現代から戦国時代や、平安時代、江戸時代へ、というタイムリープものは数あるが、
現代人が単に江戸時代へ飛んじゃった、なんて単純なものじゃなく、
「江戸」という独立国家を、日本国内に作っちゃったという、なんとも、
破天荒な設定。
ま、一種のファンタジー、だな。
一応、「金春屋ゴメス」シリーズなんだが、
主人公は、江戸に「入国」した若者、辰次郎。
元は江戸生まれなんだが、家族と一緒に日本へ出国し、日本で育った。
だが、病床についた父親の願いで、江戸に入る。
そこから、さまざまな事件に遭遇して、成長していく、
ざっというと、成長物語だ。
江戸に入った辰次郎が身を寄せたのが、「金春屋」という飯屋。
結局、その裏に住む長崎奉行、馬込寿々、通称ゴメスの配下となる。
そのゴメスという、一応、女性が、とんでもない人物。
容貌魁偉、冷酷無比、極悪非道、最悪、最凶で、
大盗賊もビビるという。
傍若無人で、人の言うことなど耳を貸さない、
気に入らないと暴れまわる、
なんて書いてくると、魅かれるようなところなど何一つない、
という感じなんだが、
読み進めていくと、嫌いになれない、魅力さえ感じてしまう。
だから、シリーズ名通り、ゴメス自身の物語や、
活躍を見たいと、思わされる。