 

八、竈門炊きごはん 猪

 地元のお米と清らかな水で 外の竈門(かまど)で薪で炊き上げた

 できたてのご飯


子供の頃、自分で米を研ぎ、羽釜で炊いたご飯を食べていましたし、


もうこれだけで美味しいご飯だということがわかります。

これだけでお客様を呼べますね。


ご飯にこだわる日本料理店は竈門と羽釜で炊いて出すのが当たり前ですね。


 椀は鯨波の酒粕を使った猪汁

粕汁は

色でわかるようにそれほど白っぽくはなく酒粕の味もやさしくさらっとした上品なとてもおいしい粕汁でした。

付知で食べるというよりちょっと京風の上手な味です。こういうのは早川さんは上手ですね。

 酒粕も細かい布でしっかり絞った板粕なのだろう、あまり酒の香りも出ないものでしょう。上品に仕上げるためにこうされたのでしょうが、せっかく山奥の付知で食べるのであれば、もう少し荒絞りの酒粕を使い、少し濃くした粕汁に、薄切りの猪肉をさっと湯通して椀の上に乗せて出せばどうだろう。野趣が出ながら、うまい猪肉の余韻も残り、晩餐の締めには一番だと思う。 最後の料理なのだからこれくらいして強い印象で帰っていただく方が良いような気がします。

 

 ⚫︎ペアリングは

⚫︎Lady of Castle 9年古酒 岩村醸造

 

私は古酒が大好きで自分でも押し入れや冷蔵庫などで20種類以上の酒を5年から最大20年寝かせて楽しんでいますが、

9年古酒がだされたので、長い年月で綺麗に角が取れて年を経た優しい旨みになっていることだろうと、随分期待していたのですが、古酒にしてはスリムスタイルの味で飲みやすいのですがこれならあと5年以上ねかせたものが飲みたいなっと思いました。

 

 

九、デザート

日本酒の鯨波を入れたチョコ

 アイスクリーム ベニハルカとリンゴの焼き

 美味しいデザートでした。

 

 

ご馳走様

  お腹いっぱい

 

 …………………………

 

今回のお値段は地酒の飲み物込みで26000円 料理だけだと20000円位というところでしょうか。

その設定で見てきましたが、

 

 食とはあらゆる芸術を包含した総合芸術。

 視覚.聴覚..嗅覚味覚.触覚 五感の全てを使って表現する芸術は食だけしかありません。         

 「目で食べて 料理の音で食べて 香りで食べて 触れて 味わう」この全てが調和して更に美味しくなりますが、味覚だけでなく、最初の視覚は特に重要。

 

 どの料理も心を込めて作られていて、手が入っていてとても美味しいものでした。

この山奥の付知町でこういう素晴らしいランクの料理が食べられるのはいいですね。

 日本の一流料亭の味で、素晴らしい料理ですが、卒なく とてもうまくまとめられていてとても美味しい。これ以上のものはないかもしれません。

 

しかし 辛口で申しますと

 本当に美味しかったのですが、

今回は、どの料理の器も盛り付けも、よく考えてあり、質実剛健ともいうか、こじんまりまとまり、すっぱりすっきりと小気味良くまとまっていて、一つの世界が作られていて、いい感じ。

 これはこれでいい世界ですが、値段的には、付知らしさの演出でまず感動させ、器でももっと楽しませても良いのではとおもいました。

 

この綺麗にまとまった美味しい料理  付知町に行かなくても 名古屋や東京でちょっと良い気の利いた小料理屋さんとして出されたらすごく流行ると思いました。

 

 身土不二で名古屋から2時間はかかる岐阜の山奥まで客を呼び たべさせるのなら、そこに行きたいと思わせる「何か」日常とは違う山奥らしい野趣を入れられた方が良いのではないかと思いました。

 

 

私の大好きなお店が京都にあります。

 京都市内から細い山道を車で2時間ほどの山奥の花背の里に世界のグルメが行きたがる摘草料理の美山荘。

 京都市内には美山荘の弟さんのお店で、これも予約の取れない世界的に有名な摘草料理「なかひがし」。

どちらも地元のものを大切にした身土不二の世界。

 どちらも とても美味しく、両方とも数年に一度はお邪魔していますが、「なかひがし」の良さは京都市内という便利なところにあって大地に根ざした食が食べられるというすばらしさ。

 

 一方、京都市内から2時間もかかる辺鄙な美山荘へなぜ人は行くのかというと、行かなければ得られない素晴らしさがあるからです。

 細い山道をどんどん奥の方へ走り見渡すところ全て山。緑の花背の里

 もうこれだけでも満足してしまいそうなのに、佇まいから調度品、料理全てに花背の自然にしっくりと馴染んだ最高の料理が供されます。

自然と一体化した屋敷 佇まい 調度品から器に至るまでしっぽりと花背の自然にあるような優雅なひと時。この中でおいしい「つみ草料理」をいただくしあわせ。 だから人は行きたがるのです。

 

 もしも、こんなお店が岐阜県の山里の付知にあれば東京のグルメもニューヨークのグルメも行きたいと思うでしょう

 

とこわかさんの新しいチャレンジ ぜひ成功して世界中から客が来るような素晴らしいお店になって欲しいと思います。

 

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日時:1月31日(水)午後6時30分〜9時30分

会場:上見屋  とこわか 「里山美食倶楽部」

 中津川市付知町中広屋6955-8

  17:50に中津川駅から送迎有り

会費:26,000円(税サ込)

定員:限定10名