ラ・ベカス フレンチ 2022.12.17 | foo-d 風土

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自然や芸術 食など美を 遊び心で真剣に

大阪の中之島美術館で

  ベルエポックのパリ

 ロートレックとミュシャ展を観た後のディナーはフレンチしかない

というわけで、美術の勉強の後は食の勉強に。 
 素晴らしい勉強でした。
 
 大阪のガストロノミーを代表する、いや日本を代表するとも言える「La Becasse(ラ・ベカス)」。渋谷シェフは本場フランスで、「ポール・ボキューズ」「ジョエル・ロブション」「アラン・シャペル」という世界の食の巨頭3人に師事したというすごい方。世界中のトップシェフが名を連ねるレストラン協会、日本で5軒のみ加入の”レ・グランド・ターブル・デュ・モンド”にも加盟。アート感覚に優れた唯一無二の一皿を求めて、客足が引きも切らない名店です。
 ここへ行こうと思ったのは、店名にもなっている『ベカス』。子供の頃から冬になるとジビエを食べるのが大好きで、現代はメインディッシュは牛肉より多いくらいジビエ好きなので。
 ベガスとは、ジビエの山鷸(ヤマシギ)のこと。ヤマシギは鳩と同じくらいの大きさでヨーロッパではジビエのトップクラスで喜ばれますが、日本ではあまり知られていません。
 この高級な鳥を店名にするとはジビエが得意の店ということですから。これはジビエ好きで美味しいフレンチ好きは行かねばと思った次第です。実際ジビエといえば、この業界では渋谷氏が第一人者とされています。
 そこで、3週間ほど前にベガスは食べられますか?と電話をしました。今年はよいベガスはいないが、探してみますとのこと。
料理はシェフのお任せコース20000円のみなのですが、ジビエはアップチャージになり、値段は来てみないとわからないこと。
ベガスがないのは残念ですが、何が来るか楽しみに待つことにしました。
 そして、いつものことですが、それぞれの料理の量を少しずつ軽くしていただく様お願いしました。 お腹いっぱいになると最後の方には食感が鈍るためです。
 
2022.12.10
ロートレックとミュシャ展を観て予約の18時に
La Becasse(ラ・ベカス)へ。

 

 

 
お店は移転を機に席数を減らして濃い仕事をしようとテーブルが6卓のみで、全12席。 

 

 

移転と同時に一人でできる少人数の店にして料理を楽しむ店にされたそうです。
 そこにギャルソンが3名
キッチンはよくわからないがシェフともう一名くらいか。
客席12席なのにこの数のスタッフ
すごいね。
 
今日のコースはどんなものが食べられますか?っと尋ねたら
「お客様はジビエの要望でしたが、メインはスコットグランドのヤマウズラとフランスから入ったばかりの黒トリュフをお使いします。」
これはアップチャージなので断ってもいいと言われたがお願いした。
とても高いだろうな、会計でいくらになるだろう😅。
 
料理は全てシェフが考えその日シェフが作るため、何が出されるかは、出来てみないとわからないといわれた。
 
料理におすすめの飲み物は?っと聞いた時にも ハッキリとは答えず、こんな感じの料理が出るだろうという予測のもとに出されるそうだ。
 
中々面白い

 

 

 

 

ワインはオールフランス産でお店だけでも500本以上あり別棟のセラーを入れると1000本越えるそうだ。
そこから料理に合わせて出していかれる。
 
 
アペリティフ 
シャンパーニュ
 カリーヌ・ショパン ブリュット

 

 

 

「ピノ・ムニエ」60%、「ピノ・ノワール」40%

 

 

 

 

 

 

 

ショパンという名なら ジョルジュサンドのフルートグラスで飲みたかったな。
(ジョルジュサンドグラスとは、音楽家のショパンが駆け落ちするほど好きだった恋人の作家ジョルジュサンドに愛を込めてプレゼントしたブルーとアンバーのグラス。 
 その事から、この色合いの組み合わせのグラスをジョルジュサンドと呼ぶようになりました。)
 
