いつも目立たなくて、自己主張もできない。
オシャレとも縁遠くて、仲間内でもまったく目立たない存在だったあのこ。
親に勧められた年上の人と、
一番先に結婚して、白いドレスをまとって、薄く微笑んでた。
子供もできて、家も買って・・・
家族そろった年賀状の写真は、彼女だけ昔と同じで控え目な笑顔だった。
その彼女が・・・
子供も、夫も、薔薇の垣根の素敵な家も捨てて、
パート先で知り合った男と消えてしまった。
何年か経って・・・
私のもとに、遠い海辺の町の消印で、葉書が送られてきた。
彼女は、年上の、ちょっとさえない男の人の隣で、
私が見たこともないような圧倒的な笑顔で笑っていた。
昔ながらの丸いかわいい文字の言葉を添えて。
「やっと、自分の居場所を見つけました」
・・・幸せなんだね。
初めて彼女をうらやましい、と思った。
