拘り前進し続ける林シェフの店
毎回、「先回より美味しいものを」と言う欲張りな私。予約の時に今度はどんなものが食べられますか?っと尋ねる。そして何か新しいものがメニューに加わってくる。(半分私を実験台に使われている面もあるが)それもまた楽しみである。
今回も世界最高峰のフランス・キャスタンのフォアグラと最高級鴨をいただくようお願いしたが、先回とは何が変化し どう新しいものが出てくるだろう?
ワクワクして待つ。
今回も料理とペアリングさせる為に 拙宅の日本酒40種程のストックの中からをチョイスして持ち込んだ。
今回用意した日本酒は、6種類。
●秋鹿 純米槽搾直汲(ふねしぼりじかぐみ)へのへのもへじ多酸系酵母使用 速醸2022年
●奧鹿 山廃火入原酒 2018 (4年古酒)
●奧鹿 生酛無濾過生 へのへのもへじ2017(5年古酒)
(へのへのもへじは合鴨農法による自営田無農薬栽培米で醸した酒)
●神亀 純米酒 2011 (11年古酒)
● shu 純米大吟醸2022
● rey 純米大吟醸2022
古酒は拙宅で熟成させたものです。
今回は先回のカテコミュメンバーとの時とは酒を半分変更。
フォアグラには合うが、オマールブルトンにはちょっと違っていた。
頭で考えて良いと思っても、実際合わせてみると微妙に違うこともよくある。
フランス料理の多くは、きれいな味でも脂や油は濃い目の味と微かに濁ったやや濃い旨味なので、濃厚な日本酒や辛口など選べば合わせやすいのですが、ベルエキップのフレンチは脂や油は他よりサラッとして繊細な作りなので、日本酒を常備40種類位持っていても合わせる酒に迷う。
その為、それ用に最近日本酒をブレンドしてshuとreyの2種類作っています。まだまだ実験段階ですが。
shuは周之介のshu reyは私の幼名のれい(日篇に令)。これも先回と比べると微妙に変化させて。
shuはアルコール度数17、日本酒度+18の超辛口をベースに、辛口白ワインの酸味をレモンの様なキリッとした感じの酸味に仕上げ、reyは同じベースにスダチの様な尖った酸味にわからない位微妙な甘味を加えて幼き日の辛口悪戯っ子風に仕上げてみました。
(shuは魚で言うと鯵や焼き秋刀魚にも合わず、刺身で言うと烏賊や白身にも合いません、赤身もダメですが、トロか大トロにはよく合います。ヒレ肉にはよく合いサーロインステーキにも合う感じです。reyは鰹のたたきには合う世界。
鯵の塩焼きなら神亀純米酒2011年古酒の含みのある味がよく合い、
焼き秋刀魚には秋鹿純米精米70%槽搾直汲多酸系酵母使用ですね。
(秋鹿純米精米70%槽搾直汲多酸系酵母使用 速醸元2022年 日本酒度+8 酸度4.0)いい感じの酸味が秋刀魚によくあいます。
さて、閑話休題
まず
スパークリングワイン
細かなシャンパーニュの泡
●ブランマンジュ
冷たくて柔らかくプルッと喉に
●七谷クロワゼ鴨のコンソメ
これは本邦初登場 世界初 どこにもないスープ。林シェフの新作品の最初のお披露目。
七谷鴨はともかく、七谷クロワゼ鴨は三つ星でもあまり使わない高級品であり、そのクロワゼの骨でとったブイヨンと、もも肉で作ったものだが、ほんの少ししか作れない。
カクテルグラスで出されたスープは
どこからみても白ワインだ。
見た目は微かにオレンジかかった白ワインの色の透明感
味わいは濃厚かと思いきや 脂も完全に取り去り脂分を感じさせない旨味だけのおいしさだ。濁りなくサラッと旨味が生きていい味わい
これは上品
素晴らしい!
とシェフへ。
彼も嬉しそうだった。
本当に美味しいコンソメスープは一流シェフでも中々いいものが作れないものだが、大したものだ。
味が透き通っていていい旨味がある
フランスのグルメな公爵も喜びそうな味わい
これを作るのは大変だったろう。
コンソメの奥深い美味しさをわかる人も中々いないなか、この大変さがわかっていただける人だけにこのおいしさをゆったりと楽しんでいただきたいと。
●ひとくちプチシュー
フォアグラのクリームを詰めたプチシュー 少し固めのシュー
いつもの定番の味
シェフ曰くこの固さが良いという。シューの食感を楽しんでほしいと。
しかし私的にはこの固さはクリームの柔らかさを無視する感じであり、もう少しシューの柔らかさをサラリと活かす硬さであってほしいという。さて、次回は変化させるかさせないか どうするだろう。
●オマール海老のヌイユ(ヌードル)
パスタのアルデンテではなく、微かに芯がありそうな雰囲気を持ちながら柔らかくオマール海老ソースとからみ いい味を出している。
これは初物 美味しい。
パスタのアルデンテを食べるのはイタリア人。フランス人はヌイユだ!
