ざる蕎麦・せと(飛騨高山) 2022.12.20 | foo-d 風土

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最高の蕎麦を求めて蕎麦行脚

恵那から170km 車で2時間強

「ざる蕎麦・せと」は、国道41号線に面した大きな店だった。

駐車場も広く、国道沿いの大衆蕎麦屋という感じだが、味は大丈夫だろうか?ちょっと不安。

お品書きを拝見

すごいこだわりのそば屋だった。

ビックリと同時に半信半疑 こんな大衆蕎麦屋なのに居抜きで始めた感じだ。

 

『「ソバの品種を食べ比べる」

   これが私の主張であります。

 米に、コシヒカリやひとめぼれがあるように、ソバにも300種類以上の品種があるという。

米に、魚沼産コシヒカリや飛騨コシヒカリといった地域自慢があるように、同じ品種であっても、産地と生産者が異なれば、ソバの風味は異なるという。

ソバに品種や気候による味の違いがあるのならそれを確認してみようではありませんか!

年間約十品種 その中から毎日四種を用意どれもがお勧めの品種で、飛騨各地でソバの栽培に努力をされている農家さんたちにお願いをして、 少量ずつですが大切なそばを分けていただいております。また、全国の産地からは飛騨のソバとは特徴の違うソバを仕入れるときもあります。

それぞれ、製粉方法と製麺方法を変えて品種の特徴を最大限に表現できるよう努めています

いろいろな品種を味わっていただきたいという趣旨から、注文は半量サイズで承っております。

2品種のそばを選んでご注文下さい。

そばの持ち味、生産者の思いをいろいろ試していただきたいのです。

お互いに、そばを楽しもうではありませんか。。』

こう書いてある。

 

ここまで書くということは、よほど自信があるということだが。

「そば品種を変えながら製粉方法と製麺方法を変えて品種の特徴を最大限に表現」

食べ比べができるとは、素晴らしい。

そこで二人で四種をシェア1980円というのを注文して食べ比べをすることにした。

別に

大根おろし

天ぷら盛り合わせ

蕎麦がき

酒 蓬莱 熱かん

を注文した。

 

蕎麦もそうだが、蕎麦がきを食べるとその店のレベルがわかる。

 

蕎麦がき

2、3mmのとても大粒の粒子のものが入っている大プリプリ蕎麦がきだ。

まるで私がいつも打つ篩(ふるい)を使わない手挽き超々粗挽きの粒子とそっくりの大粒だった。

甘くねっとりとした旨味のそばがき。

これは良い、ここまで大粒にしていると とてもうまい。

 そして、私がたまに作る超々粗挽き蕎麦掻きに味も似ている。

 

大根おろしは

鬼おろしの辛味大根だった。

大根の汁付き

 これがいいね

普通の大根はおろした後汁がたくさん出るが、辛味大根は水分が少ないので、汁だけを集めるのは結構面倒

だけどこの汁を蕎麦つゆに入れて蕎麦を食べるとピリッとした辛味と大根の甘みが蕎麦を数倍おいしくするのだ。

 

 

四種の蕎麦をシェアの内容。蕎麦にはシールがついてくる。

●青色のシール

「万波(まんなみ) そば

栽培地・飛騨市宮川町 品種・万波在来

一件の家が代々伝えた幻のソバ

【九割 製粉粒度(無篩い)】

「ざる蕎麦せと」の製麺技法のひとつである「ソバをコナにしないで打つ」製麺です。

今回は風味で好評の万波ソバを使用しました。

ソバ粒(つぶ)より麺を細くできないので、ほかよりすこし太麺です。その位の粗挽きです。」と書かれている。

 来たものは先ほどの蕎麦掻きと同じ感じの超々粗挽きだが、(無篩い)とあるように私の作りと同じように篩を使っていない。

これだけでも驚き。私が打つ日本一の超々粗挽きにそっくりなのだ。

私のは何も加えないそのままの超々粗挽き十割蕎麦だが、いくらなんでも私と同じやり方ではつながらないので、九割蕎麦として、 1割の小麦粉を繋ぎにされているのだが、

1割のつなぎだけでは、この粗さでは難しいはずだが、どうやって打っているのだろう?

