夏色 | てっちゃんのまったり通信

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 ♪駐車場の猫はあくびをしながら・・・

ゆずの「夏色」。

オリンピックのシーズンに必ずと言って話題となるのが

「栄光への架け橋」

パリオリンピックに合わせてか、普段LIVEに忙しい彼らが

珍しくトーク番組に出演していた。

オリンピックの歌を歌わせたら一級品のゆずであるが、

その出世作は「夏色」

暑い一日が終わりかけている夏の夕刻の風景が浮かんでくるような歌詞が

長い間愛され続けている。

しかし、

「実は・・・」

と言いながらこのトーク番組でゆずが言い出したことがある。

「この歌詞の中にひとつ嘘があるんですよ・・・・」

はて、どの部分だろう。

♪そうだ、君に見せたいものがあるんだ・・・・


 大きな5時半の夕焼け

 
 子供の頃と同じように 海も空も僕らでさえも染めていくから・・・・


一番最初のサビの盛り上がり。

しかし

「夏色の季節は5時半に日は沈みません」

ああ、確かに。

何故歌詞が5時半にセッティングされたのかは言及されなかったが

日の入りはもう少し遅い時刻になるだろう。

トップの写真を撮影した日の銚子地方の日の入りは午後6時40分。

線路の向こうにある丘に落ちていく夕日は

この列車が走る時刻がギリギリ。

一日強い光でひまわりを照らし続けた太陽は

柔らかい光に変わりひまわりたちの一日をねぎらっていた。



赤い金太郎と青い金太郎。

銚子電鉄には生まれは京王電鉄の金太郎が二人在籍している。

そこに南海電車から新しい中古車が導入された。

南海ズームカーと呼ばれた車種で側面2枚扉、ロングシート。

ドアの脇に間今でも誇らしげに「NANKAI」の文字が踊り

運転席脇にはいにしえの南海ホークスのユニフォームのぬいぐるみが

鎮座している。

昨年この導入が決まってものすごい危機感を感じた。

金太郎が、いなくなってしまうかもしれない。

昨年の同時期、ひまわりをイメージ通りに撮影できなかった際に

「ああ、来年やり直しに来ても、もう君たちではないんだね」

と、肩を落としたものだが、

どっこい生きてた金太郎。

青い金太郎は南海電車の導入にはじき出される形で引退に追い込まれたが、

赤い金太郎は、まだ踏ん張って、その雄姿を見せてくれた。

「金ちゃん、ありがとう。まだ頑張っていてくれて」

運よく順光のひまわりを撮影に訪れた日に運用入り。

南海ズームカーを期待して来た方々も多かったようだが、

私は久しぶりに金太郎とひまわりと一緒に

暑かったが楽しい一日を過ごさせてもらった。



夕方の写真は、南海ズームカー。

冷房効率を上げる為にシェードを全部おろしての運行。

窓枠が綺麗に出るかなぁと心配したが、

夕方の斜光線の強さに件のゆずの歌の歌詞の一部のように

オレンジ色に染まって心配は杞憂に終わった。

その窓枠の中からキラリと顔を出した夕日。

その光がまっすぐにひまわりを照らす。

暑い暑い夏の夕刻。

過ぎ去っていく電車には、仕事帰りのお父さんが乗り

お父さんを迎えにいく夏休みの子供たちが目にした

ひまわりと電車と夕日。

ちゃっと昭和っぽい物語を妄想しながらシャッターを切った。

もう少し補足すると、

この妄想の主人公は「となりのトトロ」のさつきとめい。

電車に乗って帰ってきたのは、さつきとめいのお父さん。

糸井重里の声で

「ただいま、待ったかい?」

と言う台詞が聞こえて来たような気がした。

昭和30年代の夏の夕方の情景。

「三丁目の夕日」の妄想でも良かったかもしれないが、

あの物語は、自営業(しかも電車のライバル車の修理工場)なので

お父さんは通勤の必要が無く、一日中在宅。

もともと通勤電車には縁が無いので話にならない。

令和の夏に昭和の夏を演出する。

家に帰ったら、縁側で夕涼み。

蚊取り線香に扇風機、ビールに枝豆。

妄想の中の昭和の夏は加速的に進む。

しかし、この日の暑さは昭和のものではなく

まさしく令和のそれであった。
(危険な暑さと言うやつ)



午後には逆光、裏を返せば午前中は順光。

逆光も良いが、やはり文字通り日に躍るひまわりの花を撮影したい。

鈍行しか乗れない18きっぷで、午前中の早い時間帯に銚子まで到達するには

4時台の始発に乗らなければならない。

それでも銚子の到着は7時半。

眠い目をこすりながら現着したが、

その色彩の鮮やかさに目が覚めた。

朝から相変わらずの暑さであったが、

青空に白い雲、黄色を基調とした可愛らしいひまわり

空とひまわりの間を行く銚子電鉄の赤い金太郎2002系。

それらすべてが夏色に輝いていた。



撮影日:2024年8月2日・4日
撮影場所:銚子電鉄 君ヶ浜⇔犬吠