「嫌だ」を大切にしよう。 | 愛知県一宮市 ピアノ教室ff(フォルテッシモ)

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夢はピアニスト。日本には、もう住まない!
そう思っていた私の、運命の嫁ぎ先は、お寺でした。

藤原式ナチュラルメソッドで、
楽に表情豊かに音楽を奏でるレッスンをお届けします。

お寺といういつもと違う空間で、
音楽を楽しみ、心をまあるくしてみませんか。

わたしは20年以上、誰かに面と向かって、
「嫌だ」と言った覚えがありませんでした。
 
実母を癌で失い、
留学も、
大学院への進学もあきらめ、
名古屋に帰ってきた時からです。
 
もともと、留学する気満々で、日本とおさらばする気も満々でした。
それなのに、今いるのがお寺って、ちょっぴりどころか、大いに複雑苦笑
 
 
そんなわたし。
あのときに、思い切って、さっさと留学しておけば良かった、と今は思います。
だって、わたしのやりたいことは、そのとき日本にはなかったのですから。
 
でも、お金を出してくれるのは父でしたし、父は留学には猛反対でした。
お金を出さない、と言われてしまえば、そのときのわたしには、
どうすることも出来ませんでした。

そして、なにより。
わたしがいなくなったら、この家は崩壊する、
と思いました。

ここで、わたしさえ、我慢すれば……。


留学だけではありません。
 
ピアノを教える、ピアノを弾いていく、のには、
なんといっても、「ピアノが必要」です。
 
ピアノがないことには、ピアノってどうにもならない。
そして、ピアノが置けて、ピアノが弾ける部屋を確保するのって、
すごくお金がかかることなんです。
 
そうすると、大学卒業したての人間が稼げるお金では、到底無理です。
 
そんなことを思った瞬間から、わたしは、
父に対して、「NO」を言えなくなっていました。
 
「NO」を手放したわたしは、ずるずると、人生の坂道をずり下がり始めます。




たった1つのことに対し、「NO」を手放しただけですが、
そうすると、我慢することが日常になります。
その我慢が慢性化してしまうと、
嫌なことに対して鈍感になります。
 
本当に自分が何がイヤなのかだけでなく、
自分の好きなものもわからなくなります。

それが続くと、何が大事なのかがわからなくなってきます。


ただ、イヤな感覚だけは体の底でうごめいているので、
だんだんと様々なことに無気力になっていきます。
 
最初の頃は、働いて、お金を貯めて、
それで留学しよう、と思っていたのですが、
世の中はそんなに甘くもないことを知ります。
 
家事全般をやっていたわたしは、
父のために作るご飯を一回減らすことについてさえ、
「NO」を言うことが出来なくなっていました。
 
朝、6時のご飯。
それから、掃除や洗濯、買い物などの家事全般。
12時のご飯。
仕事に行く前に晩御飯の用意。
仕事に行って、帰宅は10時過ぎ。
 
それが毎日毎日。
ほぼ365日、何年も続きます。
 
そのくせして、
「自分はこんなんじゃない」
との思いはあって、変に頑張ってみたりします。
 
でも、自分の感情の肝心なところを閉じ込めてしまっているので、
いつもなんだかずれています。
 
 
ずれがずれを呼び、人生は、ずれっぱなしになります♥akn♥
 
 
だからね。
自分の感情を、ないことにしてはいけないのです。
 
蓋をしてはいけないのです。
向き合うことです。
 
嫌だからと、感情のままに行動してはいけませんが、
その感情をないことにしていては、自分がわからなくなります。
 
別に、今は亡き父を責める気はまったくありません。
ただ、あのときに、自分を大切にするべきだったとは思います。
 
あのときに感じた、
「自分がいなければ、この家は崩壊する」
などは、わたしなんぞがいてもいなくても、関係なかったのだ、ということです。
 
「自分さえ、がまんすれば」
なんて、体の良い逃げ文句だったのではないかと思います。
 
 
人をどうこうする前に、自分が幸せにならないことには、
人さまを、幸せにすることは出来ないのだと、思います。
 
 
始まりは、「たった1つの嫌を呑み込んでしまうこと」ですが、
その1つは、1つに終わらないのです。
 
嫌だ、と思ったことに、蓋をせず、閉じ込めず、
逃げずに、向き合わなければなりませんポイント。
 
逃げていると、人生は、いつか、きちんと清算を要求してくるのですなニコニコ。