この作品も、チームの物語。

 

とむらい屋という生業なので、

話は、人が死ぬところから始まる、あるいは、

死が必ず伴う。

 

それでも、生きている者が救われる、

そんな結末もある。

 

死という、どうしても重たくなるものを扱っているだけに、

主人公の颯太のそっけない態度、また、彼を取り巻く、

おきゃんな感じのおちえや、坊主の道俊、

医師の重三郎、棺桶づくりの勝三など、とむらい屋の仲間が作り上げる雰囲気、

そして、さらっと描かれるストーリーが

暗く沈みがちな展開を救っている。

 

 

生と死は隣りあわせ、いや、

生も死も、日常の出来事。

 

この世やあの世。

必ず死生観が語られる。

 

自分自身、二年の間に身内二人をおくった。

弔いなどに、心をやる余裕も、その意味を考える余裕もなく、

その後の日々を必死で過ごしている。

 

「弔いは残された者のためのもの」だと、颯太は言うが、

どんな弔いをしようと、失った悲しみは深く、消えることはない。

 

ぽっかり空いた心の穴は埋めようもなく、

身体を通り抜ける風は、何年たっても、すーすーしている。

 

と、この作品を読んで、悲しみが薄らいだようで、

そんなことはなかったのだと、あらためて思わされた。