フレッシュで甘く辛口軽く微かなビター感 なかなかいいシャンパーニュだ。
 
パン
パンはフランスから空輸した「ルノートル」
ライ麦のパンドカンパーニュ
    リュスティック
雑穀パン
普段バターは付けないが、初めての店なので使ってみる。
 
 いいバターを使っている
とてもきれいな味のバターだ。
 
さて、料理の始まり、期待満々です。
 
●アミューズ
中央に鶏のせせりムース 周りにカリフラワーソース  上に蓼科(たで)
 

 

 

 

 

 

 

蓼科は刺身の妻によく使われるが、面白い使い方、
 
 美味しい 至極美味しい 濃厚なのだが後味は綺麗 これは素晴らしい
 蓼科が活きている せせりも良い この一品は驚きの美味しさだった。ここまで美味いものを作られるとは。 本当にすごいと思う。
 
お皿とカップにベガスが飛んでいる
なかなかおしゃれだね
 
白ワイン
RIVE DROITE リヴ・ドロワット ブラン

 

 

●白子のムニエル

 

 

 

 

雲っ子(鱈の真子)の上に大きな茄子
さつまいも 蓮根 大根 蕪
どれも日本らしい根菜類
緑のソースはアオサだった
アオサを海の味そのままミキサーに掛けている。
さつまいも 素直な味
バターナッツカボチャ 蕪の炊いたん どの野菜もシンプルなお母さんの味の様 和のテーストだ。
美味しくできている。
 
●オマール海老のサラダ

 

 

 

 

白ケール サヤエンドウ インゲン ビーツなど様々な ホワイト・グリーン・レッド野菜
オマールはクリスマスカラーの下に
トマトソース・オレンジソース・豆のソース
ソースは三方向に分けてある
 
ソースが美味しくて野菜が美味しい オマールは可もなく不可もなく普通の味 オマールが付け足しのように野菜が美味しい。
すべてソースの美味しさ。 ソースがこんなにも野菜を美味しくするとはすごい。

 

 

 オマールの産地を聞いたらカナダだった。カナダも有名だが、ブルターニュのオマールブルーなら美味しかったただろうが高級すぎて とても無理だね。
 
ブルゴーニュの白

 

 

 

 

ドメーヌ・シャヴィ・シュエ ブルゴーニュ・ブラン・レ・フメロット 2020
しなやかでフルーティーな味わいと酸のバランス、 ブルゴーニュらしい味 
 
●鮑と蟹のリゾット

 

 

蟹はずわい蟹
上にカリフラワーと菜の花をかき合わせたもの
 
(写真を撮り忘れて食べている途中のものを載せました)
 
結構旨い
鮑も美味しいのだが、リゾットがとても美味しくて、鮑が霞む。
 
●河内鴨のつくねと大根 きのこ 牛蒡のポトフ

 

 

 

 

 

 

洋風おでんのような感じ
いい出汁が出ている
この旨さは並の店では出せない味だ。
実は、牛蒡が効いているんだよね。
コンソメに牛蒡が上手く効いている。フレンチで牛蒡をここまで上手く使うとは、
ここのシェフは只者じゃないね。すばらしい。
 
つくねもいい感じに作られてきれいな美味しさ。
これに七味を振るといいだろうなっと思った。
 
次のワイン

 

 

ドメーヌ・デュ・プティ・メトリ サヴニエール・クロ・ド・ラ・マルシュ
ロワールワイン
ロワールは好きなワイン産地 
淡い黄金色 りんごやレモンの香り
いい味の白だ
 
●鯛と牡蠣とラビオリ

 

 

 

 

山盛りトリュフ トリュフに埋まって中が見えない。
 これは高そう😅。トリュフだけで6、7000円ほどするかな?
 
