2023年の立春は2月4日からですから、その前日、2月3日が春の節分ですね。
節分というと最近は豆まきよりも恵方巻きの方が有名ですが、恵方巻きの起源はいくつもの説があり、その一つに江戸時代末期から明治時代初期にかけて、大阪・船場の商人による商売繁盛の祈願事としてはじまったようです。
その後、恵方巻きは一反廃れましたが、1973年から大阪海苔問屋協同組合が、海苔を使用する巻き寿司販促キャンペーンを始め、大阪市で海苔店経営者等がオイルショック後の海苔の需要拡大を狙い、海苔巻きの早食い競争をはじめ、復活することとなりました。
この道頓堀のイベントがマスコミに取り上げられて関西に広がり、その後コンビニのファミリーマートが先駆けとなり販売されるようになって全国に広がったようです。
節分とは直接関係ないのにうまく商人に乗せられていますね。
太巻きをを切らないでそのまま大きな口を開けてかぶりつくという ちょっと下品で人にはあまり見られたくない食べ方ですが、
私が生まれ育った頃は、大きな食べ物を直接かぶりつくと、親に「はしたない・みっともない」などと言われて怒られました。また、瓶入りジュースやコカコーラも直接飲むと怒られたものでしたが、おそらく、1971年に銀座三越1Fにマクドナルド第1号点が開店して、ハンバーガーにかぶりつくスタイルが話題になった頃から徐々にこの喰らいつく下品な食べ方が普通に広まったのでないかと思われます。
今では美しいタレントが瓶で飲むCMは当たり前ですが、やはりなんか… 少し… しっくりこないです。
と言ってももう私もそうやって飲んでいますけど。
ところで、このオープンした頃のマクドナルドは食材が良かったのでしょうね、バンズも美味しく、すべてが美味しく銀座に行くと歩行者天国でよく食べていました。しかし、店舗展開がふえるたびにおいしくなくなっていき、もう25年以上も食べていません。
恵方巻きを大口でたべるのは笑ってすませても、毎年その売れ残りの大量廃棄が話題になるという笑えない事実も持っています。
さて、私の実家の節分行事は 柊鰯(やいかがし)を表門と裏門に挿してから始まります。
柊鰯(やいかがし・ひいらぎいわし)
みなさんご存知のように、節分は立春・立夏・立秋・立冬の分け目のことで、特に冬(大晦日)から立春の節分は新しい年に変わるとても重要な分け目ですね。
季節の節目には、その節目の隙間から災いが訪れると言われており、それを防ぐために、この節分に魔よけとして柊鰯を飾ります。
柊は、棘の痛さで鬼を追い払うため、いわしの頭はその臭気で鬼を寄せ付けないようにするためと言われています。
私のところは柊鰯を「やいかがし」と言いますが、別の言い方のところもあると思います。
鰯を焼くと臭いが更にでることから、『焼き嗅がし』が転じて『やいかがし』となったとも言われます。
ところで、ことわざの『鰯の頭も信心から』もこの柊鰯から始まりました。
信仰心の不思議さを皮肉っぽく述べたものですが、いわしの頭のようなあまり役に立たないものでも、それを信じる人には何よりも大切なものであるということで、それほど信じる力は大きいということを示しています。また、何でもなさそうなものを信じる人を揶揄するときにも使われますね。
このことわざは、江戸時代刊行の俳諧の基本文献『毛吹草(けふきぐさ)』(1645年)に「いわしのかしらもしんじんから」と出てきているそうで、このことわざも古くから使われていたのですね。
さて、この柊鰯(ひいらぎいわし)はいつ頃から始まったのかの確かな資料はまだ出ていなくて判らないそうですが、「柊」だけなら、奈良時代初期編纂の『古事記(711年)』に、ヤマトタケルの東征に『比比羅木之八尋矛(ひひらぎのやほこのほこ)』柊の木で作った八尋の矛(ほこ)というのが出てきます。しかし、矛(ほこ)とは両刃の剣のことですから木で作った剣など武器にはなりません。これは鋭い棘の葉を持っている柊の霊を矛に托してヒイラギで出来た矛を持っている人物は霊力を授けられるとしたのでしょう。
おそらく、まだ言葉もなかった太古の昔、柊の木はその鋭い棘の葉に触れると痛いので動物が避ける事から、動物避けの場所に使っていて、鬼や邪も避けると思われるようになったのだろうとおもいます。
2000年以上もしきたりが続いているって凄い事ですね。
現代でも、魔除けとして敷地の角々に植えられている家を見かけますが、私も恵那市に家を建てた時には裏角に柊を植えました。
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ちょっと横道
「柊」という漢字は木偏に「冬」ですね。節分(大晦日)との関係からか、冬を代表する木とされていることがわかりますが、晩秋~初冬にかけて花をつけることから、「木」と「冬」を組み合わせて「柊」になったといわれています。まるで粉雪がパラパラっと降りたような小さくかわいい花です。
百人一首の11番「わたの原八十島かけて漕ぎ出でぬと人には告げよ海人の釣舟」の作者 小野篁の『小野篁歌字尽』という本では、季節を代表する木として詠っていますが
春椿(つばき)
夏は榎(えのき)に
秋楸(ひさぎ)
冬は柊(ひいらぎ)
同じくは桐(きり)
ここでも柊は冬を代表する木として使っています。
節分は柊鰯を飾ったあとは豆まきですが、次回、私の実家でのちょっと変わった節分風景を書きましょう。

