お寺のピアノ教室では、ベースはクラシックです。
特に、小学校時代にあたるベーシックコースでは、
クラシックの基礎をみっちりやっていただきます。
けれど、ある程度の基礎を身につけて、
なおかつ、自分の好きな曲がしっかりある生徒さんは、
その「弾きたい曲」を練習していただけます。
例えば、クラシックのメソードを練習する傍ら、
大好きな昭和歌謡を弾いている中学生もいます。
バーナムや音階練習に励みながら、
バッハを弾いたり、X-Japanを弾いたりする子もいます。
わたしの両親は、まったく音楽と無関係の人たちで、
昭和歌謡が大好きな人たちでした。
仲良く、歌謡番組を見て、熱唱している2人でした。
その娘なのに、なぜかわたしはシャンソンやジャズが好きで。
民族音楽なんかにも、わくわくしたものです
いっときは、グレゴリオ聖歌にはまったり……。
音大に行ってからも、クラシック以外にも、楽しみであれこれ弾いていました。
そして、たまたま友人の披露宴で、
エルガーの「愛の挨拶」と、
エルビス・プレスリーの「好きにならずにはいられない」を弾いたとき、
たまたま、司会をされていた方が、名刺を持ってこられ、
「あなたの弾いたクラシックには感動しなかったけれど、
あなたのプレスリーには感動しました
仕事、しませんか」
と、スカウトされました
結局、わたしはクラシックを続けましたが、
あのときの言葉は、嬉しかった
わたしの音楽が、人を感動させることができた、なんて
ジャンルがどうのこうのではない。
自分が楽しくてならない音楽を弾いて欲しい。
そうすれば、人の心をも動かせることができる。
そう思います。