正月二日
遠くの被災
思いつつ
擬宝珠(ぎぼし)の彼方
陽は西方(さいほう)へ
〈恵那峡 夕景〉
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西方浄土
人間界から十万億土離れた西のかなたにあるという、煩悩の無い極楽浄土
擬宝珠
擬宝珠は高欄(欄干)の柱の頂部にある装飾品ですが、高欄(欄干)の柱の頂部を腐食から守る役割をもっています。
起源は諸説あり、宝珠は釈迦の骨壺(舎利壺)の形とも、龍神の頭の中から出てきた霊妙なもので、毒に侵されず火にも燃えない珠のこととも言われ、地蔵菩薩などの仏像が手のひらに乗せているものであり、この宝珠を模した形から模擬の宝珠という意味で擬宝珠とつけられました。
もう一つは、擬宝珠という用字は葱帽子、葱坊主に後から付けられた当て字ネギのもつ独特の臭気が魔除けにもなると信じられ、その力にあやかって使われるようになったとする説もあります。