実家を探せ | きんつう相談室 〜線維筋痛症、慢性疼痛、疲労に悩む方へ〜

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引越しのイメージイラスト。自家用車や植え込みのある一戸建ての前に、引越しトラックが停まっている

 

 

私は度々引っ越しをした。時には何線に乗って帰宅するのかわからなくなってしまう。

とにかく迷子にはよくなる。

 

入院中に引っ越しをしたこともある。県外の知り合いの不動産屋さんに頼んで物件を探してもらい、内見もせずに契約の代行してもらった。入院しているのだから何もできない。日時を決めて、元アパート荷づくり込みの引っ越し業者を頼んだ。新しい方で荷物開梱も頼んだ。ほぼ終わる頃私は病院から車で退院し、始めて見るアパートに入って、とりあえずベッドまでたどりついた。

 

迷子にはなるが知らないところに行くことはちっとも不安ではないし、むしろ好きだ。

 

緊急入院した時のこと。かかりつけの病院で倒れて、「これは専門医のいるところでなければ手術は難しい」ということで救急車で運ばれた。どこに運ばれたかも知らず緊急手術をし、2週間の入院となった。ようやく安定したころ、ここはどこの病院だろうと思って、何か書類はないかと探してみた。同意書に病院名が書いてあったが行ったことのない病院だ。

そんなことがありながら退院する日となった。しかし帰れと言われてもここがどこか分からない。

 

フロアに降りていき、総合案内で「ここはどこですか」と聞いたら不審な顔をされた。認知症と思われたかもしれない。

「あ、そうじゃなくて、ここの最寄りの駅はどこですか」と聞き直して、ともかく知っている路線に出るしかなかった。

 

自宅を探すことなんてよくあることだ。しかし実家を探すという珍事件はめったにないだろう。

 

大体の親なら子供が成人した後もいつでも帰ってこい、困ったことがあったら帰ってこい、そのためには何が何でも実家を残しておくと考えるようだ。

しかし、私の親は違う。行ったら行ったきりで一人で頑張れ。一人でなんとかしろ。ただし、相談には乗るというスタンスだった。まあ、それはそれでよいとして。

 

今日話したいのは実家がなくなってしまったことだ。大学生の時滅多に夏休み、冬休みに帰省しなかった。ある時ようやく「今年の夏休みは帰るね」とハガキを出したら、「そこに実家はありません」と返事が来た。

実家がないというのはどういうことだ!

それから追っかけて父から写真入りの地図のような手紙が来た。家が引っ越したのだ。

「駅の〇〇バス停を降りたところから歩いてこの角を曲がる。ここの路地を入る」という写真付きだ。

それを見ながら無事に帰宅した。

しかし私の知らないうちに実家が引っ越してしまうなんてありなのか。一言言ってくれてもいいのに。「そこに家はない」だなんて。

 

私は実家や家がいつまでもあるとは考えていない。建物、風景、国、何であれ永久のものなどないと思っている。だから別にショックではないが、やなり規格外に面白い親だと思う。

 

(代表:橋本 裕子)

 

 

 

 

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