来た瞬間 トリュフの香りにフワーっと全てが包まれる
アアー トリュフのいい香り
 
エシャロットとクリームのソース

 

 

鯛も牡蠣もラビオリもどうでも良い ソースが旨い。
 
どの料理もソースが旨い 濃い味というより深い味
 
 「フレンチはソースの料理」
 
これぞフレンチの真髄だね。
 

渋谷シェフはジョエル・ロブション、アラン・デュカス等が提唱した「キュイジーヌ・モデルヌ(ヌーベルキュイジーヌからの古典回帰で、キュイジーヌ・クラシックやオートキュイジーヌと呼ばれる濃厚な味の正餐用の古典を融合させた料理)を彼らの所で勉強されているし、渋谷シェフは60歳、ギリギリ昔のオートキュイジーヌの味もフランスで経験されておられるでしょうし、数多の苦労もあったでしょうから、濃い味とか薄い味というのではない『深み』のある味が出せるのでしょう。

 
メインディッシュ用に赤ワインをお願いする。
ロワールの赤だった
リヴ・ドロワットルージュ2019

 

 

●メイン
 ヤマウズラ(ペルドロー)
(イギリスから取り寄せて頂いたもの)
  原木舞茸 芽キャベツなど

 

 

 

 

フィンガーボールが付いて出た。
まあそうだね。
骨付き肉はナイフとフォークで食べるより手で食べる方がきれいだから当然と言えば当然、。ナプキン多様よりスマートだしね。
 
 さてどこから食べる?
当然 脳みそだね。

 

 

脳みそといってもこの写真の小さな頭の真ん中辺りの丸い所なので、直径が1cmにも満たないくらいの小ささだが、鶏レバーを柔らかくミキサーしたペースト状に旨味を加え上品で繊細な味にした感じで、すごく美味しい。
 これをあと5個ぐらい食べたいな。
 
 肉はピジョン(山鳩)に近いが、繊維は繊細で味は少し淡い感じかな。

 

 

火がしっかり通ったもの。  なかなかおいしい。 
 美味しいのだが、しかし私は、火を入れてやや硬くなったものより、45℃位の低温でじっくりと火を通し柔らかく生っぽい方が好きなのだ。しかし低温焼はとても長時間かかるし大変。
 
 肉はしっかり焼いて食べるようにという厚労省の見解もあり、欧米と違って日本は焼きすぎるものが多いが、特にジビエは野生ということもあり、一般の人向けにはしっかりと焼いて出す傾向にある。私もそのような者に見えたのでしょう。
 
初めての訪問であり、そこまで伝えられなかったので、残念。 
 
それでも美味しい肉です。
そしてもう一つ。いい味だが、
一般の人は感じないかも知れぬが、ソースに微妙な苦味がある。
バターを使って舞茸をちょっと炒め過ぎた時の様な特有の苦味感。ほんの微かに焦げさせたか?。
本当に誰も気が付かないくらいの僅かさ。 だから、無視しても良いのだが、微妙に残るんだよね。
料理も人が作るもの。一箇所ぐらいはこういうこともあるよね。
 
●デセール

 

 

 

三種類全てがタイプが違う
 

 

 

ハチミツのアイスにカカオニブ掛け、フランスの栗 栗ソースの上に中国薬膳風茶をかけて、優しい味へ。
これも美味しい。
優しい蜂蜜味の柔らかなアイスクリームが口の中でトロッと溶け 美味しい。栗ソースと中国茶がお互いに仲良くいい感じ。
これらが美味しいので、栗は無くても良いくらいだ。
上に載っているカカオニブは、彩りには良いが柔らかいものばかりの中にこの固さは口の中で溶ける時間が長すぎるのでちょっと邪魔。
 
ヘーゼルナッツクッキーと
ブランマンジェ

 

 

最後は いつものように
エスプレッソWで。
 
帰りにシェフが玄関先まで出てこられてお話を。
料理のことなど聞きたかったのだが、
犬を飼っておられて、特殊な犬らしく恵那のブリーダーのところで購入するので、恵那まで来られたそうだ。
私も犬を飼っているので、その話が長くなり、一番聞きたかったメインディッシュの微かな苦味を聞きそびれてしまった。
 
