今日はフォーカシングに特化した話ではありませんが、前回のブログ(フォーカシングの実体験2)を読んで、世話人・鈴木が日々のカウンセリングの仕事の中で感じたことを書いてみたくなりました。
私は、主に女性を対象とした相談室で仕事をしています。そこには、夫婦関係を始め子育てや介護、あるいは親族トラブルといった家族の問題を抱えた方が多く相談に訪れます。しかも、ひとつだけでなくいくつもの問題が絡みあって、身動きもとれないほど追い込まれて相談に来られる方が珍しくありません。特に、真面目で責任感の強い方ほど問題を一身に背負って、「自分がなんとかしなくては」と思い詰めていらっしゃいます。
カウンセリングでは、その複雑に絡み合ってこんがらかってしまった結び目を解きほぐすように、少しずつお話を伺っていきます。福祉や医療、法律などの助けが必要なときには他機関も紹介しつつ、その人が現在の状況をどうとらえていて、どんなふうに困っているのか、何がいちばん苦しいことなのか、ゆっくり時間をかけて聴かせていただくのです。
何度かお会いしてお話を伺っていくと、初めは状況説明が中心だったお話が、だんだんとご自身の内面的なことへと向かっていきます。やがて、「もう、それは家族に任せます。私にできるのはここまでですよね」というようなことを口にされるときが訪れます。そういうときはみなさん決まって、とても静かで、ほっとして、どこかすがすがしささえ感じさせる表情をなさいます。
フォーカシングでは、からだが納得して解放される瞬間を「フェルトシフト」と呼んでいますが、カウンセリングの中でもそれと同じようなことが起きているのだと思います。
そうやって「自分がなんとかしなければ」と必死で抱え込んでいたものを少し手放すことができると、息をつける間が生まれ、余裕をもって状況に対処したり周りの人とも接することができるようなってきて、そこでの関係性も変わってくるのです。家族の問題だけでなく、仕事の問題でも同様ですね。
今これを読でいるあなたも、自分に無理なことまで抱え込んでいませんか?それは本当にあなたがやらなくてはいけないことですか?もしかしたら、人の分まで抱え込んで自分を追い込んでいるのかもしれません。それをいくらか手放すことができたら、本当に必要なものが得られるかもしれませんよ。