諸田玲子さんの「あくじゃれ 瓢六捕物帖」を読む。
この作家さんの作品は、
「お鳥見女房」、「狸穴あいあい坂」シリーズと辿り、
この「あくじゃれ瓢六」シリーズを一気読みしている。
「あくじゃれ」シリーズのテンポの良さ、スピード感はハンパなく、
次々に手に取ってしまう。
もちろん、主人公である瓢六のキャラの魅力にもひかれるが、
彼を取り巻く人物たちが、それぞれの魅力を発揮し、
こちらの心が持って行かれる。
長崎で生まれ、阿蘭陀通詞をし、唐絵の目利きもしていた瓢六が、
江戸に出てから、身を持ち崩し、博打の科でお縄になってしまう。
色男で、博識、洞察力に優れ、肝っ玉の太さばかりでなく、
人たらし…、すべてを兼ね備えた瓢六だが、
人生の波をかぶるたびに、悩み、落ち込み、放り出し…と、
実に等身大の男の物語が繰り広げられるから、それにつれ、共感度が上がるのだ。
牢に入れられた彼が、町方同心の手先となり、
次々に、悪と戦う。
こんな、ざっとした説明だって、瓢六の物語への興味が、きっと湧くだろう。
町方同心、篠崎弥左衛門や多くの悪仲間との出会い、
事件に遭遇するたびに、登場人物や仲間が増え、
そして、次々に消え去っていく。
こちらも、感傷に浸る間もなく、新しい出会い、
新しい事件が立ちはだかる。
最愛のお袖との生活、そして、別れ…、再会…、
これだけでも、手に余るほどの楽しめる要素で、
次へ、次へと、ページを繰る手が止められない。