耐えられない軽さ | 想像上のLand's berry

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言葉はデコヒーレンス(記事は公開後の一日程度 逐次改訂しますm(__)m)


耐えられない軽さ

1.
 言葉の空虚さに耐えられない。「絶対に」とか「一緒に力を合わせて」って言葉は、単に決まり文句として使われるためにあるわけじゃない。そんな言葉の軽さには耐えられない。「そう言って、いっつもなにもしないじゃん」って、「口先だけじゃん」って、そう思えてしまう。

 そんな風に言葉を使われ続けたら、心はどうしようもなく麻痺してしまう。どこかが軋んでいって、何のために戦っているのか分からなくなる。よしんばそれで何かを手に入れたとして、それはいったい、何のための勝利なの? そんな戦い方をしていたら、戦うたびに味方は脱落していくのに。

 口先だけの言葉。空虚な言葉。そんな言葉を発するたび、この世界は汚されていく。嘘にまみれた世界からは、僕らの呼吸できる空気も失われていく。そんな世界は息苦しくて耐えられない。そして僕は、汚されていく世界から、目をそむけたくなる。

2
 彼女は、いつの頃からか成長するのを止めてしまった。普通の子と同じようにすることが成長だと思いこんで、「芸能」の理屈は違うということを理解しようとしなかった。だから、加藤さんが言ってくれた言葉(自分の売りをちゃんと見極めなさい)も、吉村さんが言ってくれた言葉(テンションだけじゃつまらないよ)も、何も響かなかった。

 僕らが言い続けてきた言葉も何も響きやしない。「もっとアピールした方がいい」。そんな言葉を、投票ごとのたびに何度、目にしたか分からない。でも、そんな言葉も風の中に融けていった。空虚な空。鋼鉄の檻に閉じこもった心。彼女は、「人事を尽くして天命を待つ」という言葉の意味をついぞ理解しようとしなかった。

 どうしようもないことはあるけれど、彼女はもう成長するのを止めてしまった。「私は私らしく」とか「前だけを向いて」なんて言葉に紛らせて、考えるのを止めてしまった。「私はこれで良いんだ」と思いこんでしまった。

 …そう思う。