「睦月童」を読む。
面白味も、哀しみもあるファンタジー。
息子の央介の放蕩に心を痛める国見屋は、
睦月の里から、神の子であるイオを迎え入れる。
イオが睦月の神から授かった力は、その目に相対した人には、
目が金色に光って見え、それは、過去に犯した自分の罪を
突き付けられているということ。
央介は、そのイオの目に恐れ、打ち震え、そして改心する。
そこからこの二人の交流が始まり、ある出来事をきっかけに、
小十人頭の小出彪助と出会う。
その中で、睦月の神、睦月の里の秘密が明らかになっていく。
睦月の里は女人ばかりが住み、誰もが美しく、年をとらず、
長い生を生きるが、子どもを産み落としたら死んでしまう。
いつまでも美しく生きたいと願う、女の業のようなものが生み出した神、
それが睦月神。
そんな神に守られていると信じる女人たち。
睦月の里は、女人の理想郷なのだろうか。
睦月の里は「呪われた里」と言い、
小出は、睦月の打ちこわしを画策する。
相変わらず、登場人物たちが魅力にあふれている。
央介とイオの交流にはホワホワさせられるし、
鯨の親分は、登場場面は少ないが、出てくるとホッとする。
こうしたあたたかく、魅力的な人々がいるから、
過酷な運命を背負っているとしても、イオはきっと、救われる。
