奈加さんの「善人長屋」を読む。
小悪党たち、チームの物語。
やはり、チームのお話は、おもしろい。
窩主買い、巾着切り、ネタ元、偽文書作り、美人局、
コソ泥…。
これが、「善人長屋」の住民たちの裏稼業。
その中に、まっとうな人物、加助が店子として加わるのだが、
住民たちに裏稼業があることなど、まったく疑わない。
この加助、底抜けの善人、お人好しで、人助けに奔走するのだが、
いつも、トラブルを連れてくる。
小悪党である、長屋の店子たちが、加助が引っ張ってくるトラブルに巻き込まれ、
おたおたしながら、加助を助け、加助が助けようとした人々を助ける姿が、
なんとも、ユーモラスで、あたたかい。
始めは、加助の善人ぶりに、裏に何かあるのではと、思いもしたが、
どうやら、そうではなく、掛け値なしに善人であるようだ。
小悪党に善人が混じり、引っ掻き回される。
その図が、面白さと、そしてやるせない可笑し味を醸し出すのだろう。
性根までどっぷり腐り、人を人とも思わないような輩が本当の悪人で、
彼らは、悪党の仮面をつけた善人なのだろう。
この夏から、TVドラマが始まっている。
視てから読むか、読んでから視るか。