救う。麻宮好さんの「天がたり」を読む。
死者と生者の物語。
十一歳の心太は、もっと幼いころに母を亡くし、
その母の仕事だった辻占売りを続けている。
父親と喧嘩をし、悪態をついたその日、父が死んだ。
それ以来、悔いの想いを胸に抱え、一人で生きている。
父と母に会いたい、そんな気持ちがつのるとき、
ある坊主に出会い、彼に連れられて
あの世とこの世の境を訪れる。
その日から、心太は、未練を抱えた幽霊を見、
話ができるようになる。
死者との交流、そして、彼らが胸の内に抱える
辛さに寄り添ううち、心太の心も強くなっていく。
大切な人を亡くした者は、再会を願う。
ワタシも、母や夫に会いたいと思う。
だが、その会いたい気持ちが強すぎることは、
死者をこちら側にとどめることになるともいう。
生者の未練、死者の未練。
心太の聡明さ、優しさが、愛おしい。