蕎麦の太さは3mm弱、私が打つものと同じくらい太い。そうしないと大粒の粒子のところで切れてしまうからだ。ただ、3mm位の蕎麦粉がくるとそれでも切れてしまうが。

 その味は、私の超々粗挽き十割蕎麦より少し薄味だが蕎麦の味がしっかり出ていて、濃厚な味で甘く旨く素晴らしいそばだ。これは旨い。何年ぶりぐらいに濃すぎる蕎麦だ。

蕎麦屋でここまで超々粗挽きで濃厚な蕎麦は他にはなく、特別の美味しさ。

 かつて、京都伏見区にあった「蕎麦工房 「膳」のように素晴らしい味だ。

(「膳」は金~日 11:30~15:00だけ営業する行列のでる蕎麦屋だった。私の打ち方にとてもよく似ていて、長時間そば談義をした店でしたが、2年前に閉店され、あれ以来ここまで濃い味の蕎麦屋には遭遇していませんでした。)

旨みだけで言えば中部圏の蕎麦屋の中で1番のように思う。

帰りにご主人にお尋ねしたら、奥に入っていかれてボールに無篩いの粉を持ってこられた。

石臼の目もほぼ私のものと同じような感じの3mm位の大粒の入ったひきぐるみだった。

「ソバをコナにしないで打つ」製麺と書かれていたが、そこでやり方を聞いたら、私の十割蕎麦と同じ無篩いの石臼一度挽きだった。

ただ、これだけではつながらないので、丸抜きの40メッシュ(0.42mm)の蕎麦粉を三分の一加え、更につなぎの小麦粉を1割混ぜるとのことであった。

これで納得。

40メッシュは一般の手打ち蕎麦屋では粗挽き蕎麦で出すレベルの蕎麦粉であり、もっと小粒の50メッシュだと繋がりやすいのに、それを難しいという蕎麦屋もある中で、その粗挽き蕎麦粉を繋ぎに使うとはね。 驚いた。

100メッシュ(0.149mm)以下の微粉や200メッシュ(0.074mm)以下の超微粉を使えば繋がりやすいのに、それでは味が変わるので、同じ産地の40メッシュ(0.42mm)の蕎麦粉を繋ぎにするという発想がすごいね。

そして、これでもつながりにくいので1割の小麦粉をさらに加えるとは。

ここまで来るのに長い間研究をされたのだろう。

これなら、腕の良い蕎麦屋さんならきちんと繋がるし、旨みも他のものとは比べられないほど出て、他の蕎麦屋でもここまでの旨みを出すことはよほどのことがない限り不可能である。

これより美味しくしようとすれば、40メッシュを加えるのをやめて、1割のつなぎもやめ、私と同じように無震い超々粗挽き十割蕎麦にするしかないが、あまりにも技術と体力と時間がかかってしまい、もしも蕎麦が繋がったとしても、頑張っても1日10人前が限度であり、大勢のお客様相手には不可能となるから、まあこれぐらいが限度でしょう。

 

●赤のシール

桃源(とうげん)そば

栽培地・高山市久々野町 品種・日和田在来

【外一割製粉粒度 (24mesh)】

そば好家達が極めた味わい

久々野町では蕎麦好きが集い、「日本一うまいそばを作ろう!」という目標を掲げ、 十年以上の

歳月をかけ、日夜涙ぐましい努力を重ね、丹精込めたソバを栽培しています。

手刈り・天日干しの手間の掛かったソバです。と書かれている。

蕎麦粉10に小麦粉1の割合 超粗挽きの24メッシュ 太さは約2mm 甘味旨味あり 美味しい 中々出来の良い蕎麦

 

●黄色のシール飛騨(ひだぶれんど)

品種 国府 清見 大野在来 など

【二八 製粉粒度 (40mesh)】

良いとこ取りのオリジナルブレンド

飛弾で栽培されているソバから「香りの良いソバ」と「味の濃いソバ」をブレンドしています。品種は季節により変更しますが、季節々々によって微妙に変化する味覚に連動し、一年中おいしく味わってもらえるよう工夫しています。と書かれている。

 

喉越しと旨みの両方を求めた蕎麦だが、二八蕎麦なので、どうしても味は上記の2つに負けてしまう。

 

●緑のシール

焙煎(ばいせん) そば 栽培地・神岡町流葉

品種・切雲ソバ

昼夜の寒暖の差が育てた完極のソバ

【九割 製粉粒度 (40mesh)】

切雲ソバを焙烙で焙煎してから製粉しました。

二八そばや十割ソバとは全く違う味。

「ソバなのに今まで知らなかったソバの風味!」を体験して下さい。と書かれている。

少しほうじ茶のような感じの変わった蕎麦だった。

蕎麦の味というよりほうじ茶を思わせる味でした。

 日本中の蕎麦屋を400店舗ほどまわっていますが、今回ほど驚いたことはありません。

私が日本一の超々粗挽きだとして作っている十割蕎麦とよく似た超々粗挽きが出てきたのですから。

 内容を聞くと、40メッシュを加えた九一蕎麦で、十割ではなかったのでしたが。びっくりしました。

素晴らしい研究と美味しい経験をさせていただきました。

また 桜が咲く頃食べに行きたいと思います。

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ざる蕎麦・せと

岐阜県 高山市下岡本町1660-1 ざる蕎麦せと

0577-35-5756