これもよくできている。
いいソースだ。中に入っているオマール海老のよりソースが旨い。これは良い!
ソースと周之介ブレンドのshuがよく合う
●ビーフシチュー
一般的なレストランの 味の出きったカスカス肉ではなく、柔らかな肉が肉の旨みを活かし味わいを持ち美味しい。
しかし、これは先回のカテコミュメンバーとの時に出されたものの方が美味しかった。
先回は、途中で一日寝かせて作ってありソースも絶妙だったが、今回は当日であり、一緒に話をした一瞬でソースがかすかにすぎた味になってしまったようだ。
●究極のフォアグラ
大盛りでお願いした(と言っても付くのは2個だが)
世界一のフォアグラだ。
フランス キャスタンの超レアもの
ウーン トリュフの香りがたまらない。
甘い香りとフォアグラ本来の甘さ、
濃厚な筈のフォアグラが口の中でサラーッと切れるような 旨味が凝縮されたサラサラの脂 これこそキャスタンのフォアグラだ。
shuがよく合う
この繊細で上品なフォアグラはワインで合わせようとすると、ボルドーは無理、まだブルゴーニュだが、それより一番合うのはアルザスのリースリングだろう。
でも、それより今回のshuが一番合うと思う。
最高に美味い キャスタン
先回も素晴らしかったが、
今回は更に上、今まで食べてきたキャスタンのフォアグラの中でも最高だ。
もっとおかわりしたい!
●究極のオマールブルトン
下にムール貝 梨 カリフラワー等
微かな酸味を持つ綺麗な甘味の梨がよく合っている。
このオマールブルトンには奧鹿生酛無濾過生 へのへのもへじ2017(5年古酒)がよく合う。
●究極のトウモロコシスープ
これもいつもの定番だが 余分なものを入れない綺麗な味
● 究極の鴨
先回とても素晴らし過ぎる七谷クロワゼ鴨を食べたので、今回はフランス産。
シェフがほんの少しだけ冷凍庫で寝かせておいた とっておきの最後のフランス ヴィルゴー家のシャラン
(屠殺には窒息法が用いられています。血液を体内に残したまま屠殺れるこの窒息鴨(カナール・エトゥフェ)は、他の方法で屠殺されたものよりも肉が赤く柔らかい。この窒息法は、フランスで唯一ビュルゴー家に認可されている伝統的な屠殺方法です。)
先回の七谷クロワゼ鴨の幼児の血の味の様な細やかさとはちょっと違うが、綺麗で濃厚な鉄分溢れた血の味が生きた濃い味
これぞ ザ・ジビエだね。
これには神亀の11年古酒がよく合った。
まろやかで角の取れた酸味が鉄の味を甘く感じさせる。
「究極」という言葉が続くが、いかにも林シェフらしい表現。現代風ではなく、基本のフランスクラシック調理法に拘りながら更に美味しさを目指す故、他に言い方がないのだ。
●デセール2種
コーヒー
今回持参した酒で、秋鹿純米精米70%槽搾直汲多酸系酵母使用 速醸元2022年 は、日本酒度+8 酸度4.0と酸度が高く、脂物に合わせやすいのだが、今回は微妙に合わせるものが無く出番がなかった。
料理を食べている途中途中にシェフにも各お酒を試飲していただきながら進んでいき、
食事の後は 今回の料理談義。
拘りシェフと飲みながら
時には知らない人が聞いたら口喧嘩か?っと思われる時もある位結構真剣に話す。
自分の知識など子供のようなものだが。
料理の歴史 明日の料理
さらに大きく飛躍する料理
料理人と客は共に競いあい育てあっていくもの。
18時に入って毎回退出は23時近くまで話をしている。
今回の七谷クロワゼ鴨のコンソメには驚いた
キャスタンの凄さも
最高の素材を更に上手に美味しく作る。
これが東京の半額。東京から新幹線を使ってきても安く食べられるのだから 凄いシェフだ。
さて 次回はどんなものを食べさせてくれるだろう。
私も勉強をしておかねば。












