何か有事が起こると円高に振れる。財政が危ないと普段から煽るニュースでも「比較的に安全な円が買われ~」が常套句として使われている。
テレビのニュースを見てても永遠に為替のことは分からないので、自分で調べ以下にまとめる。(適宜メモの内容を追加)
1.海外投資家の円キャリー
2.海外投資家の日本への投資の影響
日本株の海外投資家の取引に占める割合は6割、持ち分は3割ぐらいらしい。彼らは日本株を買うにあたり、手持ちのドルを円に両替(ドル売り円買い)して投資する。
この時、円買いをするが円高にはならない。ドルベースで見た投資の収益が為替レートの変動を受けないようにするために為替ヘッジ(ドル買い円売り)をするからだ。動き的には以下の感じ
【初期ポジション】
株:ドル(売)→円(買)→日本株
為替予約:ドル(買)→円(売)
※為替レートには影響なし
(おそらく個人レベルではヘッジはしないはず。為替ヘッジのコストがもったいないし。)
海外投資家はやっぱり目利きが鋭いのか、日本株が儲かりそうな時に投資をする。そういう時は円安の時で、小泉政権の金融緩和の時も円安に連動して株価も1万8000円ぐらいになってたと記憶している。
その時、海外投資家の含み益が大きくなるが、やはり為替レートの変動を受けないようにするべく、追加で為替ヘッジを行う。その結果円安になる。
【含み益が出たとき】
為替予約:ドル(買)→円(売)
※円安
含み損が出ると反対
【含み損が出たとき】
為替予約:円(買)→ドル売)
※円高
海外投資家は日本株を3割持っているということで、そのうちの一部が為替ヘッジをしただけでも、為替相場に相当な影響が出るのは当然だろう。
この性質に注目し先回りして、円安→株買い、株高→円売りをする奴がいれば、なおさら増幅されるという仕組みになっている。
3.有事の円高
世界的に何かネガティブなイベントが起こると円高になる。ニュースで言うように安全資産だから買われている・・・ワケ無い。
安達誠司さんがネガティブなイベントが起こった時の各国の為替レートの動きを調べると、日本の円だけが通貨高になっていたという。また、「安全資産」のもう一つ通貨スイスフランですらそんなことにはなっていない。(以下の本の後半部分に詳しい)
日銀がバブル崩壊以降、機動的に金融政策(緩和)をやらなかったから、名残でそうやってるんだろうという結論だった。日銀の罪は重い。
4.ファンダメンタルズ(経常黒字とか)
今の金融取引はほとんど投機筋がメインで金融政策が流れを決めているので、ファンダメンタルズに関してはよく分からなかった。
とりあえず、長期的には購買力平価の周りを為替レートがうろうろしてるぐらいの理解。
5.ヘッジファンドのポジション(需給)
誰にも分からない。たまに、ジョージ・ソロス的なカリスマが投資家を煽るためにポジションや方針を公開することはあるが。
一般に言われてるシカゴIMM通貨先物ポジションは、規模が小さすぎてそれを見ても、ほとんど意味が無いのだという。
詳しくは、富田公彦さんのブログや書籍を参照すれば良い。
ブログ:外国為替市場の不都合な真実