何はともあれ、思い出せば思い出すほど素晴らしくなる料理でした。
 
冬の日本の野菜たち 根菜類を最大に使い様々な味で楽しませる
 
生野菜をここまで主役にする美味しいソース
今まで野菜サラダは味はソースが主張しすぎだった
それが、ここは素晴らしいソースたちがきちんと野菜を盛り立てている。
こんな料理もあるのだ。 素晴らしすぎる。
私もできるかどうかはわからぬが、もっともっと勉強しなければ。
 ミシュランに載ると本当に料理を楽しみたいという客以外も来るから、載っていない事に感謝と共に、それを思って小さなお店にされたのかもしれません。
 料理にはレシピがなく、毎日作り方が変化し、その日の食材を巧みに使い分けて、合わせたり、組み立てて完成させられる料理
おそらく、客の顔や雰囲気などもみながら作っていかれるのだろう。
 だから、最高の料理を作るためにメニューなしの「おまかせ」だけにされたのだろう。
 
今回はジビエにトリュフ、シャンパーニュ、様々なワインも加えたので、 私の収入からはとても考えられないほど高価になりましたが、そんなことより素晴らしい料理で、とても良い勉強をさせていただきました。
 
春になったらまた来よう、そしてしっかり勉強しようと思う。
 
  こちらで最高のシャランの窒息鴨やキャスタン・エクストラ・フォアグラを食べたら、どれだけの値段になったことでしょうね。改めてこういうものを食べるときは近くの、瑞浪市のベルエキップの安さを十分感じます。
 
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La Becasse(ラ・ベカス)
大阪市中央区平野町3-3-9 湯木ビル1F
TEL 06-4707-0070
要予約
定休日
日曜日、月一回不定休
 
ディナーはシェフお任せのみ20000円+α
 
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Chefのプロフィール
1961年12月22日生まれ。大阪府出身。高校卒業後、’80年に渡仏。 「ポール・ボキューズ」「ジョエル・ロブション」「アラン・シャペル」ほか各地で料理を学び帰国。 ’90年大阪の四ツ橋にて、ラ・ベカスをオープン。 ’05年高麗橋に移転、’14年に現在の平野町へ。 毎日がシェフズテーブルの12席のレストランに変身。 ’93年「ルレ・エ・シャトー」’95年グランシェフの会「ラ・グランターブル・ドゥ・モンド」両協会に加盟。
 
 私は国内での修業歴は一切なく、料理の技術、素材の扱い方、基本的な調理法、伝統的な料理はすべてフランスで身に付けたものです。滞仏10年、主にポール・ボキューズ、ジョエル・ロブション、アラン・シャペルという3人の巨匠について鍛えられたことで、私の料理観の基礎が築かれました。 ボキューズさんの伝統に根ざしつつ古い壁を破った力、ロブションさんの完璧主義、シャペルさんのアート性、多様性。すべてに大いに学ぶ点がありました。なかでもシャペルさんの影響が強いように思います。私はつねに素材の持ち味を活かしながら、その可能性を自由に飛翔させようとしています。優れた技術を持ったアルチザンであると同時に、アート感覚に裏打ちされた料理を創り出すことが私の基本姿勢です。
料理は生き物。 今日一番美味しい素材を市場で毎日仕入れます。その組合せは毎回異なります。固定したルセットのための決まった食材を買うということはしません。ですから、手に入った食材を自由に組み合わせて半ば即興的に、自分が食べたくなるような料理に仕上げるというのが「ラ・ベカス」の料理。その場のインスピレーションに支えられたライブ感覚溢れる料理です。 現在、メニューに記載したアラカルトをやめて、基本的に私へのお任せという形を取っています。どうしても食べたい料理、食材、その他ご希望がございましたら前もってお早めにお申し付けください。ご用意致します。ただ、その時も以前食べた時の味というのではなく、共通する部分はありながら、その日のアレンジということになるでしょう。それが固定したルセットを作らない私渋谷の料理です。 『鮎のリエット』『オマールエビのサラダ』『仔羊のピカタ』、店名にもなっている『ベカス(ヤマシギ)』など多数のスペシャリテをご用意し、すべてのお客様をシェフズテーブルでおもてなしいたします。厳選されたワインとともにお楽しみください。