読む。
掃除探偵キリコ、ビストロ・パ・マル、シャルロット…、
どのシリーズとっても、外れたと思ったためしがない。
だから、時代小説でも、すぐに手にとった。
近藤ワールドが、江戸の町にも繰り広げられるのだが、
現代のミステリーの、あのほっこり感とは別物の、
なぜか、ゾクゾクするような、華というか、色というか、
そんなものが感じられる。
堅物の同心、玉島千陰、その父、千次郎、
千陰と見合いをしたのだが、なぜだか、父の後妻におさまったお駒、
中村座の人気役者の巴之丞、そして巴之丞にそっくりだという吉原の売れっ子花魁の梅が枝…、
登場人物は、相変わらず、誰もが魅力的だ。
男と女が、その境界で妖しくうごめく。
芝居の世界も、吉原も、華やかであればあるほど、
悲しく、切ない。
市井で起こる人殺しを、千陰は、巴之丞や梅が枝の助けを借りて、
その絡まる謎を解いていく。
鹿の子の帯揚げで首を絞められ、若い娘が連続して殺される。
人気役者が舞台でしていたことから、若い娘の間ではやっている帯揚げだった。
千陰は、巴之丞に話を聞きに行くのだが…。
千陰と巴之丞の初めての出会い…。